【高齢者による事故多発】運転免許証の自主返納制度の意味がない3つの理由

2019年に高齢者による交通事故がニュースでたびたび報道されました。

高齢ドライバー

 

今後高齢化はますます進みますので、高齢者向けの自動車免許制度の創設など、国の新たな対策も検討されはじめています。

現在高齢者に対する免許制度として、免許の自主返納というものがあります。

しかし私はこの免許の自主返納制度だけでは、高齢者による交通事故を防ぐ事はほとんど意味がないと思っています

今回はその理由を各種データなどもふまえながらご紹介します。

 

予めお断りしますが、私は高齢者の方の運転が全て危険だとは思っていません。

安全運転している方が大半であるということを前提にご紹介させて頂きます。


自動車運転免許の自主返納制度が機能していない3つの理由

80歳以上の高齢者の7割以上が運転に自信があるという現実

まずはこちらのグラフをご覧下さい☟

運転に対する自信グラフ

これは年齢別に自分の運転に自信があるかないかを集計したグラフです(MS&AD基礎研究所調べ、全国1000人のドライバーが対象)

その結果、全年齢のうち60~64歳の方が運転に自信がないと答えている人が最も多い事が分かります。

注目すべきは65歳以上の方です

そこから年齢が上がっていくにつれて、運転に自信があると答えている人が急上昇しているのです。

80歳以上に至っては、7割以上の人が運転に自信があると答えているのです。

75歳以上は現在後期高齢者と呼ばれている年齢なのですが・・・。

 

私は現在40歳半ばですが、若い20代の頃と比較して明らかに運転がきつくなる場面が増えてきました。

特に長時間の運転が苦痛になってきましたね。

その結果運転中の集中力が落ちたり、適度に休憩しないとしんどくなる機会がでてきました

居眠り運転

 

20代の頃は何の目的がなくてもただドライブするだけで楽しかったのですが、30代半ばを超えてからは長距離のドライブを楽しむ事はほとんどなくなってしまいました。

30代半ばでこの現状ですから、70代80代になるとどうなってしまうのか大変不安でもあります。

歳を重ねていくと反射神経が鈍くなったり視野角が狭くなったりと、運転するにも若い頃と比較して注意しなければならない事が格段に増えます。

にもかかわらず、運転に自信があるという高齢者の方が非常に多い事は注目すべき事実なのです。

運転に自信があるがゆえに免許の自主返納も進みませんし、自信過剰による運転中の注意力が低下してしまうという事にもつながってしまいます。


85歳以上の2人に1人は認知症だという調査結果

これは日本医療研究開発機構が認知症について調査した結果です(2018年時点)☟

年齢別認知症の人の割合グラフ

この調査結果によると、75歳以上になると認知症の人は急激に増えていきます。

そして85歳以上になると、およそ2人に1人は認知症になっているというのが現状なのです。

更に今後少子高齢化はますます進みますので、人口に対する高齢者の割合が増えて認知症の人も増えていきます。

日本において2025年には認知症の方は730万人に、2050年には1000万人を超えるという厚生労働省の予測も公表されています。

高齢者による交通事故が起きた時に、高齢ドライバーの説明で「事故を起こした記憶がない」や「気が付いたら事故になっていた」というコメントが報道される事がありますが、これらの方も認知症を疑わざるをえないのがグラフからも分かると思います。

認知症の方の自動車運転免許更新制度を早急に改める必要に迫られています。

しかし現在の自動車運転免許制度では、年齢による更新制限などは一切ありません

また東京都を例に挙げますと、運転免許証の更新期間満了日の年齢が75歳以上の場合、更新手続前に認知機能検査の受検と高齢者講習等の受講を行う必要があります。

ただ高齢者講習といってもテストや技能検査などはなく、基本的に受講すれば免許の更新が可能になっています。

高齢者の運転免許更新

 

先日のニュースで、警察庁が運転免許証の更新時に運転技能検査を行い、合格するまで更新を認めない制度の導入を柱とした中間報告をまとめたようです。

対象者は違反歴などで絞り込み、受検回数の上限は設けない方針とのこと。

現状で過去3年間に信号無視や大幅なスピード違反を含む何らかの違反があった75歳以上は2割程度だとされています。

高齢運転者に対して限定免許証の検討など国としてもさまざまな対策が検討されはじめていますので、今後の動きに注目しましょう。


罰則や制限がない制度には限界がある

現在の免許の自主返納制度や高齢者の免許更新制度などには、罰則規定や免許の更新をできなくするような制限をするものではありません。

あくまでも運転する人が自主的に返納したり申告するような制度なのです

運転に自信があると思っている高齢者の方に、周りが免許の自主返納をいくら促した所で意味がないでしょう。

高齢者の認知症も社会的問題になっていますが、ちょっと様子がおかしいからと言って即免許取り消しなどができるような仕組みではないのです。

その結果、何か重大な事故が発生してから実は運転手の様子がおかしかった・・・という事態になるのです。

高齢者の病気

運転手の自主的な行動に委ねられた現在の運転免許制度は、今後ますます加速していく高齢化社会には追い付いていないのが現実でしょう。


自動運転の車の普及が一つのカギとなる

現在世界各国の自動車メーカーが開発をしている「自動運転の車」。

日本では世界ではじめて、国産の新型乗用車を対象に、2021年11月から自動ブレーキの搭載を義務付けると発表しました。

既に大型トラックやバスは搭載が順次義務付けられていますが、今回は普通乗用車や軽自動車なども対象になります。

車の価格が高くなるのは必至で、また新型乗用車のみが対象なのでしばらくは自動ブレーキが搭載されている車と搭載されていない車が公道を走行する事になります。

自動ブレーキが義務付けられたからと言って、即交通事故が激減するような制度ではありません。

ただ以前車のエアバックやシートベルトが装着義務化になった時も、制度が決まってから徐々に効果が出始めています。

その結果2018年の交通事故による死亡者数は3532人と、統計をとりはじめてから最小となっています

 

今後国が検討している安全な車社会に向けての対策案をまとめてみました。

①新車で販売される車を対象に、衝突被害軽減ブレーキシステム搭載を義務づけ

②特定の違反歴などがある高齢者を対象に、運転技能検査を実施して合格するまで運転免許を更新できなくする

③政府の関係閣僚会議で75歳以上の高齢ドライバーには、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い加速抑制装置が装着された車に限って運転できる「安全機能付き高齢者限定免許」の新設を検討

交通事故0
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