先日経済産業省から第3次産業(サービス業)活動指数、2020年9月分が公表されました。
主に就活や転職の際に利用される指数で、簡単に言うとどの産業が活発なのかが数値で分かるのです。
指数の目安としてある期間を「100」と設定しており、それを上回ると産業自体が活発になっていて、逆に「100」を切ると停滞しているという事になります。
2020年はコロナの影響で業績の良い悪い業種が極端に浮き彫りになりましたが、そのような中でも業績を確実に伸ばしている業種は複数あります。
しかもドラッグストアやスーパーマーケットなど、定番以外の業種でも業績が急拡大しているものがあるのです。
先の見えない状況の中でお金に不安を感じている方も多いと思いますが、実はそのような中でもある超高額商品が売れているのです。
コロナ禍中においてはコスパという普段気にしている指標はあまり当てにならない事例もあるようです。
第3次産業活動指数を見れば、世の中の人々が何を欲しているのかが数値で分かります。
そのような業種を10種、一挙にご紹介します!
コロナ禍でも爆売れ!活気がある10の業種はコレだ
家が売れている!
私が今回一番以外だったのは、今不動産業界が熱い!のです。
具体的には新築戸建住宅売買指数が、首都圏・中部圏・近畿圏全てにおいて指数「140」を上回っています。
逆にマンション分譲指数は80程度ですので、投資用というよりは実際に居住する為の住宅が売れているということです。
普通の方ならそう思うでしょうし、私も実際思っていたのですよ。
大手の旅行会社や航空会社の年収ダウンやボーナスカットのニュースが連日報道される状況下において、超高額商品の家が売れるというこの矛盾です。
この理由を紐解くと、コロナ禍で自宅に居る時間が今まで以上に長くなりました。
更に外出も今までのように気軽に出来なくなり、ますます自宅に居る必要が出てきたのです。
そのような中で少しでも快適に安心して住みたい!という方が増えてきたのでしょうね。
家は人生最大の買い物と言われる事がある程、簡単に購入する事はできません。
コロナ禍でボーナスカットになり、家のローンが払えなくなったという報道もありましたが、そんな年収が減ってしまうリスクがあっても実際に家を買っている人が増えているという事実は結構重要だと思いますよ。
それはお金よりも快適な環境が欲しいと願っている、まさにコスパとは逆行する動きなのです。
逆行と言っても、快適で安心な住まいがあるからこそ安心して生活して働けるという意味合いもあるのでしょう。
経済成長して家計が豊かになると不動産が売れるという、今までの定石は通用しないご時世になってきています。
建設コンサルタントが人気!
最初にご紹介した一戸建てが売れている流れで、建設に関する調査・計画・設計などのコンサルティング業務を主体とする業種が人気です。
具体的には発注者と建設会社との間に仲立ちして、建設物のデザインや機能性の検討などや解決すべき課題の解消などを行う専門の知識を持った専門職の事です。
一般的には公共事業のような公益性のある事業で活躍する事が多い建設コンサルタントですが、このコロナ禍によって都市に求められる機能も大きく変わっていくでしょう。
そのような時代のニーズに合わせた土木建築関連のサービス業、それが建設コンサルタントなのです。
実際に建設コンサルタントが工事をする訳ではないのですが、この建設コンサルタントの仕事次第で出来上がる建築物が大きく変わってくるのでとても重要な仕事なのです。
当然高い能力や力量が必要で、技術士・測量士・情報技術等々あらゆる資格取得も求められます。
建設コンサルタントは新3K(きつい・帰れない・結婚できない)と呼ばれる事がある程やることが山のようにある業種なので、責任感の強い人や社会に貢献したいという熱い思いを持った人が今求められています。
ペットが売れている!
第3次産業では「ペット・クリニック」とされている業種ですが、特に2020年前半においての指数が「181」と近年にない盛り上がりを見せています。
これは自宅に居る時間が長くなり、少しでもペットに癒しを求めている方が多いという現れでしょう。
マンションやアパートではペットを飼うことが出来ない場合も多いでしょうからね。
ペットを飼うには場所もお金も必要ですが、コロナ禍においてはお金よりもペットを選ぶケースも多いようです。
一戸建てが売れている時もご紹介しましたが、人々が生きていく上でお金よりも大切な事がまだまだ沢山あるんだという事を改めて思い知らされたのが2020年ではないでしょうか。
いくらお金があっても外に出かけられないのでは本当にしんどいですからね。
快適な環境、癒される空間をみんなが求めているという訳です。
競艇場が指数200超え!
一時期3密の権現だと言われた「パチンコホール」
実際パチンコ店でコロナのクラスターが発生した事例は今の所無いのですが、少し前の緊急事態宣言では時短営業に応じないケースなどいろいろな負のイメージがまとわりついてしまい、パチンコホールの業績は急激に縮小しています。
では今までパチンコに行っていた人はどうしているのでしょうか?
その答えが競艇場です。
実は第3次産業のオートレース場も最新の指数が「140」だったのですが、競艇場も「213」でした。
ようするに今までパチンコに行っていた人は、オートレースや競艇を楽しんでいるようですよ。
ちなみに競輪も「125」と近年にない高い数値でした。
競輪場や競艇場が近くに無い人の為に、場外車券売り場や舟券売り場なんて施設もありますからね。
コロナ禍にはコロナ禍なりの遊び方があるという事でしょう。
ファーストフード店の業績が絶好調!
2020年は飲食業にとってはつらい日々が続いています。
特にパブレストラン・居酒屋が壊滅的で、指数で言うと「13.4」「36.3」と苦しい状況が続いています。
そのような中でも業績を伸ばしているのが、ファーストフード店です。
一時期は某大手ハンバーガーチェーンによる異物混入事件が相次いでイメージが悪かった時期もありましたが、ここにきてその強みを最大限に生かしています。
時短で提供、ドライブスルーによる最低限の接触で商品購入可能などそれだけでもコロナの感染リスクが少ない強みがあるのですが、更に近年になって益々便利なサービスが登場しました。
例えばマクドナルドのモバイルオーダーなら、スマホ一つで注文決済できます。
今までなら店に行ってメニュー表を見て注文する、、といった事が全てスマホでできるのです。
更に最近では受け取り自体もドライブスルーでできるようになったので、店自体に入る事すら不要に!
2020年には苦境に立たされた飲食店がテイクアウトを始めるケースが増えていますが、ファーストフード店はとっくの昔からやっていますからね。
ぶっちゃけて言えば、このコロナ禍においては店舗自体不要であり、調理施設があってそれを顧客に届ける事が出来さえすればいいのですから。
だからこそ「Uber Eats」のような宅配出前サービスが人気なのでしょうね。
クレジットカードで物を買う人が増加中!
巣ごもり需要の一環として、家に居ながらクレジットカードで商品を買う人が増えています。
第3次産業の分類としては「販売信用業務」です。
ただ逆に消費者金融業務(クレジットカードでお金を借りる)は数値的には減少しているので、高額商品を1つ買うというよりも比較的身近な商品を何回も買うというイメージでしょうか。
コロナ禍において出来るだけ現金の受け渡しを少なくしたいという心理も働いているかもしれません。
あと国民一人一人に給付された10万円の定額給付金の影響も見過ごせません。
現金の給付後、それを口座に入れた状態でクレジットカードで買い物をするパターンです。
販売信用業務に限らず、クレジットカード業は近年の指数が常に「120」オーバーの状態が続いていますので、今後もこの流れは変わらないと思います。
宅配貨物運送業が熱い!
近年ネット販売が活発になり、宅配便業者が人手不足になっているという報道がありました。
運賃の値上げや取引先の変更など、あの手この手でやりくりしている運送業ですが、このコロナ禍においても順調に成長しています。
人々が思うように外出出来ないので、自宅で商品をネット購入する機会がますます増えています。
私は2020年メルカリデビューしたのですが、これが実に便利なのです(今更感がありますが(笑))。
バーコード一つで出品できるのも楽なのですが、一番嬉しいのがリアルの店で売るよりほとんどが高値で売れるのです。
本に限らずあらゆる小物が売れるので、自宅の不用品の片づけが出来て更にお小遣いもゲットできます。
メルカリが潤ると運送業も潤うという訳です。
ゲームソフトが爆売れ!
2020年は新型ゲーム機が2つ発売されるなど、元々話題性があったのですが、このコロナ禍が更に追い風となっているのです。
第3次産業では「ゲームソフト」というくくりですが、2020年になってから指数が全て「200」超えです!
ちなみにこの「ゲームソフト」とは、家庭用ゲーム機やスマホのアプリゲーム両方が含まれています。
スマホのゲーム以外のアプリは「コンテンツ配信業務」に分類されていますが、こちらも指数が「117」なので順調に業績を拡大しています。
2020年は学校が臨時休校になるなど今までにない年だったので、それに合わせてゲームソフト全般が絶好調なのです。
大人も子供も一緒に楽しむことができるのがゲームですからね。
2021年においてもこの傾向は続くでしょう!
家庭の必要インフラ、熱供給業が熱い!
熱供給業とは地域熱供給や地域冷暖房とも呼ばれ、冷水や温水等を一か所でまとめて製造、供給している事業の事です。
代表的な会社は、東京ガスや東北電力、東邦ガスなどですね。
航空機や鉄道といった交通系インフラが大打撃となった2020年ですが、そのような状況でも電気や水道といったエネルギーインフラ業種は本当に強い!
特に電気だけでなく、蒸気や温水などといった複数の媒体を供給している熱供給業の業績が伸びています。
自宅に居る時間が長くなり、一般の家庭からのそのような熱源に関する需要が伸びているのでしょうかね。
冠婚葬祭業ははっきり明暗が分かれる!
最後にご紹介するのは冠婚葬祭業です。
ただ冠婚と葬祭で実ははっきり明暗が分かれる結果となりました。
葬儀場の指数は「98.1」。
今年になって葬儀による新型コロナのクラスターが発生した事例もあって苦境に立たされているかと思いきや、指数的には例年をちょっと下回るぐらいの数値です。
逆に悲惨なのは結婚式場業。
2020年の指数が「63.3」→「5.9」→「24.1」と回復のきざしが全くありません。
居酒屋もそうですが、不特定多数の人が集まるイベントは避けられる傾向にあり、その中でも葬儀に関してはほぼ通年通りですが結婚式は大幅減です。
このコロナ禍で盛大な祝宴を開く事を躊躇う心理的な影響と、結婚そのものを控えるケースも明らかにあるようです。
厚生労働省が2020年10月に公表した調査結果によると、2020年の妊娠届け件数が7月までの累計で前年同期比でマイナス3万件、率にして5%以上減少しています。
生まれてくる子供の人数がここ数年でかなり減少傾向にあるのですが、結婚する件数も減るとなると少子化にますます拍車がかかる事になります。
AIの普及で私たちの仕事が将来無くなってしまうという報道が以前ありましたが、コロナの影響でそれをまざまざと目の前で叩きつけられているのが現状です。
しかしそのような状況でも必要な仕事というのは必ずあるのです。
そんな未来を少し見る事ができるのが、今回ご紹介した職業かもしれませんね。
以上、「【就活、転職、就職】コロナ禍でも業績売り上げ急上昇中!未来を生き残る10の業種はコレだ【2020年9月分第3次産業活動指数】」でした。