日本における生涯未婚率(2019年に50歳時未婚率に表現変更)が上昇し続けています。
次のグラフは国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2014年度版」の公表結果です。
男女共未婚率が上昇していますが、特に女性より男性の方が10%程未婚率が高い状態で推移しています。
これだけ未婚率が上昇している背景には、社会や働き方の変化や結婚そのものに対する世代間での認識の差などいろいろな要因が考えられます。
しかし!
今回はその要因を取り上げて分析するのではありません。
ではなぜデメリットを紹介しないのか、その理由です。
・ネットで結婚のデメリットは散々出回っている
・人はメリットよりもデメリットの情報を優先しがちになる
・正しい根拠やデータに基づかないで結婚のデメリットばかりが主張されている
結婚する10のメリット
既婚者は未婚者と比較して不幸感がかなり低い傾向にある
これは世界価値観調査に基づいて作成した、男女の未婚者既婚者別の不幸感を表すグラフになります。
高ければ不幸感が強いと感じている人の割合が多いという事ですが
国別でも男女別でも日本の未婚男性の不幸感の高さは突出しているんです!
同じ日本においても、男女別でここまで違うものかと驚かれる方も多いと思います。
不幸感が高いと、将来に不安を感じたり前向きに行動できなくなるなどデメリットが目立ってしまいます。
しかも30~50代という人生において折り返し地点での不幸感の高さは、個人的にすぐ解消できるような簡単な問題でもありません。
このグラフから言える事は、既婚者はそれなりに結婚生活を満喫しているという事の表れではないでしょうか?
普段配偶者の愚痴や独身時代が良かったと昔話をしているのは良く聞く話ですが、実際それで不幸感を感じている人は未婚者と比較すると圧倒的に低いという事になります。
それよりも未婚者の不幸感の高さの方が圧倒的に目立ってしまっています。
日本の家族制度という古い制度に未だに現代人は縛られているという現実でもありますね。
好きな人と一緒に過ごすという、結婚の一番基本的な事が人間の感情や考え方にかなり影響を与えてるという結果でもあります。
家に誰かが居るという安心感が増加
これも幸福感に関係するのですが、家に誰かが居てくれるという毎日の安心感があります。
特に30代以降になると体の衰えが少しずつ始まってしまいますので、今まで出来ていた生活が難しくなってくる時もあります。
夜遅くまで起きれなくなったとか、若い頃は無茶できたのに最近はしんどくなってきた等々。
そういう時に、家に誰かが居てくれて話でも聞いてくれればなと考える事はないですか?
そういうお互いに精神的に支えあう関係が夫婦であり、この安心感は未婚では体験できない感情です。
体調不良の時に支えてくれる人がいるありがたさ
私は現在潰瘍性大腸炎という国指定の難病で通院生活を続けています。
下痢の慢性化から潰瘍性大腸炎になった私の病名発覚から現在までの経緯
私は現在潰瘍性大腸炎という国に難病指定されている病気で通院しています。 この病気の主な特徴は慢性的な下痢と大腸からの出血です。 更に症状が悪化すると、出血部分(ポリープ)又はその周囲でがん化のリスクが高まります。 このがん化のリスクを少しでも抑えるべく、現在薬による治療を継続しています。 …
現在ステロネマという注腸薬による治療を続けていますが、この薬はお尻からの投薬ですので私一人で使用する事ができません。
看護士である妻に毎日注腸してもらっていますので、本当に助かっております。
私の場合は特殊な事情かもしれませんが、体調不良や病院に行く程の容態になった時に、一人でやれる事は相当限られてきます。
こんな時に誰か居てくれれば・・・と思う事もありますよね。
これは風邪などの場合だけでなく、精神的に疲れた時や追い込まれた時なども同様です。
そういう状態の時には、一人で考えていると益々ネガティブな発想ばかりしてしまう傾向にあります。
入院したらどうしようとか、深刻な病気だったらどうしようとか。
そういう嫌な思いが、近くに配偶者が居てくれる事でかなり緩和されます。
ちなみに家に誰か居てくれればいいなら、未婚でも実家住まいならいいんじゃない?と思われる方もいるでしょう。
私もそう思った一人なんですが、実際実家住まいで不幸感が低くなるくらいならグラフのように未婚者の不幸感が突出する事はないはずです。
中年未婚者の親と同居している人数や割合が、年々増加しているという調査結果もあります。
しかし未婚者の不幸感が年々低下しているという結果は、私が把握している限り分かりませんでした。
独身一人暮らし同士が結婚すると生活費の節約になる
未婚者が一人暮らしをしていると、家賃や水道光熱費などさまざまな生活費が必要となってきます。
これが男女それぞれ別々に発生しているのなら、単純計算で2倍生活費がかかっている訳です。
結婚して同居すると、それぞれが負担していた生活費が一つにまとめる事ができます。
この金銭的メリットは結構大きいですよ!
コスパが良いって事です。
仮に男女それぞれが一人暮らしをしていた場合、どれくらいのコスパ上昇になるのかざっくり計算してみます。
家賃(駐車場代含む) | ¥55000-(一人分の削減額) |
水道・ガス・電気(基本料金含む) | ¥10000-(一人分の削減額) |
食費(個別に作るよりもまとめて作って節約) | ¥5000-(削減額) |
家電や生活雑貨などを個別に買わなくてすむ | ¥5000-(削減額、家電の場合は額が大幅に上がる) |
1か月当たり削減額合計 | ¥75000- |
1年当たり削減額合計 | ¥900000- |
ざっくりとした計算なんですが、1年当たりでなんと約90万円の削減効果が期待できます!!
その他にも車をそれぞれ所有していたのを1台にした場合は、更に車の維持費を削減できます。
結婚して同居する事によって、どんどん貯蓄額を増やす事は十分可能なのです。
共働きする事で世帯年収を増やす事ができる
専業主婦が当たり前だった時代はすっかり過ぎ去り、今は共働き世帯数が年々増加しています。
社会保障費の負担がどんどん上がっている事や、子供の教育費の上昇・将来に対する備えなどが背景にあるのでしょう。
今は夫婦2人で元気で仲良く長く稼いでいく事が求められている時代ですので、一人だけが一つの事を頑張る事が難しいとも言えます。
共働きをすると言う事は、家事育児を夫婦2人で臨機応変にこなしていく必要があるからです。
世帯年収を増やせる結婚のメリットと同時に、家事育児の働き方改革を家族で進める絶好のチャンスだと私は思います。
〇〇歳までに結婚したいというプレッシャーから解放される
結婚適齢期という言葉がありますが、平均初婚年齢が男性で30歳を超えて女性も29歳なのが現状においてはこの言葉はほとんど聞かれなくなりました。
ここ十数年で晩婚化や未婚化が一気に進んでしまったからです。
しかし〇〇歳までに出来れば結婚して、家庭を持ちたいと考えてる人がそれなりに居るのも事実でしょう。
そういう人は目標意識が高く、積極的になんでも頑張ってしまう傾向にあります。
勉強や仕事は努力すればそれなりの成果や結果が出ますが、恋愛に関してはなかなかうまくいかない事もあります。
そういう自分自身に対するあせりやプレッシャーが、更に上手くいかない悪循環に陥る事も多いのです。
そういう上手くいかない時も含めて結果的に結婚するとなると、そういうプレッシャーからは全て解放されます。
特に女性の方は、この後紹介する妊娠出産という面でどうしても年齢を気にされている方がかなり多いと思います。
未婚率は昔と比較すれば確かに上昇していますが、まだまだ既婚者が多数派を占めています。
そういう周りの既婚者から見られる目というのは、令和時代になった日本でも無視できない空気感は未だに残っているのです。
例え周りが全然気にしていなくても、未婚者本人が勝手に思いを膨らませすぎて自分を追い込んでいるという事もあります。
だからこその未婚者の高い不幸感に繋がってしまうのではないでしょうか。
子育てを楽しむ事ができる
子どもが大好きで育児を楽しみたいと期待している未婚や新婚の人も多いかと思います。
実際育児をしているといい事ばかりでなくつらい時やしんどい事も多いのですが、周りから子供が楽しく遊んでいる姿を見ると微笑ましくなってくる時もありますよね。
子どもの成長と共にどんな大人になっていくのだろうと、将来に期待していくのも親の立場として想像を膨らませてしまいますね。
子どもの為なら何にでも頑張る事ができる!という前向きな気持ちになれる効果もあります。
健康寿命が未婚者より既婚者の方が長い傾向にある
健康寿命とは2000年にWHOが提唱したもので、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間の事を指します。
すなわち寝たきりや重度の認知症のような、自分の意思で動く事ができない状態では健康寿命にはカウントされません。
人生100年時代と言われる現代において、この健康寿命をいかに長くして生活できるかが老後の幸せに直結すると言っても過言でないと思います。
健康診断をうまく活用する事で健康に対する意識を向上させる事の重要性を紹介しています。こちらもぜひ!!
年1回の健康診断がコスパの良い人生になる
健康寿命を延ばす事がコスパの良い人生になる 現代は人生100年時代とも言われます。 食生活・医療・社会インフラ等々、昔に比べて飛躍的に私たちの生活は便利に豊かになりました。その結果、日本の平均寿命は世界でもトップクラスとなりました。 しかし平均寿命とは別に健康寿命という定義があるのを皆さんご存じでしょうか? 健康寿命とは、2000年にWHO(世界保健機関)が提唱しました。 …
そしてこの健康寿命にはある調査結果があります。
それは既婚者と未婚者の健康寿命の違いです。
少し昔のデータですが国立社会保障・人口問題研究所が算出したところ、40歳時点で既婚者と未婚者の平均余命(1995年時点)を比較した結果、未婚者が8年以上も短かったという結果が出ています。
1995年の時点では健康寿命という概念が無かったのですが、平均余命が8年以上も短かったという事実は見逃せません。
この要因として未婚者の次のような行動が影響していると考えられます。
食事面 | 食事のバランスが偏っている(野菜が少ない、偏食、朝食抜き等)事がある、外食が多い |
生活面 | 誰も気にすることなく休日の寝だめや深夜遅くまで起きている等、生活リズムが乱れていることがある |
身体的面 | 体の調子がおかしくても病院に行く機会が少ない、結果的に病気を見過ごしてしまいがちになる |
精神面 | 不幸感が高い場合がある、行動の全てに影響 |
既婚者の場合、どうしても自分より家族全体を優先しないといけないのでいろいろな事に気を付ける必要が出てきます。
自分だけ好きな物を食べたり生活したりするのは、特に子供がいる家庭では実際問題難しいと思います。
結果的に本人が望んでいなくても規則正しい生活になっていくという流れです。
誰からも邪魔されないし注意もされない未婚者でも健康に注意している方も居るとは思いますが、既婚者と比較するとその割合は少ないのが現状なのではないでしょうか。
特に健康寿命においては、そもそも若い頃は体に全く影響しないのです。
歳を取って50歳60歳以降になって、はじめて結果として表れてくるのです。
結婚についていろいろ考える方は20代30代の方が多いでしょうから、健康寿命について考える機会はあまりないかもしれません。
しかし、こういう影響についてもしっかり何らかの傾向が出ているという事は知っておいて損はないと思いますよ。
既婚者に対する税制優遇が多数有る
最近は独身税なるものを徴収すればいい!みたいな意見もあるみたいですが、現在既婚者に対する税制優遇策は多数あるのです。
配偶者控除 | 配偶者の所得金額38万円以下で、原則38万円を限度に所得金額から控除 |
配偶者特別控除 | 配偶者の所得金額38万円以上123万円以下の場合、最大38万円を限度に所得金額から控除 |
公的年金制度の第3号被保険者 | 第2号被保険者の被扶養配偶者は、毎月の年金保険料を支払わなくても保険者資格を得られる |
贈与税の配偶者特別控除 | 配偶者から贈与を受けた場合、基礎控除とは別に最高2000万円までの贈与額が非課税(要件有) |
未婚者に対する税制優遇は今の所ありませんので、国の政策面からもそれなりに既婚者は恩恵を受けている事になります。
社会保障制度は年々改正されていますので、実際に申告したりする時は最新の情報をチェックしてくださいね。
価値観の多様化で豊かで楽しい人生になる
20代の頃までは何もかも体験する事が新しい事ばかりで、人生がすごく充実しています。
体も元気で体力もありますから多少つらい事があっても、若さで乗り越えられる事も多いはずです。
ところが30代以降になってくると出会う人などもだんだん固定化されてきて、刺激が少なくなってしまいがちになります。
しだいに家と職場の往復だけになってしまうパターンです。
これが結婚すると、今まで全く知らなかった人と一緒に住んでいく訳ですから刺激が無いはずがありません。
子どもが出来ると更に刺激が増えて、今までの生活スタイルが180度変わるぐらいの影響が出てきます。
これは良い面も上手くいかない面も含めての話です。
そうした場面に夫婦で直面した時に、今までの自分や生活を少し見直してなんとかやりくりしていく事を繰り返す事で、考え方が柔軟になったり臨機応変に変わったりすることは十分あります。
安定しているけどマンネリ化した日々と、いつ何が起こるか分からないけど家族みんなで助け合っていく。
どちらが充実した人生でしょうか。
もちろん人それぞれでしょうし、受け止め方もさまざまでしょう。
しかし、そういう結果が最初にご紹介した既婚者より未婚者の不幸感がかなり高い傾向あるという事実に繋がっているのも見逃せません。
さいごに
ここまで色々メリットのみをご紹介しましたが、勝手な事ばかり言ってる!と突っ込みをしたくなる方も多いでしょう。
それも全てごもっともであります。
毎日起きる予測不能な出来事に対して、めんどくさいと思うのか面白いと思うのかは人それぞれです。
しかし少なくとも未婚者が結婚のデメリットを語るよりは、既婚者が結婚のメリットを語る方が少しは説得力のある話ができるのではないかと思ったのが、この記事を書いたきっかけなのです。
一人暮らしと結婚生活、両方体験した人だからこそ語れる事も多いはず。
理想と現実に思い悩んでいる人も多い中で、どんな些細な日常でも他人から見れば勇気をもらったり笑ったりできるエピソードは沢山あるはずなんです。
そんな日常を発信できる場所は、今はSNSでいくらでも発信できます。
今回の記事がみなさんの何かのお役に立ってもらえれば嬉しいです。