高度経済成長やバブル景気など、日本が生き生きとしていた時代はとっくに過去の思い出になり、GDPや株価など外国と比較してその成長率は大きく見劣りしています。
失われた30年とも言われるのが日本の現状ですが、経済の姿を私たちに伝えてきた経済ビジネス雑誌の売上はどうなっているのでしょか。
これらの雑誌では、〇〇ランキング!とか企業の問題点などを頻繁に特集していますが、残念ながら自分自身の雑誌発行部数に関してはほとんど触れられていません。
日本経済を突っ込んで語りたいなら、経済ビジネス雑誌そのものの発行部数(売上)も堂々と語るべきではないのか?というのが私の本音であります。
このブログでは、日本の三大経済雑誌(私が勝手に命名しています笑)の2008年から2021年までの発行部数をグラフでご紹介します。
データ元は、一般社団法人日本雑誌協会が発表している印刷証明付き発行部数です。
(経済雑誌の内、日経ビジネスは発行部数不明の為今回は対象外)
ポイントは3つです☟
①週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済は、2021年発行部数が2008年比で61%減!
②PRESIDENTは2008年比で42%減、三大雑誌の中で一番売れていて落ち込みも少ない
③2021年最も売れたコミック「鬼滅の刃23巻」の売上部数は517.1万部!
三大経済雑誌を合計した部数(109万部)の約5倍売れた!
経済ビジネス雑誌の売上がヤバい!その実情とは?
週刊ダイヤモンド発行部数推移
週刊ダイヤモンドはダイヤモンド社が発行する週刊経済雑誌です(ウィキペディア(Wikipedia)より)。
当初は1913年に月刊誌として創刊されましたが、1955年に晴れて週刊に移行しています。
1955年と言えば日本が経済成長に向かう時期ですね。
その週刊ダイヤモンドの発行部数は、グラフを見ても悲惨なものになっています。
2008年から一貫して部数が下がり続けており、2015年から少し回復したものの、2017年からの落ち込みが半端ないのです。
アベノミクスで経済が活気付いたのも短期間で、更に2020年からはコロナによる影響が大きくなっています。
2017年からのわずか5年間で発行部数が半減しているという有様(25万部減!)で、創刊100年を超える週刊ダイヤモンドはここが踏ん張りどころといえるでしょう。
週刊東洋経済発行部数推移
週刊東洋経済は東洋経済新報社が発行する週刊経済誌です。
この会社は会社四季報という投資家の為の情報誌で有名な会社ですが、経済誌の歴史も100年以上ありますよ。
1895年に創刊しており、その歴史は週刊ダイヤモンドよりも長いのです。
そんな週刊東洋経済も皮肉なことに週刊ダイヤモンドと同様、2021年の発行部数は2008年比で61%の減少となっています。
2022年の発行部数は20万部割れが避けられない状況で、積み重ねてきた歴史は風前の灯(ともしび)なのです。
PRESIDENT発行部数推移
株式会社プレジデント社が刊行しているビジネス雑誌で、その発行部数は他の2誌を大きく引き離しています。
2014年から2017年までの年間発行部数は120万部を超えており、多くの経営者に愛読されていることが分かります。
ただそんなPRESIDENTもコロナという悪魔にはどうすることもできず、2021年の発行部数は2008年比で42%減でした。
特に2021年は前年と比較して27万部も減少しています。
27万部は週刊東洋経済や週刊ダイヤモンドの年間発行部数と同じですので、1つのビジネス雑誌が丸々無くなってしまう程の影響があったのです。
2021年最も売れた本は「鬼滅の刃23巻」で500万部超!
現在ビジネス雑誌は氷河期のように耐え忍んでいる現状がお分かり頂けたと思いますが、そんな出版不況でも売れている本はあるのです。
2021年に最も売れた本は「鬼滅の刃23巻」で、その発行部数は517万部でした。
この23巻は最終巻に当たり、SNSやテレビニュースなどでも大きな話題になるほどでした☟
鬼滅の刃 全23巻!
予約 鬼滅の刃 23巻 特装版 フィギア付き 1-22巻 通常版 ジャンプ 単行本 コミック セット 新刊 吾峠 呼世晴(著) きめつのやいばhttps://t.co/Yd6GaWIv6E #鬼滅の刃 #23巻 #特装版 #フィギア付き #全23巻 #コミック pic.twitter.com/1lY17ZqdKu— 大川 幸宏(Takahiro Ohkawa)再現性100%!SNSマーケッター (@takahiroohkawa) March 2, 2022
3つのビジネス雑誌の発行部数合計(2021年)が109万部ですから、その差は約5倍!
日本経済を語るビジネス雑誌が束になっても鬼滅の刃に全く太刀打ちできない有様は、今の日本の現状をよ~く表していると思いますよ。
経済成長していない国でビジネス雑誌を読む意味があるのか?
私も以前週刊ダイヤモンドを定期購読していた時期がありました。
その頃は雑誌をめくりながら日本の問題点や経済を分かった気になっていましたが、最近になってだんだん空しくなってきたんですよね。
30年以上経済が低成長を続けている日本で発行されたビジネス雑誌を読む、、これって何か意味があるのでしょうか?
そんな時間があるぐらいだったら、自分なりにブログなどで情報発信した方が自分の経験にもなるし武器にもなります。
会社の経営者ならばそういう雑誌を読むことにも一定の意味があるかもしれませんが、我々一般庶民は同じことを考えたり行動しても結局二番煎じになるだけなのです。
お金が無いなら知恵やアイデアで勝負するしかなく、結局は自分自身で考えて行動するしかないのです。
日本の経済成長にほとんど貢献できていないビジネス雑誌に存在価値はあるのでしょうか?
その答えが発行部数の激減という形で表れていると思います。
そのようなビジネス雑誌ですが、さすがの危機感もあって最近ではスマホで流し読みできるような記事を投稿しています☟
スタバ代月4万、夏の電気代月10万…「年収1000万なのに貯金30万」独身女性が浪費をやめられなかったワケ “無意識”にお金を使っている https://t.co/DwOTIKE4Vw
— PRESIDENT Online / プレジデントオンライン (@Pre_Online) March 3, 2022
ただですね、天下のPRESIDENTがこのような大衆週刊誌レベルの「どうでもいい」記事を載せるのはどうかと思いますよ。
スマホ受けしやすい目にひくタイトルで、ちまちましたPV稼ぎをしているようでは、そりゃ日本の経済雑誌は読まれなくなるのも当然かと。
まがりなりにもビジネス雑誌を名乗っているのなら、もっと本質的に核心をついた経済に関する記事を提供してもらいたいものです。
個人レベルの話を盛りに盛って面白おかしく記事にするようでは、この先ビジネス雑誌に明るい未来はないでしょうね。
何だったら私がコラムを書いてもいいですよ(笑)。
以上「発行部数61%減!ビジネス雑誌の15年間売上推移が危機的状況だった!」でした。