SNS誹謗中傷問題で国が投稿者特定制度を検討、電話番号も開示対象に?【プロバイダー責任制限法】

先日会員制交流サイト(SNS)で誹謗中傷を受けていた女子プロレスラーの木村花さん(22)が23日に死去した事に関し、国が本格的に動くようです。

インターネット上に書き込みをした投稿者の特定を容易にし、悪意のある投稿を抑止する為の制度改正を検討するとのことです。

改正案として氏名などのほか、電話番号も開示対象にすることも検討しているようです

ポイントは3つです。

①投稿者情報の開示手続きを定めた現行の「プロバイダー責任制限法」は、開示されない事例がほとんど

②今回の改正案では、投稿者を特定する手続きを簡略化するほか、投稿者の特定を容易にするため携帯電話番号を開示対象にする事も検討される

③ネット上の相談窓口への相談件数は年間5000件、増加傾向にあって私たちもいつ被害に遭うか分からない!


投稿者特定制度が変更されたら、何がどうなるの?

現行のプロバイダー責任制限法の限界

プロバイダー

ネット上の誹謗中傷における「プロバイダー責任制限法」とは、プロバイダーの損害賠償責任を制限することと、発信者情報の開示を規定した法律です。

ただこの法律は2002年2月に設立されたもので、当時SNSは一般的にはまだまだ普及しておらずスマホは無かった時代。

個人のプライバシーが優先される結果となり、よほどの事が起きないと投稿者の情報開示はされない事がほとんどでした

開示手続きを進めても、「権利侵害が明らかでない」として開示されず、じゃあ裁判手続きをしようとしたらお金や時間がかかってしまいます。

そういう背景があったので、ネット上で誹謗中傷で被害を受けても泣き寝入りするケースが多かったのです。


今後は投稿者特定が容易になって、電話番号が開示されるかも

総務省

 

今回の木村花さんが死去した事に関して、自民党が対策を検討するプロジェクトチームの初会合を開催しました。

「被害救済を図るには、発信者の情報開示手続きが適切に運用されることが必要だ」と、高市総務相はコメントしています。

具体的には、現在は訴訟に持ち込まないと情報が開示されない制度を改正して、迅速な開示に向けた方策を探って、氏名などに加えて電話番号を開示対象にすることも検討されるようです。

・開示を促す制度検討
・投稿者の電話番号を開示対象に追加検討

年内には改正案を取りまとめる方針とのことです。


ネット上の誹謗中傷被害件数は増加中!

SNSの炎上

総務省が設置するネット上の名誉棄損やプライバシー侵害などの相談窓口には、2019年度に約5000件の相談が寄せられました。

総務省電気通信消費者相談センター

実は総務省では、2020年4月に有識者会議を設けて議論に着手していました。

新型コロナウイルスによる政府の対応を有名人や芸能人がSNSで表明する事がニュースで取り上げられ、それに対してネット上で議論が熱くなって個人を攻撃してしまう事が問題になっているようです。

これも匿名で無制限に投稿できるSNSの特徴であって、これが投稿者を今までより特定しやすくなると一定の抑止効果は出るでしょう。

今回のプロバイダー責任制限法の制度改正ですが、「表現の自由」や「通信の秘密」を損なうとの懸念もあって、今後はいかにバランスをとっていくかが課題となります

以上、「SNSの誹謗中傷問題で国が投稿者特定制度を検討、電話番号も開示対象に?」でした。

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