2021年(令和3年)は記録的に早い梅雨入りとなりそうです。
既に沖縄地方は5月5日に梅雨入りしていて、これは平年と比較して5日早く、昨年(2020年)と比べて11日早くなっています。
九州南部も先日梅雨入りが発表されていて、平年より19日、昨年より19日早くなっています。
今後も全国的に雨模様の天気が続く予報で、近々梅雨入りが発表されそうな地域が増えそうな感じです。
5月の中旬に梅雨入りという異常気象とも言える状況ですが、実は過去最も早い梅雨入りではありません。
どの地方に基準を合わせるかで違ってくるのですが、関東甲信で過去最も早く梅雨入りした年はいつだったのでしょうか?
その年の梅雨入りは関東甲信地方で5月6日に梅雨入りしており、平年よりなんと1カ月も早かったのです。
しかし沖縄に限っては6月4日に梅雨入り、九州南部は5月28日と、今までのパターンとは違う気象状況でした。
その1963年は異常気象が相次いだ年で、豪雪や大型台風などの被害が続出しました。
その内容を詳しくご紹介しましょう。
なお梅雨入りデータなどは、気象庁の「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け」を参照しております。
過去最も早く梅雨入りした1963年は異常気象続きだった!
地方によって梅雨入りした日がバラバラだった
1963年の地方別梅雨入りした日はこちらです☟
沖縄 | 6月4日 |
奄美 | 5月11日 |
九州南部 | 5月28日 |
九州北部 | 5月30日 |
四国 | 特定できず |
中国 | 5月8日 |
近畿 | 特定できず |
東海 | 5月4日 |
関東甲信 | 5月6日 |
北陸 | 5月29日 |
東北南部 | 6月3日 |
東北北部 | 6月19日 |
1963年に最も早く梅雨入りしたのが関東甲信で5月6日でした。
東海地方も5月4日に梅雨入りしていて、なんと大型連休中に梅雨入りするという異常事態に。
かと思えば沖縄は6月11日に梅雨入りと、平年より大幅に遅れています。
このように1963年は地方によって梅雨入りした日に大きな差があったのが特徴でした。
ちなみに5月6日に梅雨入りした関東甲信ですが、梅雨明けしたのは7月24日と平年とあまり変わらなかった為、梅雨の期間が2カ月半以上続いたことになります。
四国と近畿においては梅雨入りした日が明確でなく、特定できなかったようです。
地方によって異常に早く梅雨入りした1963年ですが、実はその予兆ともいえることが前年の冬からはじまっていたのです。
記録的な大雪をもたらした昭和38年1月豪雪(三八豪雪)
1962年の12月末から1963年の2月まで、日本全国で大雪に見舞われました。
いわゆる三八(さんぱち)豪雪と呼ばれている災害です。
全国的に平年の気温より3℃程低い状態が続いて、特に豪雪の中心は新潟県や北陸地方から西の日本海側でした。
福井市や長岡市では積雪が2mを超えています。
普段あまり雪が降らない四国や九州でも大雪となり、九州阿蘇山や四国徳島県西部の池田町では最深積雪が1mを超えています。
Wikipediaによると、陸上自衛隊による消雪活動も行われ、火炎放射器を用いて雪を融かすという方法が取られたそうですが、「これはあまり効果はなかった」と当時の隊員たちは語っているそうです。
1963年といえば東京オリンピック以前の話であり、道路状況や除雪車なども現在と比べて整っていなかったでしょうからね。
あの手この手で雪と格闘する人達の姿が想像できます。
この豪雪による被害は死者228名・行方不明者3名でした。
1963年は、新年早々大雪の被害というスタートだったのです。
しかしこの大雪や最速の梅雨入りだけでは、この年は終わりませんでした。
台風第2号による被害
1963年6月1日に発生した台風2号( ポリー)が、梅雨入りしている西日本に更に大雨をもたらしました。
富山県では、県西部を流れる小矢部川の破堤によって、2人が死亡したほか1,000棟以上が浸水した
兵庫県では、県南部を中心に局地的に1時間に40mmを超える激しい雨となって、加古川や市川などの河川が氾濫し、3人の死者が出た
【Wikipediaより】
四国の香川県では大雨により県内の計6個のため池が決壊し、30箇所でため池堤防の一部破壊が発生しています。
梅雨入り期間中の台風で各地に甚大な被害をもたらしました。
早い梅雨入りは異常気象の前触れか?
1963年は豪雪に大雨という自然災害が相次いだ年でした。
実は2021年1月もかなり寒い日が続いて、豪雪になった地域がありました。
そしてかなり早い梅雨入りが発表されそうで、1963年に近い気象状況が続いています。
大雨による被害が近年相次いで発生していますので、普段から備えていきたいですね。
以上「【関東甲信】過去最も最速で梅雨入りしたのはいつ?その年は異常気象続きだった」」でした。