下痢や血便といった症状が慢性的になってしまう国指定の難病「かいよう性大腸炎」。
2015年の調査では国内に約22万人の患者がいるとの報告もあって、近年急激に増えている疾患の一つです。
食生活やストレスなど複合的な要因が絡んできますが、根本的原因が分かっておらず治療法も確立されていない病気です。
主な症状としては、慢性的な下痢や血便、トイレに行く回数が増えるなど普段の生活にも支障をきたしてしまいます。
私は9年前にかいよう性大腸炎になり、以降専門の病院に通院治療しています。
最初の数年は悪化してしまう期間もあったりして治療が適切に行われていなかったのですが、約3年前に消化器系の専門の先生が居る病院に転院してからは症状も安定、血便や下痢といった症状は一切無くなっています。
トイレに行く回数も1日1回ペース、急にトイレに行きたくなるような事もほぼ無くなっています。
このブログでは、かいよう性大腸炎になってしまった私が実際に通院治療して分かったことを詳しくご紹介します。
あくまでも参考程度にお願いします
かいよう性大腸炎になってしまったらどうすればいいのか
最初に見てもらう病院が実は一番大事
かいよう性大腸炎は病院で診察検査してはじめて分かる病気です。
私の場合勤務先の会社で実施されている年1回の健康診断の検便で発覚しました。
便に潜血反応が見られたのです。
この時は血便自体は全く出ていなかったのですが、検査してみると便に血がほんの少し混じっていたようです。
検査結果を見た私は、、
と軽く考えていました。
なので勤務先の近くにある消化器系の個人病院に行ったのです。
そこで健康診断結果を伝えて大腸の内視鏡検査を実施することに。
大腸内視鏡検査は、肛門からファイバー状のカメラを突っ込んで腸の様子をカメラで撮影、その状態を診断する検査です。
前日からほぼ絶食、検査当日は朝からバリウム上の下剤の2㍑以上ひたすら飲んで下痢状態にし、トイレに10回以上行って腸の中を空っぽにします。
そして出た診断結果はかいよう性大腸炎。
その時はなんの病気?と思ってしまいましたが、国が認定している難病だと伝えられると少し実感が沸いてくると同時にこれはとんでもない事になってしまったという思いでした。
その後検査した病院で通院投薬治療がはじまったのですが、実はこの治療があまり私に合っていなかったようなのです。
ペンタサという錠剤を1日数錠飲んでいたのですが、時折下痢になってしまう事もあって良くなっているのかの判断がつきにくかったんですよ。
病院の主治医の先生にも症状を伝えましたがペンタサの量を増やすだけの対応で、それでも下痢になってしまうことも。
そう思っていた矢先、通院していた病院で大腸内視鏡検査を今後行わないという話を伝えられました。
病院の経営上の判断なのでしょうが、かいよう性大腸炎になった場合腸の状態を定期的に確認しなければなりません。
検査ができないとなると転院するしかなく、ある市内にある総合病院の紹介状を用意してもらいました。
転院先ではある大学付属病院所属の消化器系の先生に担当してもらうことに。
私の現在の症状を確認した先生が一言、、
やっぱりそうですよねという思いだったのですが、その病院で再度大腸内視鏡検査を行い、新たな治療薬を出してもらうことに。
それがこのステロネマです☟
ステロイド系の注腸薬で肛門から薬液を注入します。
最初は妻にやってもらっていたのですが、今では私一人で注腸しております。
パソコンのカメラでお尻を写しながら自分で注腸しています。
このステロネマによってここ数年血便下痢の症状は一切出ていません。
注腸頻度も以前は毎日だったのですが、最近は隔日にしています。
ステロイド系の薬といえば慢性的に使ってしまうと効果が薄れてしまうイメージがあるのですが、主治医の先生の話だとかいよう性大腸炎で一番怖いのが悪化した患部ががん化してしまうことだそうです。
大腸がんは日本における臓器別がん罹患数で男女とも2番目に多いがんです。
40歳から徐々に罹患数が増えますが、大腸がんは早期発見早期治療が可能なのです。
ただ大腸は痛みを感じないので、例え出血したりがんが発生してしまってもお腹が痛くなったり違和感が出るなど、自覚症状がないのです。
なのでかいよう性大腸炎になってしまったら、症状をできるだけ悪化しないよう良い状態をキープする(寛解状態)することがポイントになります。
かいよう性大腸炎は現代の医療では根本的治療法が確立されていない病気なので、自身の症状にあった治療方法を続けていくしかないのです。
私はステロネマ治療を行うことで症状をコントロールできている訳です。
これは主治医の先生の治療方針に大きく左右されるのですが、私たち一般患者は医療の知識がないので先生の方針に従うしかないですね。
だからこそもしかいよう性大腸炎と診断されたら、個人病院ではなく少しでも専門性のある消化器系の病院に行った方が良いと思います。
場合によっては大学病院などに行った方がいいかもしれませんが、通院距離が長いとそれはそれで負担になってしまうリスクもあります。
かいよう性大腸炎はストレスも大敵だと言われています。
なのであなたが住んでいる近くに消化器系の専門医が居ないか調べてみましょう。
もし現在の治療が合っていないと不安に感じている場合は、理由をつけて転院してみる勇気も必要だと思います。
私の場合は内視鏡検査が出来なくなるという丁度良い理由があったので転院できたのですが。
かいよう性大腸炎は継続して治療していくので、今の症状が良いのか悪いのか一番分かるのは自分自身です。
お医者さん任せにせず、現在の症状を常に観察して少しでも血便や下痢症状、トイレに行く回数が増えてきたなと感じたら現在の治療方法が本当にあっているのか先生に伝えてみましょう。
それであいまいな回答やいつまでたっても症状が改善しない場合、転院(セカンドオピニオン)することも考えた方がいいかもしれません。
食生活の改善に取り組む
転院した先生から同時に言われたのが、食生活の改善です。
具体的には食べてはいけない食品やお菓子があって、乳化剤が入っているものはNGと伝えられました。
乳化剤はいわば界面活性剤で、食品用の洗剤といえば分かりやすいでしょうか。
洗剤を飲む人はまず居ないでしょうが、乳化剤は油を食品に均一に混合させる為にかなり使われています。
あと一部の食品には漂白剤なんかもつかわれていたりして、これもNGです。
界面活性剤や漂白剤は汚れを落とす効果がありますが、これが腸には良くないんですね。
つまり腸に少しでもダメージを与えるリスクのある食品食材は出来るだけ取らないようにしました。
ちなみにチョコレートやクッキー、豆腐(消泡材)やコンビニの弁当など、ありとあらゆる食品に乳化剤は使用されています。
ただ一部には使われていないものもありますので、十分吟味しながら食べています。
オレンジジュースなどの柑橘系の飲み物もダメ。
これは飲むと腸の中が極端にアルカリ性か酸性に偏ってしまい、結果下痢しやすくなるのです。
あとラーメンもダメ。
ラーメンの麺にはかんすいというつなぎの水みたいなものが使用されていますが、これが腸にあまり良くないのです。
ラーメンを食べて下痢になる人は意外と多いみたいで、下痢しやすい人は要注意ですよ。
乳化剤や漂白剤が入っている食品食材を止めて、野菜をたっぷりとったバランスの良い食生活をすることで、私の症状は悪化せず維持できています。
保険の見直し
かいよう性大腸炎の一番のリスクが大腸がんなのですが、万が一症状が悪化してしまうと入院手術といった治療費がかかるようになります。
そのリスクに備えて保険の見直しをする事もあるのですが、かいよう性大腸炎になってしまったら新たに保険に加入できなくなる!と思っている方は多いと思います。
ただ実際には病気になっていても加入できる保険は結構あります。
人生100年時代と言われている中、民間の保険会社も持病があっても加入できる保険商品を販売しています。
実際には個人の現在の症状や通院歴、手術歴などで審査されますが、諦める前に加入できないか相談してみるのも良いと思います。
将来の怪我や病気などのリスクに備えて加入するのが保険ですが、近年持病があっても加入できる生命保険が増えています。 一般的…
住宅ローンについて
マンションや一戸建てなどのマイホームを買う時に一番心配なのがお金のことですよね。
そのお金をどこから借りるのかが持ち家を買う時に一番の壁と言っても過言でないかもしれません。
その住宅ローンですが、通常銀行などの民間金融機関から借りる場合、団信(団体信用生命保険)の加入が必須条件になっています。
団信とは保険商品の一種で、住宅ローン返済中に契約者に万が一のことがあった場合、以降の住宅ローンの返済が免除される(住宅ローン残高が0になる)仕組みです。
住宅ローンは数十年に渡って返済し続けますので、その期間中何があるのか分かりません。
もし契約者が病気になったり亡くなってしまった時でもローン金額を保険会社が保証してくれるのであれば、家族はそのまま住むことができますし、金融機関も金銭的損失を負うことがなくなります。
団信にも数種類あって、3大疾病のみが対象、介護状態も対象などの場合もあります。
どちらにしても団信に加入する時に審査がありますが、かいよう性大腸炎になってしまった場合団信に加入できないと思っている方は多いと思います。
通常住宅ローンを申し込む場合、ローンと団信同時に申し込むのですが、私の場合まずは団信だけを金融機関に申し込みました。
そして団信の審査を通過できた後、住宅ローンを改めて申し込んで借りることができました。
住宅ローンを申し込む時には書類にいろいろ記入しなければならず、ハウスメーカーと借入金額などですり合わせもしなければならないのでかなり手間がかかるんですよね。
しかし団信だけなら生命保険を申し込むような流れで個人で申し込みも可能で、記入する項目もそこまで多くありません。
病気で通院中だからマイホームを諦めるのはもったいないですよ。
インターネットなどで検索するとかいよう性大腸炎だと団信には入れないなどといった根拠のない口コミが多数ありますが、実際に私は入れましたからね。
ネットの口コミを信用しないで、まずは金融機関に相談してみるのが一番良いでしょう。
まとめ(かいよう性大腸炎になってしまったら)
・症状を的確に診断治療してくれる病院を探す
・バランスの良い食生活にシフト
・持病があっても加入できる保険も多い
・持病があっても住宅ローンと団信に加入できる可能性はある
不治の病であるかいよう性大腸炎ですが、近年新しい治療法や治療薬が出てきていて、将来的には完治する病気になるかもしれません。
症状を悪化させないよう、出来ることからコツコツと。
以上「国指定難病のかいよう性大腸炎になった私が実施したこと(慢性の血便下痢症状)」でした。