2021年(令和3年)は、記録的に早い梅雨入りとなっています。
沖縄地方は平年より5日早い梅雨入りでしたが、四国と近畿については統計史上最も早い梅雨入りとなっています。
梅雨入りしたら次は梅雨明けということになるのですが、では今まで最も早く梅雨明け、又は最も遅く梅雨明けしたのはいつだったのでしょうか?
今回関東甲信の梅雨明けデータを調べてみました。
ご紹介するのは、気象庁の「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値):関東甲信」で、過去70年のデータが掲載されています。
3つのポイントはこちら☟
・最も早く梅雨明けしたのは2018年の6月29日
・最も遅く梅雨明けしたのは1982年8月4日
・梅雨明けした期間は年毎に大きく違っていて、1ヵ月以上差がある
関東甲信で最も早く、最も遅く梅雨明けしたのはいつ?
最も早く梅雨明けしたのは近年だった
一般的に関東甲信で梅雨明けするのは7月中旬から下旬にかけてです。
気象庁が発表している平年値では7月21日だそうですが、実は過去70年に1回だけ6月に梅雨明けした年がありました。
意外と最近の話なんですよね。
2018年は梅雨入りしたのが6月6日と平年より2週間程度早かったのですが、梅雨明けしたのは同じ6月29日だったのです。
同じ月に梅雨入りして梅雨明けしたのは、統計を取り始めた1951年以降ではこの2018年の1回しかありません。
そして2018年は梅雨期間が23日とたった3週間しかありませんでした。
しかしその3週間に雨はたっぷり降ったようで、梅雨時期の降水量の平年比では92%となっています。
実はこの2018年、記憶に残っている方も多いと思いますが、西日本豪雨が発生した年でもあります。
6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に大きな豪雨災害が発生しました。
期間中の総降水量が四国地方で1800㎜、中部地方で1200㎜と大雨になり、特に48時間、72時間降水量の観測史上最大値を更新する観測地点が続出しました。
亡くなった方は263名、行方不明者は8名と大きな被害をもたらしました。
関東地方で梅雨が明ける前後から西日本では大雨となった2018年だったのです。
最も遅く梅雨明けしたのは1982年
過去70年間で8月に梅雨明けしたのは5回ありますが、その中でも一番遅く梅雨明けしたのは1982年の8月4日です。
ちなみに1982年の梅雨入りは6月17日ですので、平年とあまり変わりませんでした。
しかし梅雨明けは平年より10日以上も遅かったのです。
この年の梅雨明けが遅かった一つの原因として、同じ年の3月にメキシコのエルチチョン火山が噴火したことが関係あるとも言われているようです。
噴煙は16,000mにまで達して、世界全体の平均気温が0.3℃~0.5℃ほど低下したと言われています。
気温の低下がどれくらい梅雨期間に影響したのかは定かではありませんが、結果的に関東甲信の梅雨明けは大幅に遅れました。
ちなみに1982年は日本全国で梅雨明けは遅れていて、沖縄は7月6日(平年値6月23日)、近畿は7月27日(平年値7月21日)などとなっています。
なお過去70年で関東甲信で梅雨明けしたのが特定できなかったのが、1993年です。
この年の梅雨期間の降水量は、平年比で147%とかなりの大雨になったのですが、全国的に降水量が多かったため、日照不足による冷害が発生しました。
コメの生育不良により日本ではコメの緊急輸入をするという事態にまで発展しています(平成の米騒動とも)。
まとめ(梅雨明けは1ヵ月以上の差がでることも)
関東甲信で最も早く梅雨明けしたのは6月29日、最も遅く梅雨明けしたのは8月4日でした。
1ヵ月以上の差があり、シーズンによって大きく梅雨期間が違っています。
ジメジメした梅雨は早く終わって欲しいと思う反面、水不足になるのも困るので平年並みの降水量になってほしいのですが、近年大雨による被害は明らかに増加傾向にあります。
突然来る自然災害に備えていきたいですね。
以上「【関東甲信】最も早く梅雨明け、最も遅く梅雨明けしたのはいつ?【異常気象?過去70年】」でした。