日本は1991年のバブル崩壊以降、経済が低成長で社会人の賃金が全く上がらず、株価もバブル経済当時の金額を超えることができていません。
この現状を悲観して「日本は貧乏になったね」というコメントがSNSやネット等で多く見られます。
日本がいよいよ「貧しい国」になってきた…!
この国を「貧乏」にしている”本当の原因”
https://t.co/XCSRuFUUHL— ひよっこ (@HoshYon) January 9, 2022
貧乏=貧困=格差社会と捉えることもできますが、日本においては通常貧困になりつつある国に見られる特徴が全く無く、逆の現象が発生している場合もあるのです。
つまり貧乏な国と裕福な国の両方を合わせもっている、不思議な国が日本という訳です。
このブログでは、根拠のあるデータを用いて必ずしも日本は貧乏じゃないということをご紹介しています。
ポイントは3つです☟
①日本の治安は世界最高レベルで、裕福な国だからこその現象である
②日本の衛生面、医療面もトップレベル。
貧困国はもちろん、世界最大の経済国アメリカでさえインフルエンザで年間数万人が亡くなっているという事実
③貧困になると経済や通貨がインフレ化するが、日本の場合逆にデフレ化している現状
裕福と貧困、両方を兼ね備えている不思議な国「日本」
凶悪犯罪率は世界でも最小クラス、世界一安全な国
このグラフは人口10万人当たりの日本国内における殺人事件件数の推移を示したものです。
10万人当たりに換算しているのは、昔と比較して日本の人口は増加している為、単純に事件件数だけでは比較できないからです。
このグラフを見てもすぐ分かる通り、昔と比較して殺人事件件数はかなり下がっています。
1960年と比較すると殺人件数は10%以下になっています。
2000年と比較しても件数は3分の1以下なのです。
最近はワイドショーなどで事故や事件の話題を一方的に繰り返し報道するようになり、人々の注目を浴びて不安をあおるようなやり方で視聴率を稼ごうとしているのですが、、
昔と比べて今は怖い事件ばかり起こるよね!とボヤいている人には、一体何を根拠にそう思っているのかぜひ聞いてみたいものです。
確かに軽犯罪など他の犯罪に関しては増えている場合もあるでしょうが、私たちが日々安全安心して暮らせるかどうかの指標は凶悪犯罪の殺人事件だと思いますよ。
そして日本の治安の良さは世界でもトップクラスだということを強調しておきます☟
※出典:UNODC(United Nations Office on Drugs and Crime)
世界比較でも、日本は抜群の治安の良さを示しています。
アメリカやカナダはもちろん、ヨーロッパの中でも比較的落ち着いているドイツやスイスよりも殺人事件件数は少ないのです。
日本より10万人当りの事件件数が少ない国はシンガポールやバチカン、モナコぐらいしかありませんが、これらの国は国土が狭く人口も日本より大幅に少ないのです。
単純に比較することはできないのですが、人口が数千万人以上の国で日本より治安の良い国は今の所世界を見渡しても無い!という事になります。
世間の一部の人:日本も昔より物騒な国になったよね!
オレンジ7:一体何を言ってるんだ?
新型コロナの死亡者数は先進国の中でも圧倒的に少ない
※出典:米 ジョンズ・ホプキンス大学
このグラフは新型コロナで亡くなった死者数の累計人数の比較です(2021年12月20日までの累計)。
これを見ても分かる通り、日本はアメリカやヨーロッパの国々と比較してもかなり少なくなっています。
オランダやドイツは日本よりも人口は少ないので、10万人当たりに換算すればもっと差は開くでしょう。
新型コロナに関しては地理的要因や人々の生活習慣などさまざまな要因が絡んできますが、日本における死者が他国と比較して少ないのは日本の医療体制が「それなりに」整っているという事が言えるでしょう。
もちろん「完璧に」整っているとは言えないでしょうが、それでも他国と比較してみれば日本はまだまだ安全な国と言えるのではないでしょうか。
これは新型コロナだけに限らず、アメリカでは季節性のインフルエンザで8万人以上が亡くなった年もあるのです。
日本におけるインフルエンザの死者数は通常数千人ですから、アメリカってほんとに医療先進国なのか?と思ってしまうぐらいの現象が起きているのです。
アメリカでは最先端の医療技術は進んでいますが、日常的な診察や医療を気軽に受けることができる社会ではありません。
ケースによっては風邪で数日入院しただけで10万円を超える医療費が発生したという場合もあるようです。
骨折で手術したら20~30万円かかったという報告もあるぐらい、とにかく医療にお金がかかるのです。
それだけお金がかかるんだったら無理して自分で直そう!と思う人が多いのは納得できますし、その結果インフルエンザで亡くなる人が増えているのです。
国が貧乏になってきたら病気の人が増えて平均寿命は下がり、医療がひっ迫してくる事態が考えられます。
しかし日本ではいろいろ問題はあるものの、諸外国に比べれば身近に病院があって困った時も無料で救急車を呼ぶことができて治療を受けられるという医療体制が整っています。
これで日本が貧乏になったねと言えますか?
日本ではデフレ化が進んでいる現状
このグラフは2020年の世界各国のインフレ率を示したものです。
国がインフレ化すると通貨の価値が下がり、反面物資やサービスの価格がどんどん上昇して、国内の経済が混乱してしまい一般生活にも影響がでてきます。
日本はバブル崩壊以降賃金が全く上がらずに「失われた30年」なんて言い方もされていますが、賃金も上がらないけれど物価も上がらない、一時的に物価が下がっていたデフレ化が進んでいた時期もあります。
経済活動において適度なインフレは健全だとも言われていますが、インフレが良いかデフレが良いかなんてことは一概には言えないでしょう。
なぜならいくら賃金が上がって国民所得が高くなっても、物価が同じくらい上がってしまうと結局暮らしは豊かにならないからです。
アメリカでは株価も上がり国民所得自体は上昇しているかもしれませんが、先ほどもご紹介した通りあまりにも医療にお金がかかりすぎます。
かと言ってアメリカ国民全員が健全な食生活をしているのかと言えばそうでもなく、ハンバーガーをはじめとするファストフードは代表的な食べ物でしょう。
コーラにハンバーガー!と言ったものがジャンクフードと揶揄されるケースも多く、とても健康に気を使っているとは思えませんよね。
(ちなみに私は数か月に1回食べるハンバーガーは大好きですよ)
日本は賃金は上がってないけど物価もじわじわと上がっているぐらいなのが現状なので、すぐ国民生活に影響するような事態には陥っていません。
だからと言ってこのままの現状で良いとは私は思っていませんが、ヨーロッパやアメリカの事を見習おう!とも思えないですね。
インフレもデフレも結局は国民生活が充実しているかや幸せに感じているかが重要であり、日本の通貨である「円」は世界でもまだまだ十分通用している通貨だからこそ国際市場でも盛んに取引されているのが現状なのです。
反論は大いに結構だが、もう少し客観的に物事を判断できないものか
ここまで3つのポイントで「日本は必ずしも貧乏じゃないよ」という事を紹介しましたが、それでも反論異論はあるでしょう。
それはそれで大いに結構ですが、私がみなさんに伝えたかったのが、、
マスコミやワイドショー、専門家を含めてありとあらゆる人が、日本の事を分析する時に悪い面ばかりクローズアップするんですよね。
良い面ばかり取り上げても胡散臭いのですが、悪い面ばかりでも疑ってしまいます。
そういう場合には海外の事例を取り上げない事も多く、結局内弁慶的な分析しかできていないのです。
代表的な例が新型コロナウイルスで、日本の医療は大問題だ!医療崩壊だ!と叫んでいるにも関わらず、日本においては死亡者はかなり少ないのです。
海外の事例を見習うべきだ!と言ってる人は、死亡者数が日本より大幅に多い国の体制をあえて取り入れる「科学的根拠、客観的根拠」をぜひ示してもらいたいものです。
なおSNSにおいても、日本は貧乏とは言えないんじゃない?という事を指摘されている方も居ます☟
経済上の数字で日本は貧乏国になったとかいう人もいるけど、
消費文化から生活実態を見れば、日本は質の良いものが手頃価格で種類豊富に売られていて、30年前よりもっと豊かで便利ではと?
30年前にはこういうものがこの安い値段では売られてなかったよなあって思うこと多々ありで。 https://t.co/QqMqeFXrC0— 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) January 9, 2022
ちなみにこの方は以前米国に住んでいた経験のある方のようで、結局日本の事を冷静に的確に見られる人というのは国際経験豊かな人に限られてしまうんだろうなあと、しみじみ思いますね。
私も頭の固い人だけにはなるまい!と思った次第です。
以上「日本は貧乏になったという意見が根本的に間違ってる3つの理由とは?【GDP】」でした。