からかい上手の高木さんは山本崇一朗作者の日本発ラブコメディです。
中学1年生の入学式の日、教室で隣同士になった男子学生「西片」と、女子学生「高木さん」との軽妙なやりとりがひたすら描かれている漫画で、2023年3月時点で連載中です
西片が高木さんにさまざまな勝負を挑むも返り討ちになるというお決まりのパターンが続くのですが、2人の関係性が徐々に近くなっていき、恋愛に発展しそうでしないという何とも言えない距離感が魅力です。
この物語に登場する高木さんは目がクリっとしていて容姿端麗、勉強もできる優等生、そして西片をお茶目にからかうことに喜びを感じる可愛い一面が魅力的なのですが、実はこの高木さん、本当の初期にはかなり尖った人物として描かれていたんですね。
西片をバカ呼ばわりするシーンもあるぐらい、現在の落ち着いた優等生のイメージとはかけ離れた感じなのです。
そしてそのように突っ込んでくる高木さんに対して、実は西片もかなり攻めていたことがありました。
本当はかなりのドS?とも感じられる初期の高木さんと、負けじと先制攻撃を仕掛ける西片、有名シーンを4つご紹介しましょう。
高木さんがどのようにキャラ変していたのか、注目ですよ。
最初から西片をイジリ倒していた高木さん
タメ口で突っ込んでくる高木さん
からかい上手の高木さんがコミック第1巻第1話「消しゴム」で、一番最初に西片に向かって語りかけた記念すべき言葉です☟
高木さん「何してんの?」
いきなりタメ口!
実際に西片と高木さんが出会ったのは入学式の日の教室ですので、それからしばらく経った時の様子なのですが、タメ口で話しているんですね。
ちなみにコミック18巻「影絵」ではこのように語り掛けています☟
突っかかってくるというか、上から目線的な印象があります。
西片の気持ちなどおかまいなしに突っ込んでくる高木さん、その言動は更にエスカレートしていきます。
机に肘をつきながら話す高木さん
第1巻第1話「消しゴム」で西片に向かってため口で話す高木さんですが、机に肘をつきながら語り掛けているんですね。
例えるとこんな感じ☟
実際のコマ絵は目つきがもうちょっと鋭く描かれています。
コミック第2巻最後には山本崇一朗氏が2012年に読み切りで掲載していた時の高木さんが描かれています。
「からかい上手の高木さん」の原点とも言える作品ですが、その時の高木さんの様子は更にヤバくなっています。
高木さん「めちゃくちゃあせってる!!」
優等生とはかけ離れた印象で、どちらかというとかかわってはいけない女子生徒風(笑)。
私個人的には、西片がいつまでたっても高木さんに対して積極的になれないのは、この時のトラウマがいつまでも残っているのが原因だと勝手に思っています。
バカ呼ばわりする高木さん
コミック1巻第5話「空き缶」での事。
西片と高木さんが一緒に下校していた時に、西片が飲んでいたジュースを高木さんに渡して間接キスを意識させて恥ずかしがらせようとしたけど、何の躊躇もなく飲む高木さん。
逆にジュースを返されて意識してしまった西片は、何気なく空き缶をゴミかごに放り投げて一発で入りました。
コントロールに自信があると確信した西片は、空き缶をゴミかごに放り投げる勝負を高木さんに挑みます。
練習でわざとゴミかごに入らないよう失敗した高木さんは、本番になると一発で仕留めます。
そしてショックを受ける西片に向かって一言!
高木さん「バカみたいな顔!」
私が記憶している限り、高木さんが西片のことをバカ呼ばわりしたのは、この時が最初で最後だと思います。
この時だけはからかいというより小ばかにしている印象なんですよね。
まあ勝負前に西片から少し挑発されてムッとした高木さんの顔もかなり珍しいのですが、勝負に勝ったことがよほど嬉しかったんでしょうね。
初期の高木さんは結構自分の感情を表に出すタイプで、笑うときは笑う、喋るときは喋るといったイメージなんです。
しかし機転の良さは相変わらずで、空き缶勝負の時に西片が投げようとした瞬間「私のファーストキスをあげるよ」と、西片にとって心が大きく揺さぶられる言葉を発します。
動揺した西片は大きく外してしまい勝負は高木さんの勝ちでした。
態度も言葉尻も悪いけれど、西片の考えている事は全てお見通しな高木さん。
コミック1巻には優等生とはだいぶかけ離れた高木さんが描かれていました。
高木さんに向かって「好き」だと勝負を仕掛けた西片
そのような尖った初期の高木さんに対して、実は西片もかなり攻めた勝負を挑んでいました。
コミック2巻の読み切り番外編「席替」でのお話。
この時も2人は隣同士の席でしたが、教室の一番前の席同士だったのです。
つまり教壇の目の前、先生の目の前ですね。
西片の目が悪いから一番前席という理由ですが、高木さんも隣だったのです。
一番前の席でもおかまいなしにからかってくる高木さんに対して苦手意識をもっていた西片は、何とか恥ずかしがらせようと作戦を練っていました。
「高木さんも目が悪いんだな」と悟った西片は、隣の席の高木さんに対してある文字を書いた紙を渡します。
目が悪いと小さな字で書いた「みそ汁が」が読めずに、好きです。としか見えません。
これで高木さんを辱めてやろうという西片の完璧な作戦!
そしてその紙を受け取った高木さんは思わず顔を背けてしまいます。
さすがの高木さんも動揺したか、、、とご満悦の西片でしたが、高木さんもある紙を渡してきます。
西片「ええええ」
目が悪い西片は、みそ汁の部分が一瞬読めずに逆にびっくりしてしまいます。
結局高木さんは実際は目が悪くなくて、西片の隣に居たかったからという理由で隣に居たのですが、この時も高木さんには負けてしまった西片。
ただこの好きです勝負に関しては、西片にしては結構攻めてると思いませんか?
それぐらい積極的だったら、もしかしたら早い段階で西片が高木さんに勝っている姿が見られたかもしれませんね。
ちなみにこの「好きです」エピソード。
実は本編でも繰り広げられた因縁の勝負でした。
コミック9巻「メール」で、高木さんが西片に「好き」だとスマホで返信をさせようとからかってきたことがあります。
この時は事前に西片が察知したのですが、結局高木さんが我慢しきれずにビデオメッセージを西片に送りました。
メールのやりとりが終わった後顔を赤くする2人、、
本編での勝負は引き分けでした。
結局高木さんが尖っていたのは1巻だけだった
からかい上手の高木さんは、コミック2巻からは1巻の時のようなツンツン尖ったイメージではなくなってしまいます。
言葉もタメ口ではなく丁寧になり、目も次第に丸くなって普段見慣れている高木さんの姿に。
これは大人の事情ってやつでしょうね。
コミック1巻というのは試行錯誤的な意味もあり、キャラの性格や言動がまだ固定されていない時期です。
例えばコミック初期でイジリ倒していたこの人も次第に丸くなっていた経緯があります☟
読者からのさまざまな意見や反応もあったでしょうから、作者である山本崇一朗氏も高木さんのキャラを少し方向転換させたのです。
まあ尖っている高木さんに対して攻め続ける西片も見たかったような気もしますが、、。
ただどちらの高木さんでも西片のことが大好きな事には変りません。
中心軸がぶれてないからこそシリーズ累計1100万部を突破する大人気となっているんですね。
主人公とヒロインの狭くて深い関係にスポットを当て続ける〇〇さん系の先駆けとなった「からかい上手の高木さん」、キャラ変した経緯のご紹介でした。