恋人として相手と付き合っている時は全然関係ないけれど、結婚した途端やらざるを得なくなるものの一つに「親戚付き合い」があります。
今まで全く知らなかった親戚と付き合っていくうちに、嫌な思いや苦言を言われたりする事もあるでしょう。
そんなめんどくさい親戚付き合いですが、忘れたり疎かにしては絶対ならない事があるのです。
それはご祝儀です。
親戚付き合いにはいろいろなお金がかかりますが、特にお祝い事のご祝儀だけはケチってしまうと二度と修復できない関係になってしまう恐れがあるのです。
既婚の方はもちろん、独身の方も身内だからこそ気を付けておかないととんでもない事になるかもしれませんよ。
今回は親戚付き合いからトラブルになりかけている具体的事例と、対処法をご紹介します。
ポイントは3つです。
②ご祝儀の額自体が問題ではなく、気持ちの問題である
③家計が苦しかったら一言添える、祝儀を渡さないのは論外!
たかがご祝儀、されどご祝儀。親戚付き合いを甘くみてはならない
家計が苦しい時こそご祝儀を大切にする理由
親戚付き合いや身内において、お祝い事といえばまず結婚です。
最近では結婚式を行わないカップルも増えてきましたが、式をやるやらないに関わらず通常なら身内や親戚にご祝儀を渡すと思います。
これは私の知り合いの話ですが、3人兄弟の長男が結婚しました。
下の2人の兄弟は既に結婚していましたが、一番下の末っ子が長男が結婚した時にご祝儀を渡さなかったそうです。
忘れていたのかあえて渡さなかったのかは分かりませんが、結婚した当初はその長男はあまり気にしていませんでしたが、時間が経つにつれてなぜ末っ子がご祝儀をくれなかったのか疑問に思ってきたそうです。
当時その末っ子は子供が出来たばかりでいろいろ大変だったみたいですが、遠い親戚ならまだしも、身内である弟からご祝儀をもらえなかったのは大変残念だったと長男がぼやいていました。
まさか末っ子に対して直接ご祝儀の催促をする訳にはいきませんからね。
親しき仲にも礼儀有りという言葉通り、血縁で繋がっている身内だからこそお互いの気持ちが大切であり、特にお祝い事においての無礼は一生取り戻せない関係になってしまう事もあります。
この家族の事例のように、友達からご祝儀をもらえなかった時とは訳が違いまして、身内である兄弟姉妹からご祝儀をもらえなかった場合、数十年後大問題に発展してしまう可能性があるのです。
それは親の介護と相続です。
先ほどの家族の場合、長男と末っ子との関係は既にあまり良いものではありません。
そして数十年後、親の体調が悪くなって介護をする必要が出てきた時、はたしてこの家族は冷静に話し合いができるでしょうか?
誰が親の面倒を見るか、誰がどのくらいお金を出すのか等々、次から次へと決めなければならない事が出てきます。
そういう家族での話し合いでは、どうしてもお互いの感情や気持ちがぶつかってしまいがちです。
そういう場面で、昔ご祝儀をくれなかった残念な思い出がふつふつと沸いてくるのです。
そして介護の次にやってくるのが、相続です。
相続になると、お金だけでなく家や土地も含めた資産分割方法の話合いを延々としなくてはいけません。
その場でもお互いの感情や思いがぶつかり合いますので、相続会議をしている内に身内での仲がどんどん悪くなってしまうのは良くある話です。
「あなたは、昔肝心な時にお金を出してくれなかった!」など、昔の事を沢山掘り返されるのです。
そういう話合いの時に、あの時はお金がなかったとか仕事が忙しかったからなどといった言い訳は一切通用しません。
そういう場面では、お互い個人の感情だけがぶつかり合うので、理屈や理論などは二の次なのです。
結局介護や相続が発生する前から、そういう身内での不仲やトラブルの元になる火種があるのが原因なのです。
その火種を少しでも無くす為に、せめて身内でのトラブルは極力避けるべきでしょう。
そのトラブルの原因となりがちなのがお金に関する事であり、特にお祝い事の時に起こった出来事は当時者は鮮明に覚えているものです。
逆に家計が苦しい時期こそ、身内のお祝い事をぜひ喜んであげて下さいね。
祝儀の額はあまり関係ない、おめでとうと一緒に喜んであげる気持ちを相手に伝えるのが目的
たかがご祝儀ぐらいでそんなに家族の仲が悪くなる訳ないだろ?と思っている方もいるかもしれません。
しかし結婚をはじめとして、子供が生まれた時や小学校入学の時などの思いは、結局本人が経験してみない事には分かりにくいものです。
独身の方には既婚者の気持ちがなかなか理解しにくい事もあるでしょうが、人生の節目である結婚という一大イベント(大げさ?)において、一緒に喜んでくれる人が居てくれるのは、なによりも頼もしいものなのです。
その節目においてご祝儀も何もくれないという事は、はっきり言ってしまえば無視されているのも同様です。
うっかり忘れていたとか渡すのを忘れていたとかいうのは、単なる言い訳にすぎません。
そんな一大イベントでご祝儀を渡すのを忘れたという行為が、相手を軽んじている証拠なのですから。
兄弟姉妹や親戚が結婚する時のご祝儀の相場は、5万円とも10万円とも言われていますが金額にこだわる必要は全くありません。
大切な事は「結婚おめでとう!」と素直な気持ちを伝えるのが重要であって、金額はその次なのです。
家計が苦しい時には一言添えてから気持ちを伝えることがポイント
それでも結婚のご祝儀となると、それなりの金額が必要となるので躊躇する方も多いでしょう。
そういう時には、一言添えてみましょう。
「ちょっとおカネが無くて申し訳ないんだけど、結婚おめでとう!」
「思ったより少ないかもしれないけど、結婚おめでとう!」
こういうお祝いの場ではあれこれ言い訳を考えるより、気持ちをストレートに相手に伝えましょう。
結婚する相手もお金をせびるつもりはないのですから、結婚を祝って一緒に喜んでくれる事自体が嬉しいのです(中にはせびる人も居るかもしれませんが・・・)
こういうお祝い事での相手への姿勢や対応というのは、人によって大きく違います。
「普段は良い人そうだったけど、お祝いの場では今までと違う顔を見てしまった」
「なんか私の想像していた人とは違った」
特に義理の親やその兄弟姉妹になると、生まれ育った環境が全く違いますので、最初は問題なくても徐々に違和感が募ってくる事も多いのです。
そういう相手の心の中が垣間見える場が冠婚葬祭であり、結婚する当事者に一番最初にやってくるのが「結婚」です。
そういう場面で、相手の言動をよ~く観察する事で、今後その人達とどうかかわっていくかを決めておくのが良いですよ。
あと特に注意しておく事が、夫の義理の実家の事に関してです。
最近は昔程の親戚付き合いをする人はどんどん減ってきています。
少子化や共働き世帯が増加している影響もありますが、お互いの実家の事は各自でやろう!と決めている家庭もあると思います。
ただし女性である妻と比較して、男性である夫のやる事はどうしてもおおざっぱな事が多く、義理の実家の親や兄弟姉妹の近況が全く分からない事もあります。
気が付いたら結婚していたとか、子供が生まれていたなどというケースも考えられます。
そういう時にお祝いの言葉やご祝儀を渡していないと、「あの家族は無礼だ!」と捉えられてしまう事になります。
そして最初にご紹介したように、義理の親の介護や相続の時に大問題になるのです。
せめて年に1回ぐらいは、相手の家族や身内の近況を配偶者に聞いてみて下さい。
夫「最近連絡とってないけど、たぶんみんな元気だろ!」
なんて返事が返ってきたら、あなた自身で直接義理の実家に行く事をオススメします。
義理の実家に喜んで行く人はそうそう居ないと思いますが、数十年後のトラブルを防ぐ為にも仕事と割り切って行くと気持ちが少しは楽になるかもしれません。
まとめ
夫婦が離婚する原因で、「家族・親族と折り合いが悪い」という項目は男女共上位10位以内に入っています。
特に男性である夫側の場合は上位にランキングしている調査結果もありますので、夫婦において身内とどうやって付き合っていくのかはとても大切な事なのです。
もちろんいろいろな付き合い方があるのですが、それが明確な数字として記録されてしまうのが「ご祝儀」なのです。
「あの人とは仲が悪いから」とか「ほとんど会わないから」という理由で、そのまま何も無かった事にはならないのです。
みなさんの少しでもご参考になれば嬉しいです。