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愛媛の県立高校が55校→44校に再編、統合や新学科などの詳細まとめ

愛媛県立高校再編計画

愛媛県教育委員会は、2022年7月12日、愛媛県内の県立高校の再編計画を公表しました。
県立学校振興計画案と呼ばれるもので、2027年度までの約5年間で県立高校を44校にするもの。

今までは学級数を減らしたり分校などの措置でしたが、少子化に歯止めがかからない現状において、いよいよ高校自体も再編されることになりました。

計画とはいえ、今回の再編はかなり具体的な内容まで踏み込んだ内容が既に公表されています。
発表された計画案を詳しくご紹介します。

なお公表されている新たな高校名は全て仮称、今後地域での説明会や意見を公募しながら新しい高校名が決定されます。


全日制高校の統合(合併)

西条市

【現状】
・小松高校(普通科、ライフデザイン科)
・東予高校(機械科、電気システム科、建設工学)
・丹原高校(普通科、園芸科学)
【変更後】
・周桑(普通科③、理数情報科①)
・西条産業科学(農業科①、工業科②、商業科②、家庭科①)
※〇の数字は学級数

西条市にある3校のうち、小松東予地域にある3つの高校が2校になります。
普通科を主体とする周桑高校と、農業や工業などの職業学科が主体の西条産業科学高校です。

周桑高校は現在の小松高校の校舎、西条産業科学高校は現在の東予高校の校舎が利用されます。
現在の丹原高校が今後どうなるのかはまだ決まっていません。


今治市

【現状】
・伯方分校(普通科)
・大三島分校(普通科)
【変更後】
・しまなみ海洋(総合学科②)

今治市には今治西高校の伯方分校と、今治北高校の大三島分校があります。
今回この2つの分校が統合され、新たにしまなみ海洋高校が誕生します。

主にマリンビジネスを学ぶ学校となり、校舎は現在の2つの分校をどちらとも利用するキャンパス制となる予定。


伊予市、砥部町

【現状】
・伊予高校(普通科)
・砥部分校(デザイン科)
【変更後】
・伊予(普通科⑤、理数情報①、デザイン①)

伊予市にある普通科の伊予高校と、砥部町にあるデザイン科の松山南砥部分校が統合。
現在の伊予高校に砥部分校のデザイン科が集約される形になり、新たに理数情報科も設置されます。


大洲市

【現状】
・大洲高校(普通科、商業科)
・大洲農業高校(生産科学科、食品デザイン科)
【変更後】
・大洲(普通③、農業②、商業①)

大洲市にある大洲高校と大洲農業高校も統合され、一つの高校に。
現在の大洲高校に農業高校の2つの学科が統合される形になります。

現在の大洲農業高校校舎がどうなるのかは、まだ決まっていません。


八幡浜市

【現状】
・八幡浜(普通科、商業科)
・八幡浜工業(機械土木工学科、電気技術科)
・川之石(総合学科)
【変更後】
・八幡浜(普通④、工業①、商業①、総合①)

宇和島市

【現状】
・宇和島南中東教育学校(普通科)
・宇和島水産高校(水産食品科、水産増殖科、海洋技術科)
【変更後】
・宇和島南(総合③、水産②)
※宇和島南前期は24年に募集停止

愛媛県には県立の中高一貫校が3校あります(宇和島南、松山西、今治東)。
そのうち宇和島市にある宇和島南中等教育学校が、27年度よりいわゆる普通の高校に変更されます。

元々宇和島南高校という学校があったのですが、学校内にあった水産科が独立して現在の宇和島水産高校となった経緯があります。
そして2008年に中高一貫の中東教育学校へ移行しました。

つまり約20年ぶりに以前の高校に戻るのです。
そして独立した水産高校も一緒になって、宇和島南高校となります。


【現状】
・宇和島東高校(理・普通科、商業科、情報ビジネス科)
・津島分校(普通科)
【変更後】
・宇和島東(理・普通科④、商業②)

愛媛県南予地域にはかつて津島町という独立した自治体がありましたが、平成の大合併により2005年宇和島市となりました。
その中心部に県立津島高校がありましたが、生徒数の減少により2021年より宇和島東高校の分校に。

そして25年度より津島分校は無くなり、宇和島東高校と統合されます。
現在の宇和島東高校の情報ビジネス科も無くなる予定です。


鬼北町

【現状】
・北宇和高校(普通、生産食品)
・三間分校(普通、農業機械)
【変更後】
・北宇和(普通②、農業①)

改編

松山市北条

【現状】
・北条高校(総合学科)
【変更後】
・愛媛風早(定時制、通信制)

松山市の北部にある西条地区にある北条高校は、26年度より現在の全日制から昼間2部定時制と通信制を併設した「愛媛風早(かざはや)」に改編予定。
松山東高校の通信制、肱川分校の定時制も愛媛風早に統合されます。

ちなみに風早の語源は、かつて愛媛県にあった郡の名前。
明治政府の廃藩置県によって愛媛県にもさまざまな県が設置されました。

松山県、大洲県、宇和島県などなど。
そして現在の松山市北条にあったのが風早郡。

風早郡はその後、温泉郡となっています。

なお松山商業高校の定時制は、松山南高校の定時制に統合予定です。


新学科設置

新居浜市

【現状】
・新居浜東高校(普通科⑥)
【変更後】
・新居浜東(健康スポーツ科①、普通科⑤)

今治市

【現状】
・今治西高校(普通科⑦)
【変更後】
・今治西(国際科①、普通科⑥)

東温市

【現状】
・東温高校(普通科⑥、商業②)
【変更後】
・東温(総合科⑨)

 西予市

【現状】
・宇和高校(普通②、農業①)
【変更後】
・宇和(総合③)

高校の募集停止条件も新たに公表

入学生が2年連続30人以下で募集停止

上浮穴高校普通科
森林環境科
※2022年時点の学科
長浜高校普通科
内子高校小田分校普通科
三崎高校普通科

入学生が3年連続20人以下で募集停止

弓削高校普通科
松山北中島分校普通科

なぜ今再編するのか?

今回の愛媛県立高校の再編計画。
教育委員会によると、全日制の高校生徒数は1990年比較で約3万人減少しているのに対し、高校数は2校しか減っていないとのこと。

更に今後も少子化が進む予定で、今までは高校の分校化や学級数減少で対応してきましたが、どこかで抜本的措置が必要と判断したようです。

今回の再編により平均学級数は4.9に、志願倍率は0.95になる予定。

以上「愛媛の県立高校が55校→44校に再編、統合や新学科などの詳細まとめ」でした。

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