最近退職代行サービスなるものが徐々に普及してきました。
その背景には、ブラック企業やブラックアルバイトなど労働環境が極端に悪い職場において従業員がこき使われている現状があります。
そしてこういう職場においては、人員をギリギリの状態で回していることが多いのです。
結果的に辞めたくても辞められない状況や、辞める時に長時間説得されたり代わりの人員を探せ!など無理難題を言われるケースもあるそうです。
そういう時に退職代行サービスを利用する価値が出てきます。
今回はこのサービスの概要と、利用するか迷っている方にとって後押しする理由をご紹介します。
なお2019年現在、民間の退職代行サービスの相場は3~5万円・弁護士を通じての代行サービスは5~7万円程度となっているようです。
退職代行サービスの概要
まずここで退職代行サービスの基本的な流れをご説明します。
退職の際に一番のハードルとなるのが、会社に対して辞める意思を伝える事です。
働いている会社を辞めるのは本人の自由であり他人にとやかく言われる筋合いはないのですが、日本の職場において退職する時に長々と引き留められたり退職届を受け取ってもらえないようなケースはかなりあります。
このような労働者の権利をないがしろにしている会社に対して私たちが出来る事は、法に基づいて淡々と退職手続きを進める事なのです。
退職代行業者は弁護士が監修や指導を行っている所が多く、弁護士の名前を出すだけで大半の会社はそのまま退職の意思を受理しています。
会社とのやりとりは退職代行業者が行い、退職する際に必要な書類の記入と送付、会社からの貸与物の返却は依頼者本人が行います。
これもわざわざ会社に出向く必要はなく、郵送にて手続きが可能です。
退職代行サービスをオススメする5つの理由
時間の無駄をしない為
仕事を辞める意思を会社に伝える時に、長期間引き留められたり退職の意思を受理してもらえないケースが相当数あります。
また過去に職場においてそういう光景が繰り返されていると、周りの多くの人も辞めずらくなってしまうのではないでしょうか。
同じ仕事を長く続ける事が大切だと思っている社会人や経営者が一定数居るのが日本の現状であり、退職する理由はどうでもいい場合も多いのです。
そういう他人の価値観に自分の人生を合わせる必要は全くありません。
他人の価値観や言動に合わせれば合わせる程、自分のやりたい事が出来なくなってしまうのです。
出来なくなった結果や責任に対して、会社や退職を引き留めた人が力になってくれる事もほとんどありません。
今の仕事を辞めて自分のやりたい事や次の仕事を具体的に考えている人にとって、時間というのはとても重要なのです。
退職代行サービスを利用する事で、退職の意思を伝えてから実際に退職するまでにはそれなりの期間が発生します。
この期間中に、次の仕事を探したり少し休憩するなど自分の時間を持つ事ができます。
物事を冷静に判断する為
仕事を辞めようかと思っている時に、職場の周りからの視線や考えが気になっている方は多いと思います。
特に人手不足が深刻な職場においては、私が辞めたら周りの人の負担が増えてもっと大変になると考えしまいがちです。
その結果退職するタイミングがどんどん遅れてしまうパターンが多いのです。
そういう時には無理に職場に出社しない事がポイントです。
自分にとって自由な時間を作って、周りからの視線やプレシャーを感じない環境で冷静に判断する事が必要なのです。
退職代行サービスは、そういう自分にとって貴重な時間を作ってくれるサービスでもあるのです。
ブラックアルバイトを無理して長期間続ける理由なんて無い
以前ある外食チェーンにおいて、ワンオペなる労働環境が問題になった事があります。
時給の安いアルバイトを経営者が都合の良いように雇用するブラックアルバイトは、未だに多く存在しています。
しかも経験年数が長くなればなるほど、皮肉な事に戦力として認められてしまいブラックアルバイトから退職しずらくなってしまうのです。
コンビニチェーンのアルバイトの労働環境もそうですが、あまりにも経営者都合のシフトが優先されているのが現状です。
その結果学生生活に支障が出たり、勉強時間も削らざるを得ない状況に追い込まれているケースもあります。
最近は少しずつ改善されているようですが、クリスマスケーキや恵方巻などの自腹購入を迫られる事もニュースになりました。
今の日本では正規と非正規の所得や待遇の格差は一目瞭然で、パートやアルバイトを長期間無理して働くメリットはほとんどありません。
特にブラックアルバイトで懸命に働いている方の中には、正社員とほぼ同様の仕事を長時間無理して続けているケースもあるでしょう。
そういう出来る人こそ、無意味なブラックアルバイトから一刻も早くステップアップする事を強くオススメしたいのです。
その後押しとなってくれるきっかけとして、退職代行サービスを利用する価値は十分あると思います。
仕事は自分を犠牲にしてまでやる程の事ではない
今の仕事を辞めたくて悩んでいる方は、真面目で職場の大変さを分かっている場合も多いのです。
他の人も頑張っているんだから自分も頑張らないといけないという、自責の念にかられながら仕事を続けている感じです。
日本では仕事で成果を上げている人が称賛されてしまう風潮が強く、その結果会社に在籍している間はひたすら頑張り続ける必要が出てきます。
本来なら一人一人の個性や力量にあった仕事を割り振るべきなのですが、そんな事はおかまいなしに社員に対して努力や成果を求める場合も多いのです。
そのような大きな自己犠牲が伴う働き方を続けていると、心身共に疲れ果ててしまいます。
若い頃はそのような働き方でも気合で乗り切れるかもしれませんが、年々蓄積された疲労は後になって必ず自分自身に返ってきます。
人生100年時代と言われる現代において、私は健康で自分のやりたい事を続けられるのがとても重要だと思っています。
その為には、例え一時期でも体に相当の無理が生じる働き方や過ごし方は極力避けるべきでしょう。
そのように自分にとっての働き方をじっくり深く考える事は人生においてとても重要なのです。
ただし一人で頑張り続けるのはとても大変ですし、退職したくても自分より職場の人の事を優先してしまい諦めてしまう人も多いと思います。
退職代行サービスとは、そんな頑張っている人に対して退職する際の壁を低くして自分の将来の選択肢を増やしてくれる効果もあるのです。
弁護士に依頼する事でさまざまな請求が可能になる
弁護士による退職代行サービスでは、依頼者に代わって会社に退職の意思を伝える以外にも慰謝料の請求等のサービスを行っているところもあります。
退職金の請求やパワハラ等による慰謝料の請求
有給未使用分の消化に関する事や給与・残業代の未払い分の請求
このような金銭的な請求事項に関しては、弁護士を通じて会社とやりとりを行ってもらう必要があります。
特に未払い残業代に関しては、国の働き方改革の一環で労働基準監督署の目が厳しくなっている社会背景があります。
実際に退職する際に未払い残業代や給与の請求をする際には、別途弁護士に着手金が発生してきます。
その着手金と残業代や退職金を比較して、弁護士に依頼するかどうか検討してみて下さい。
まとめ
退職代行サービスに対しては、世間でも賛否両論あるようです。
会社で普通に仕事をしている人にとっては当たり前の事でも、本気で真剣に仕事を辞めようか迷っている人にとっては切実な問題なのです。
そのような時に会社の意向や意見、周りの人の視線を気にしてはいけません。
自分のやりたい仕事や将来何を目標にしていくのかは結局自分自身の問題であり、何の事情も知らない他人に分かるはずがないのです。
仕事はあくまでも自分の自己実現の為の手段であり、目的ではないのです。
その手段の為に限界まで頑張って、ボロボロになるまで働いて体調を崩す人が実に多いのです。
あなたにとって仕事とは何かを考えるきっかけとなれば幸いです。
全ての働く人にとって幸せな人生となりますように。