コミック「からかい上手の高木さん」に登場する女子中学生高木さんは、原作中では同級生の男子中学生「西片」に勝負において負けたことがないとされています。
しかし当たり前のように勝っている高木さんでも、極まれに負けそうになった勝負があります。
高木さんは西片の心を読むことができる(西片目線)ので勝負にすらならないことも多いのですが、そもそも本来の目的として西片は勝負をしたくて高木さんと戦っている訳ではありませんでした。
コミック第1巻1話「消しゴム」で、高木さんにからかわれてしまった西片が最後に言い放つセリフです☟
そう!西片は高木さんが恥ずかしがれば大勝利なのです。
それがいつの間にか勝負することが目的になってしまったのですが、まれに西片の何気ない会心の一撃がさく裂して高木さんを追い詰めることがあるのです。
今回は西片が負けなかった、ほぼ勝ったとも言える勝負を5戦ご紹介します。
「ほぼ」というのがまた微妙なのですが、そこは高木さんの駆け引きの上手さで引き分けなどに持ち込むパターンもあります。
対象は「からかい上手の高木さん1~19巻」「からかい上手の(元)高木さん1~18巻」です。
※アニメ版、映画版は対象外です
高木さんが(ほぼ)負けてしまったレア勝負5戦
第5巻「クリティカル」
からかい上手の高木さんが、原作において「はじめて」西片に負けてしまった勝負です。
実際は高木さんが負けてしまう姿を西片が確認していなかったので引き分け扱いになったケースです。
朝の星座占いと血液型占いで1位だった西片は「今日のオレは無敵なんだ」と自信満々に高木さんに語りかけます。
ちなみに血液型に関しては高木さんも西片と同じO型なので、同じ条件なのですが、、、。
しかし実際は高木さんに学校で25回もからかわれてしまいます。
落ち込んでいた西片は、朝の占いで見たコメントを思い出します☟
そう!例え何十回高木さんにからかわれても、西片が1回でもからかうことができれば勝利なのです。
自信をもった西片は、放課後友人からのゲームの誘いを断り、高木さんと一緒に帰ることにします。
そしてその帰り道でのこと、、、☟
西片「(考え事をしながら)うん、高木さんと帰りたかったし」
高木さん「・・・・・」
西片の頭の中は高木さんをどうやってからかおうか一生懸命考えている最中だったのです。
そこに高木さんがふいに話かけてきたので、無意識に返答してしまったんですね。
西片の返事だけ聞くと、「(好きだから)高木さんと帰りたかったし」とも受け取れます。
この時2人は中学1年生、まだ出会って間もない頃だと思いますので、普段そういう話をしない西片からのまさかの返事に高木さんも言葉を失ってしまいました。
答えた後に後悔してしまった西片は照れてしまい高木さんと慌てて別れますが、実は照れていたのは高木さんも同じでした。
普段とは違う高木さんの姿がはじめて描かれた話です。
ちなみにこの西片クリティカル、高木さんは結構堪えていたみたいで、後日のコミック12巻「おみくじ」で、同じように星座血液型占いで1位の西片が勝負を挑んできたときに、、
高木さんも結構根に持つタイプのようで、、、(笑)。
そしてクリティカルからしばらく経った12巻で再び西片の一撃が飛び出します。
12巻「夜」
家の風呂が壊れてしまい、銭湯にいくことにした西片。
その話を学校の帰り道に高木さんとしていると、予想通り銭湯の自動販売機の前で高木さんと出会った西片。
そしてその帰り道、すっかり周りが暗くなった夜道で西片が高木さんに勝負を挑みます。
西片の作戦では夜道なので相手の顔を確認することができない!
なので照れたかどうか自己申告するしかなく、最悪でも引き分けに持ち込めるという魂胆でした。
ただ高木さんは顔を近づければ分かるよと西片に急接近してきます。
テレてしまった西片でしたが、勝利の為になんとかふんばります。
結局沢山からかわれてしまった西片でしたが、高木さんが家の近くで別れようとした時にふいに声を掛けます。
高木さん「・・・・・・」
この時も西片から予想外の言葉をかけられた高木さんは何て返せばいいのか分からず、会話に変な間ができてしまいました。
西片「な。」
返事している時点で高木さんは照れているんですよね。
このあと家まで駆け足で帰ろうとする高木さんでしたが、照れ隠しで顔が赤くなっているのがバレバレでした。
まあ夜道ですし相手の顔が分からないので西片は確認できなかったのですが、少なくとも高木さんにとって負けに近い引き分けだったと思います。
17巻「力の使い方」
西片は高木さんにからかわれる度に腕立てをするという自主ノルマを課していますので、腕力にはかなり自信があります。
その腕力を試す為にある日教室でロッカーを持ち上げて、クラスメイトからびっくりされます。
得意気に持ち上げているその時、調子に乗りすぎて近くの窓ガラスにロッカーを当ててしまい割ってしまいました。
バツとして放課後教室の掃除をやらされることになった西片でしたが、そこに高木さんがやってきます。
ちょうどいいと西片が勝負を仕掛けます。
西片(体重のある木村も持ち上げられるんだから、持ち上げられないモノなどない!)
高木さん「いいよ」
自信満々に勝負に挑む西片でしたが、、
西片「な・・・」
いわゆるお姫様だっこをすれば西片の勝ちになる訳ですが、西片にそんな恥ずかしい事できる訳がありません。
こんなイメージでしょうか☟
さすがにできないから今回も負けか、、と西片が思っていた矢先、高木さんがもたれていた棚の上から荷物が落ちてきそうになります。
とっさに西片は高木さんを守ろうと近寄ります。
西片は原作中でも高木さんがピンチになる度に身を挺して守ろうとするシーンが描かれているのです。
後ろに倒れそうになった時に支えようとしたり(この時は失敗)、川に落ちそうになった時に手をひっぱって自分が犠牲になったり、、。
反射神経は結構あるようですね。
結局棚から荷物は落ちなかったのですが、高木さんを守ろうとするあまり抱きつく感じになってしまいます。
思わず離れて照れてしまう、西片。
恥ずかしさのあまり後ろを向いてしまう西片でしたが、守ってくれたことと抱きついてきたことが重なってさすがの高木さんも照れてしまいます。
結局勝負は引き分けになったのですが、西片の腕力であのまま少しだけでも持ち上げていたら勝利でしたね。
この「力の使い方」のエピソード。
最後高木さんが照れているシーンの時に、西片は後ろを向いているのですが、高木さんは顔を赤くしつつも西片のことをまっすぐ見ているんですよね。
今までの高木さんなら照れてしまった時になんとか見られないよう隠していました。
いわゆる照れ隠しです。
しかしこの時の照れている高木さんですが、まっすぐ西片を見つめていました。
高木さんの西片に対する気持ちがよ~く分かるエピソードだと思います。
19巻「誕生日」
ラブコメにおいて誕生日というのはとても重要なエピソードになるのですが、19巻目でやっと誕生日イベントが登場しました。
逆に言えば誕生日のエピソードが描かれるということは、物語もいよいよ佳境に入ってきたとも言えます。
今回は高木さんの誕生日。
学校からの帰り道、西片から誕生日プレゼントで何を渡すのか高木さんが当てる勝負をすることになります。
この勝負の仕掛けは、以前高木さんが気になっていたキツネヌキとタヌキツネという2つのぬいぐるみがあって、それのどっちを西片が渡すのか当てるというのが名目で、実際は2種類とも鞄に用意していたというのが魂胆でした。
つまり高木さんが選んだぬいぐるみとは逆を用意すれば西片が絶対勝てるという勝負だったのです。
しかし高木さんはぬいぐるみのうち「キツネヌキ」だとテキトーに選んでしまいます。
こんなにあっさり決めてしまうなんて、、と疑う西片に対して、、
と満面の笑みを浮かべます。
誕生日プレゼントを渡す相手にそんな表情をされたら勝負に拘るのは無理ですよね~。
結局西片は2種類とも持ってきたことを正直に話します。
そして高木さんが欲しかったキツネヌキを渡して自ら負けたのです。
ちなみに2023年3月に発行されたこの19巻ですが、明らかに今までとは次元が違うエピソードが盛りだくさんです。
高木さんが髪形を変えようとしたときに、西片が「いつものが一番似合っている」とつぶやいたり、高木さんの友達の真野さんがキスをしたという話を2人が聞いてお互いに照れてしまったり。
19巻最後には、お互いが名前で呼ぶエピソードも収録されています。
つまり西片と高木さんの距離がグッと近くなって、もはや2人が正式な恋人同士になるのも時間の問題だと感じます。
2人は恋人になって結婚して夫婦になるという結末はとっくに分かっているけれど、やはり西片がどのように高木さんに対して告白したのかはとても気になりますよね。
西片の勇気が一番試されるシーンはどのようになるのか、それに対してからかい上手の高木さんがどのように返事するのか、楽しみです。
(元)高木さん8巻「用事」
最後は西片と元高木さん(ここでは高木さんと表記します)と一人娘ちーちゃん親子の仲むつまじい様子を描いたスピンオフ作品から。
西片が職場の中学校に歩いて出勤途中、高木さんが追いかけてきます。
用事があって追いかけたんだけど、その用事を忘れてしまったと答える高木さん。
ではその用事をズバリ言い当ててみようと意気込む西片。
高木さんが手ぶらなので何か忘れ物を届けようとした訳ではないと判断した西片は、、
高木さん「(少し不機嫌な様子)」
西片「(慌てて)なんつって!今のは冗談で・・・」
なんて恥ずかしいことを言ってしまったんだ、、と後悔する西片でしたが、正解は一緒に歩くことでした。
つまり正解だったけれど高木さんの表情を読みすぎて不正解になってしまったのです。
西片は高木さんの心を読むことは苦手ですが、行動や表情から察する能力は結構あるんですよね。
いつもと何となく違うことに気付くこともあるぐらいですから、高木さんがムッとしたり不機嫌になると「アッ、ヤバイ!」と慌ててしまう気持ちも分かります。
今回の話は西片があまりにもあっさり正解してしまったので、高木さんから見れば(つまんな~い、もっとからかいたかった)みたいな感じでしょうか。
まあ実際は高木さんが不機嫌な事はほとんどないのですが、、。
この「用事」での勝負というかエピソードは、西片が原作において最速で的確に高木さんの心を読み取った貴重な回でした。
たださすがは高木さん、持ち前の勝負強さで負けを勝ちにしてしまいます。
しかし勝負自体としては西片の圧勝でしょう。
高木さんは恋愛においては大敗北?
これらの5つのエピソードを見ても、高木さんは意外とメンドクサイ性格を合わせ持っているともいえます。
勝った時は西片をからかい、負けそうになったら強引に引き分け以上に持ち込む。
つまり高木さんのご機嫌をとるには西片が勝つわけにはいかないのです。
西片にとってはあまりにも理不尽な勝負なのですが、高木さんもそんな状況をしっかり自覚していました。
(元)高木さんの話の中に、、
とちーちゃんに語りかけるシーンがあります。
高木さん自身も勝ちにこだわってしまう性格だと認識しているからこそのセリフです。
そして沢山勝負をしてくれた西片と一緒に居ることを選んだのです。
そもそも高木さんはコミック1巻の中では、西片の事を少し小ばかにして上から目線的な言動がある目つきが鋭い尖った性格として描かれていました。
特にアニメや映画のイメージは優等生で目がクリっとしていて落ち着いた印象があるのですが、それはキャラ変したあとの高木さんなのです☟
でも1巻でも最新作でも西片のことが大好きな事には変らないんですね。
西片から見れば「ほとんどの勝負に負けたけれど、高木さんに最終的には勝った!」でしょうか。
恋愛において先に好きになってしまった方が負けで、その相手が主導権を握るという法則があります。
その法則を当てはまると、高木さんは中学生の時点から負けていたという見方もできます。
西片と高木さんの勝負、2023年になってもまだまだ継続中です!
以上「からかい上手の高木さんが西片に負けそうになったレア勝負5戦とは」でした。