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人工呼吸器だけ増えても新型コロナウイルス感染拡大の防止には意味が無い3つの理由とは?

人工呼吸器

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が世界中に広まっている今、人工呼吸器を増産する動きが加速しています。

時事通信社によると、トランプ大統領は27日、民間企業に物資の調達や増産を促すことができる「国防生産法」に基づき、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の製造を命じました。

日本においても旭化成が25日、子会社である米救命救急医療機器大手「ゾール・メディカル」が、世界的な新型コロナウイルス感染拡大で需要が高まっている人工呼吸器の増産を決めたと発表して、現在の約25倍に相当する月1万台に増やすとのこと。

新型コロナウイルスに感染して重症化した患者さんは、自分で呼吸をすることが困難になりますので、病院で安静になりながら人工呼吸器による治療を受ける事になります。

分かりやすく言えば患者さんに空気を強制的に送り込む機械が人工呼吸器なのですが・・・

実は扱いがすごく難しいみたいですよ

そのような理由もあって、実は人工呼吸器をただ増産すれば問題解決!とは全然ならないのです。

看護師である私の妻も、「ただ増やせばいいってもんじゃないんだけどね・・・」とぼやいていますよ。

新型コロナウイルスの影響が日本でも深刻になりつつある今、人工呼吸器の増産だけは意味が無い3つの理由をご紹介します。

①人工呼吸器を取り扱う際は、臨床工学技士・看護師・医師の連携が必要!一人や二人だけでなんとかなる機器ではない
②肺炎で重症化した患者は容体が急変する事が多く、医療関係者の手厚いサポートが必要。人手不足の病院には出来る事に限界がある
③新型コロナウイルス感染者用の治療施設がある病院がまだまだ少ない!新型コロナの感染力が強い為医療従事者に感染してしまう事例が増加中!

人工呼吸器の増産だけでは、新型コロナウイルスの猛威は止まらないその3つの理由とは?

人工呼吸器の扱いはすごくデリケートで難しい!

人工呼吸器

そもそも人工呼吸器を使う機会というのは、今までなら終末医療延命治療といった高齢で余命いくばくもない患者さんに対する治療で使われる機会がほとんどでした。

肺疾患やぜんそくで重症化している患者さんに使用されるケースももちろんありますが、オルベスコといった家庭で治療できる吸入剤もあり、一般的な病院で人工呼吸器を使う機会があまり無かったのが現状でした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、特に持病がある高齢者の方が感染してしまうケースがどんどん増えてくるに従い、人工呼吸器による治療の必要性が出てきたのです。

現在新型コロナウイルスに対する根本的な治療薬はありませんので、感染して重症化した患者さんは病院で安静状態になり人工呼吸器による治療を受けながら症状が改善するのを待つしかありません

そんな人工呼吸器ですが、私を含めて機械が全て自動で治療してくれるんでしょ?と思っている方は多いと思いますが・・・

実は人工呼吸器を適切に扱えない病院が意外と多い!

人工呼吸器を取扱う際は、主に3種類の医療関係者の連携が必要なのです。

臨床工学技士医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者

「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置のことで、人工呼吸器も含む

患者に対して直接の医療行為はできない

看護師人工呼吸器による治療を受けている患者に、治療中のサポート全般を行う

人工呼吸器の内部設定をしたり変更する事はできない

医師対象の患者の状態を総合的に評価し、人工呼吸器管理の合併症を生じることなく早期の人工呼吸器からの離脱にむけて多職種の意見をふまえ、治療方針を決める

上記の医療関係者以外にも歯科医師・歯科衛生士・理学療法士・管理栄養士といった、さまざまな医療従事者の手厚いサポートが必要不可欠なのです。

人工呼吸器で治療を受けている患者さんは、自分で呼吸をする事ができず、満足に体を動かす事もできず、食事もとる事ができない事がほとんどです。

その為、何をするにしても医療関係者の手助けが必要であり、症状が良くなっているのか悪くなっているのか、しっかりと見極めながら治療を進めていく必要があります。

点滴のように一度装着したらほったらかしでも大丈夫!とはいかないのです

また人工呼吸器内部の設定や治療方針を決めるのは医師であり、看護師は治療中の患者のサポートが主な役割というのもポイントですね。

肺炎の症状にも個人差がすごくあり、人工呼吸器の設定はその患者さんによって全然違うようです。

その治療方針を誤ってしまうと、助かる命も危険な状態になってしまいますので、医師をはじめとする医療関係者の連携とサポートがとても重要なのです

現在ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染による死者数がどんどん増えていますが、その大きな原因は病院でこの人工呼吸器による適切な治療が受けられない患者さんが相当多いという事でしょう。

まさに医療崩壊状態なのですが、その現場である病院に人工呼吸器をただ増やしただけではほとんど意味が無い理由がお分かり頂けると思います。

人工呼吸器の整備と同時に、それを適切に取り扱えてしかも患者さんのサポートがしっかりできる医療関係者の整備も重要なのです。


肺炎で重症化した患者は容体が急変する事が多く、医療関係者の手厚いサポートが必要

医療スタッフ肺炎で重症化した患者さんは、いつ症状が変化するのか予測がつきません。

その為治療中は24時間治療状態をモニタリングしながら、多くの医療関係者が付き添う事になります。

今まで人工呼吸器を使用する場面といえば、最初にご紹介した通り、終末医療や延命治療に使われる事が多かったのです。

人間としての命を静かに全うする為の、手助け的な役割だった人工呼吸器が、新型コロナウイルスの感染拡大により、命を助ける為の重要な機器になったのです

医療関係者全員がこのような治療経験を豊富にもっている訳ではないでしょうし、今の病院はとにかく人手不足なのです。

その人手不足の中で、人工呼吸器による治療が必要な患者さんが爆発的に増えてしまっている・・・。

ヨーロッパやアメリカの現状が、日本でも起こってしまう可能性は十分にあるのです。


新型コロナウイルス感染者用の治療施設がある病院がまだまだ少ない!

入院施設

現在日本では、医療費削減の為病院の病床数をどんどん減らしています。

病院で入院するより、通院しながら自宅で治療してね!という国の方針なので、入院可能な人数が昔よりかなり減少しています。

そんな現状の中で発生した、今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、病院の入院治療施設が急遽求められるようになりました。

しかもただの入院施設ではダメで、新たな感染症治療用の入院治療施設が必要なのです!

そんな専門施設がある病院は日本全国どこにでもありませんし、しかも今回の新型コロナウイルスは感染力は非常に強いのが特徴です。

新型コロナウイルスの致死率に関しては2%とも3%ともいわれていますが、症状が出ていないいわゆる「無症状感染者」も多数居る事から、実際の致死率はもっと低いでしょう。

症状が重症化しやすい高齢者の方や持病のある方は注意が必要ですが、若年層ではほとんど症状が出ない事が多いのが、この新型コロナウイルスの大きな特徴です。

そして衛生面や環境面で相当気を付けている病院でも感染が広がってしまう程、感染力が強いのがやっかいな所です

3月28日に東京都では63人の感染が確認されましたが、ほぼ半数が台東区の永寿総合病院の患者ら病院関係者でした。
さらに、中央区の国立がん研究センター中央病院では、20代と30代の女性看護師の感染が判明した。いずれも味覚や嗅覚に異常があったことから検査を申し出て陽性と確認された

病院内でも感染が拡大してしまうウイルスに対して、周りが人工呼吸器を増産だけしていても、ほとんど意味がないでしょう。

新型コロナウイルス専門の入院治療施設、医療関係者の増員と人工呼吸器に対する正しい知識の習得、国民一人一人に対する感染拡大を防ぐ為の行動の周知等々・・

まさに国全体をあげての取り組みが必要なのです

今後の当面の治療において人工呼吸器がないと話にならないのも明らかなのですが、この人工呼吸器に関して、アメリカのクオモニューヨーク州知事が危機とも言える状況を日々発信しています。

マスクや手袋といった保護具の不足は解消されつつあり、ニューヨーク州として当面必要な分は確保できている。だが人工呼吸器は不足している。当局は新たに人工呼吸器を調達するのに加えて、緊急対策として1台の人工呼吸器を2人の患者で使うという荒業をテストで確かめたほか、動物病院で使う人工呼吸器や、喘息用の吸入器から改造した人工呼吸器まで、ありとあらゆる手段を尽くして数を増やしている。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、アメリカのコロナウイルスの感染者数は27日、10万人を超えました。

これはイタリア・中国を上回って世界最多となり、その後も感染拡大に歯止めがかかっていません。

医療先進国であるアメリカでさえこの現状、とても日本も他人事ではありません・・・。

以上、「人工呼吸器だけ増えても新型コロナウイルス感染拡大の防止には意味が無い3つの理由とは?」でした。

人工呼吸器
ぜひお気軽にどうぞ!