日本国内で唯一新幹線が走っていない地域が四国ですが、その四国4県(愛媛、香川、高知、徳島)で営業しているJR四国は近年経営状態がかなり厳しくなっています☟
「便数が少ないので、帰りの列車を逃すと1時間以上待つのがつらい。それでもなくなったら困る」。沿線の愛媛県鬼北町から宇和島市内の高校に通う男子高校生(16)がつぶやきました。朝日新聞デジタル https://t.co/L7JvDhkWlc
— 朝日新聞松山総局 (@asahi_matsuyama) May 18, 2022
JR四国の駅は全部で259駅ありますが、愛媛県内の駅は84駅。
その内特急列車が停車する駅は15駅あります(伊予中山駅は日中特急列車が停車しないので対象外)☟
このブログでは、新居浜市にあるJR新居浜駅の今をご紹介します。
新居浜市は日本の三大財閥「住友」が支えている街です。
住友財閥は世界で最も歴史のある財閥とされ、その住友が江戸時代中期から282年間経営していたのがかつての別子山村(現在は新居浜市と合併)にあった別子銅山です☟
坑道は全長700kmに及び、明治になって鉱山鉄道が開通すると銅の産出量は爆発的に増加し、日本の近代産業発展に大きく貢献しました。
現在の日本でも住友と名の付く会社は数多くあり(三井住友銀行、住友商事、住友化学など)、それらのグループ会社の売上を合計すると60兆円を超える規模となります。
新居浜市にも瀬戸内海沿岸に多くの企業や工場があって、新居浜市の歴史は住友の歴史と言っても過言でないぐらいです☟
歴史のある街のJR駅が今どうなっているのか、気になりませんか?
JR新居浜駅の駅を巡る旅のスタートです。
太鼓祭りと住友が支える街の駅「JR新居浜駅」の現在の姿
JR新居浜駅の概要
1日の乗降客数 (JR四国259駅中でのランキング) | 4038人 10位 |
緑の窓口 | 有り |
駅員が居るか | 有人 |
駅の一般駐車場 | 有り (30分までは無料、以降30分毎に100円) |
キヨスク等の売店 | セブンイレブン |
トイレ | 有り |
駅近くの商店街 | 商店街は無し 徒歩1分でスーパーFuji有り |
訪問日 | 2022年5月 |
実は新居浜駅周辺は最近開発が進んだ地域です。
駅前広場がかなり広く、すぐ近くには地元の大手スーパー「フジ」があったり、郵便局や美術館、ビジネスホテルなどがあります☟
これだけ駅前の施設が充実している場所は愛媛県でも数える程しかありません☟
最初にご紹介した通り、新居浜市は住友と共に発展してきた街です。
別子銅山が稼働していた頃は、主に銅山周辺の山間部とその銅を港まで運んで精錬していた湾岸部に人の流れが集中していました。
なので現在のJR新居浜駅がある中心部が空洞化していて、発展が後回しになっていたのです。
地域の発展の象徴「商店街」がJR駅周辺に無いのもそんな理由。
では新居浜市の商店街はどこにあるのかというと、別子銅山のお膝元だった「喜光地地区」と住友化学工場の目の前の「登り道」にあります☟


今ではひっそりとした商店街も、昔は多くの人で賑わっていたアーケード商店街です。
現在のJR新居浜駅周辺の再開発が進み、駅前広場が完成したのが2011年になります。
駅のすぐ横には「あかがねミュージアム」という多目的ホールや美術館がある文化施設があり、こちらもかつての別子銅山をモチーフにしています☟
施工はもちろん三井住友建設をはじめとする複数の企業がかかわっていて、2015年にオープン。
建物の外観は銅葺で、使用された銅板は約22500枚!
重さにして42トンにもなり、10円玉に換算すると1億円相当にもなります。
銅製なので時間による経年変化も見どころなのです。
これだけ施設が充実していると駅前を歩くのが楽しくなりますね。
新居浜市内には他にも別子銅山関連の施設が多数あります。
当時の銅山内を見学できる「マイントピア別子」や、銅山の貯鉱庫を間近で見れる東洋のマチュピチュこと「東平(とうなる)」☟


銅山を近代化させた元住友総理代人、広瀬宰平が分かる「旧広瀬邸と広瀬歴史記念館」、銅精錬の拠点だった四阪島にあった澄人家当主の別邸だった「日暮別邸記念館」などなど☟


JR新居浜駅からはかなり離れている施設も多いのですが、日本が明治以降に歩んだ歴史も学べるので社会見学などでもおススメですよ。
駅からレンタカーを利用して巡ってみてはいかがでしょうか。
駅構内に入ってみる
駅前広場は再開発が進んでいますが、駅舎自体は昔のままです。
ただJR新居浜駅はJR四国の駅の中でも10番目に乗降客数が多い駅、日中でもそれなりに賑わっています☟
JR四国は経費削減待ったなしの状態で、駅のみどりの窓口もどんどん閉鎖されています。
特急列車停車駅でも駅員による窓口が無い駅がかなり増えていて、新幹線切符や定期券などは「みどりの券売機プラス」というテレビ電話機能付きの券売機で購入します☟
JR新居浜駅は対面式のみどりの窓口があるので、そちらでも切符が買えます。
その横にはセブンイレブンがあります☟
駅の売店といえばキヨスクですが、JR四国では極限まで経費を削減するため売店の営業も取りやめて、大手コンビニに委託しています。
かつてはパン屋さんも営業していたらしいのですが、2022年時点でパン屋さんはありません。
駅の乗降客数も年々減少していますので、駅の施設が今後増えることはまず無いでしょう。
改札は自動改札ではありませんが、電光掲示板で電車の発着情報を案内してます☟
ホームに行くとアンパンマンスタンプラリーがあります☟
JR四国では車体が丸ごとアンパンマンの特急列車が1日数便運行しています☟
かなりカラフルな列車で、最初に見た時は私はギョッとしてしまいましたが(笑)、アンパンマン列車が走っているのは日本でも四国だけですので、特に小さなお子さんなどは外から見るだけでも喜ぶんじゃないでしょうか。
駅にあるアンパンマンスタンプと列車内にあるスタンプを何個か集めて応募すると、オリジナルのアンパンマングッズが抽選で貰えるキャンペーンを実施しているようです。
岡山駅、高松駅、多度津駅、新居浜駅、伊予西条駅、松山駅、伊予大洲駅、宇和島駅、穴吹駅、徳島駅、琴平駅、阿波池田駅、土佐山田駅、高知駅、
※各駅によりスタンプ設置時間があるので注意!
専用のハガキとラリーブックも必要なので、詳細はJR四国のホームページをチェック!
ホームは1番線から3番線まであって、2~3番線は陸橋を渡った離れ小島ホームにあります。
エレベーターも設置されてますので、車いすの方でも安心です☟
この駅からは貨物列車も発着していて、多数のコンテナを積んだ列車が待機していました☟
新居浜駅のホームには自動販売機があるだけで、売店などはありません。
JR四国の駅で10番目に賑わっている駅ですが、日中も静かな風景が広がっていました☟
しばらく待っていると普通列車が到着☟
県庁所在地の松山駅の更に先にある伊予市駅行の普通列車。
伊予市駅まで約3時間30分の道のり。
そして特急列車も到着☟
新居浜駅の1番線ホームの壁脇には、新居浜市を象徴する2枚の写真が掲示されていました。
まずは「新居浜太鼓祭り」☟
毎年10月に開催される地元の秋祭りで、十数万人の観客で賑わいます。
この新居浜太鼓祭りは地域の人にとってはお正月よりも大切な行事で、年に1回この祭りの為に帰省する人も多いのです☟
懐かしい写真
9年前ですね…
10月は新居浜太鼓祭りで
盛り上がる愛媛県の新居浜市約3トンの御輿を
200人の垣き手が
天へと差し上げますこの頃はデジカメ撮影
今ならどう撮るのか
楽しみですけど…
仕事で行けませんね(ーー;)#新居浜太鼓祭り #太鼓台 #懐かしい写真 #祭り #キリトリセカイ pic.twitter.com/yjuqrNnK7I— マオ (@gKYV1MNs7y1Frcu) October 6, 2019
祭りは平日も行われますが、地元の会社や学校は秋祭りの為お休みになります。
重さ数トンの金ぴかの太鼓台と呼ばれる山車が街中を練り歩き、時には鉢合わせという太鼓台同士をぶつけあう喧嘩のような光景は迫力満点!
そしてもう1枚が最初にご紹介した旧別子銅山☟
道の駅や温泉もあるマイントピア別子や山奥にある東平には、旧坑道が今でも深い眠りについています☟
以上「財閥住友の街!太鼓祭りと別子銅山が支える愛媛県のJR「新居浜駅」を巡る旅」でした。