ネット上で常に熱い議論が交わされている事が多い、住まいの賃貸VS持家対決!
賛否両論があるのは当然ですし、個人や家族によっても価値観が全く違いますので絶対的な答えが出ない問題でもあります。
ここでは分かりやすく賃貸と持家のメリットとデメリット、それらを踏まえたその先を考える事で少しでもみなさんのお役に立てればと思います。
忙しいので結論だけ教えて!という方は、目次からまとめをご覧下さい。
なお私は独身時代に賃貸アパートで独り暮らしの経験があり、結婚後現在の持家に住んでおります。
賃貸と持家の両方に居住経験があり、FP2級と宅建試験を合格していますので、それらの知識を生かして少しでも公平な判断ができるよう努めます!
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では!賃貸と持家のメリットとデメリットを各5項目挙げてみたいと思います。
賃貸のメリット
・住む場所に縛られないので、自由に居住先を選ぶ事ができる
・仕事やライフスタイルに合わせた住まいを自由に選ぶ事ができる
・家賃が安い物件に住む事が出来れば、住居関連のトータル費用を持家より安くすませる事が可能
・災害などで建物が被害を受けても、賃借人が修復する義務がない
・ローンを組む必要がない
賃貸物件に住む最大のメリットは,住む場所に縛られないので自由に居住先を選ぶ事ができる事でしょう。
将来が見通せない不確実な社会だからこそ、仕事への不安やお金の不安などは大きくなる一方です。
その不安が大きいからこそ、居住費だけにお金をかける事は相応のリスクが発生してしまいます。
現在の収入に応じた家賃の賃貸物件に住んだり、職場や家庭環境が変わったりしたタイミングで住まいを変える事が出来るのは賃貸の大きなメリットです。
一人暮らしの時は安い賃貸物件に、同棲したり結婚したら少し広めの物件に。
結婚して子供ができたら、育児環境が整った地域の賃貸物件へ引っ越しなど、臨機応変に対応する事ができます。
そして子供が成長して夫婦2人だけになったら、2人だけでゆっくり安心して過ごす事ができる賃貸物件へ・・・。
その気になれば数年毎に新築の賃貸物件に引っ越す事で、常に新しい住まいで生活する事も可能ですね。
持家のメリット
・賃貸物件より広くて快適な環境で生活できる
・DIYや家庭菜園など、自分の趣味を生かした生活をする事ができる
・マイホームで生活できるという将来に向けての安心感
・場所によっては土地を含めた資産価値が上がる可能性がある
・土地の価値がゼロになる事はないので、子供に相続させる事ができる
持家の最大のメリットは、居住環境の快適性や安全性・自由度が高い事でしょう。
1階と2階とでそれぞれ独立した空間が確保できるので、子供部屋や趣味の為の部屋・勉強部屋や読書部屋など家族でのプライベート空間を確保できます。
またDIYを楽しんだり、庭がある方は家庭菜園などもできるでしょう。
家族や友人を家に招いてホームパーティーだって出来ます。
自分の建てた家に住んでいるという安心感や満足感も得られるでしょう。
資産的価値という面でも土地自体の価値はゼロにはなりませんし、子供に資産を残しておく事もできます。
賃貸のデメリット
・家賃を払い続けても自分の資産になる事はない
・家賃相応の住居環境になる、安い物件程狭くて交通の便が悪い事が多い
・引っ越しをする場合さまざまな費用が発生する。
・何かトラブルがあった時に、大家や管理会社とトラブルになる事がある
・賃貸物件の建て替え等で立ち退きを迫られる可能性がある
賃貸物件の場合選択肢の自由度が高い反面、それがデメリットになる事があります。
結局は家賃相応の生活環境になります。
高い家賃を払えば自分にとって満足する環境に住む事ができますが、家賃が安い場合に部屋が狭くて暗かったり駅から遠かったりする可能性も。
また賃貸物件に住んでいる限り家賃を支払う事になりますので、何十年も家賃を払い続けていると持家よりトータルの居住費が高い場合もあるでしょう。
今風に言うと長期間で計算した時にコスパが悪い!ですね。
賃貸物件は生活基盤の自由度を優先した生活ですので、その自由度が高い程不安定な要因も増す事になります。
安い賃貸物件の場合将来に向けて貯蓄する事も十分可能でしょうが、それなりの物件の場合貯蓄がなかなか出来ない事も十分予想されます。
結局個人による差がとても大きく出てしまうのが賃貸です。
持家のデメリット
・頭金の額次第では住宅ローンに縛られる生活になる
・税金や住宅の維持費が定期的に発生
・災害が発生した時に住まいを失うリスクがある
・ご近所トラブルが発生してもそれを回避できる手段がない
・生活環境や仕事環境の変化に対応できない
持家の最大のデメリットは、その
金銭的負担額の大きさでしょう。
10年20年単位で住宅ローンを利用する場合も多く、ローン額によっては途中で生活の質を変えざるをえない状況になる場合もあります。
最近は住宅ローンの低金利化や住宅ローン減税など、昔と比較してローン自体を借りる壁は確実に低くなっています。
今まで住宅ローンを借りる事が出来なかった人でも、審査に通る可能性が高くなっています。
ただし住宅ローンの審査に通ったからと言って、無理なくローンを返済できるかどうかは全く別問題なのです。
リストラ、残業代カット、体調が悪くなった、親の介護等々で、当初の想定よりも更に家計の収入が減り支出が増える要因は色々ありますからね。
最近頻発している大規模な自然災害に対する備えも必要で、賃貸の場合は家に被害が出ても修善するのは基本的に大家の責任ですが、持ち家の場合は全て自己負担となります。
またテレビで良く報道されているご近所トラブルでも注意が必要です。
賃貸物件なら自分が引っ越しする事で問題解決ですが、持ち家の場合よほどの事が無い限りどんなご近所トラブルが起きても住み続ける必要があります。
賃貸と持家のメリットとデメリットを考えるだけでは全く意味がない
さて賃貸と持家のメリットとデメリットをそれぞれ5項目程挙げてみました。
ではこの挙げてみた項目を検討してみて・・・
やっぱり賃貸最強だな!
とか
将来はやっぱり持家がいいな~
まだまだ考えなければならない事があるんですよ。
物事にメリットデメリットがあるのは当然で、その先を考える事が重要
例えばお菓子が大好きなAさんが居ます。
日常的にお菓子を沢山食べれば、体にとって良い影響はないでしょうし体重もいずれ増えてくるでしょう。
ではお菓子は体に悪いからというデメリットを知人のBさんから強く言われた場合、お菓子は食べない方がいいのでしょうか?
Aさんにとってお菓子を食べる事は仕事が終わった後の何よりの楽しみであり、これを禁止された事はAさんにとって大変つらい事でしょう。
仕事に対するやる気がなくなったAさんは、体調を崩して仕事を辞めてしまいました。
これはメリットデメリットをすごく分かりやすく単純化した例なんですが、どんな物事にも表と裏があるという事です。
いつまでも表が出ている事もないでしょうし、全く表が出ない可能性もないでしょう。
メリットデメリットを考える時、大切な事はその先を考えてみる事です。
将来自分はどうなりたいのか?どうしたいのか?何を優先したいのか?
この思いや考えが欠けていると、日によって自分の決断が変わってしまう可能性だってあるのです。
将来どうなりたいかなんて、今の私には全然分からない!という場合。
そういう場合は、メリットデメリット以前に物事の判断を今はしない方がいいという考え方もできますよ。
いわゆる判断の先送りです。
先送りというとあまり良いイメージではないかもしれませんが、メリットデメリットの両方を考えた結果の先送りは
私は確実に意味のある先送りだと思います。
世の中には問題解決・判断の為にある程度の時間が必要なケースも相当数あります。
特に人間関係における事に関しては、急ぎすぎるとロクな事にならない場合が多いです。
そしてロクな事にならなかった場合、それを回復させるには更に長い時間が必要になるという感じです。
先送りという判断も、いくつかある決断の選択肢の内の一つなのです。
先ほどのお菓子が大好きなAさんの例で考えると、Aさんにとって優先したかった事は仕事が終わった後のお菓子だった訳です。
Aさんからお菓子を取り上げる事によって、別のデメリットが発生してしまった訳ですね。
人の価値観や思いは常に変わる可能性がある
ある物事のメリットデメリットを考える時に、コスト的な負担がどうなのかを真っ先に考える場合が多いでしょう。
コスパが良いか悪いか
私自身コスパを考える事自体は悪い事だとは全く思いませんし、ビジネスにおいてコスパを含めて検討する事は当たり前の事でしょう。
しかし、賃貸か持家かというすごく個人的で家族間で考えるべき問題の時に金銭的価値だけを重視した検討方法や判断をすると、あとあと後悔する事になるかもしれません。
それは人の価値観や感情、思いというのは常に変わる可能性があるからです。
このグラフは平成25年時点での、家計主の年齢別持家率です。
ちなみに単身世帯も含めた上での集計結果です。
年齢が若い程持家率が低いのは当然なのですが、グラフの20代後半から40代前半にかけての持家率の伸び率に注目して下さい。
40代前半の持家率は約55%と、20代後半の11%と比較して5倍と急上昇しています。
20代後半から40代前半という約10年ちょっとの期間で、人生における最大の買い物と言われる持家を購入する世帯が多いのがお分かり頂けると思います。
持家の最大のデメリットは金銭的負担が大きいと先ほど紹介しました。
現実問題として金銭的負担を少しでも軽くするなら、とにかく貯蓄してその額に見合う持家を買う事で金銭的負担を軽くする事が出来るはずです。
しかし20代後半から40代前半にかけて持家率が急激に伸びているのは、コスパは度外視して購入している人も少なからず居る事を表しています。
コスパを最優先するなら、年収が最も高くかつ貯蓄額も増えている50代の持家率の上昇率がもっと上がっていてもおかしくないですからね。
自分以外の人や家族と繋がりを持つ事で、自分自身の考え方や大切に思っている事や価値観が変わる事は決して珍しい事ではありません。
逆にまじめに物事に取り組んでいる人や他人を思いやる事が出来る人程、年齢を重ねるにつれ価値観が変わっていくのは普通な事かもしれません。
そういう風に、将来の自分像というのは本人にとっても分からなくて未確定な部分が大きいのです。
将来の事が分からないのに、分からないまま断定的な判断をする事がはたして正解なのでしょうか?
これだけ将来が不安定で価値観も変わるかもしれないんだったら、今は何をしても意味が無いのか?
分からないからこそ、今やれる事があります!
将来やりたい事を具体化して目的をはっきりさせる
この目的を具体化させるというのは、勉強以外でも何かをやろうと思っている時にぜひ最優先で考えるべきだと私は思っています。
目的があいまいなままに、毎日の勉強時間など目標を一生懸命立てるのに時間や気を取られすぎた結果、やる気やモチベーションが落ちてしまい途中で挫折してしまうケースが実に多いのです。
あなたが何かをやろうとしているその目的を具体的に教えて下さい。
この質問に対して、明確に根拠をもって他人に説明できる人は本物です!
なぜならそういう人は、事前に調べて勉強したりメリットデメリットを比較検討した上で決断しているからです。
そうして下した決断は、途中で挫折する事も少ないですし失敗するリスクも少なくなります。
逆に上手く説明できなかったりした場合、あなた自身がまだ迷ったりよく分かっていない可能性もありますよ。
目的を数値化・見える化する事で自分も他人も納得する事ができる
目的がはっきりしていれば、その人は何をしたいのかや何を優先しているのかが明確になります。
更に目的を数値化・見える化する事で、周囲の人に対する最高のアピールになります。
頭の中でぼんやりと考えているだけではなく、スマホやノートなどに小まめにメモしたり記録する事で頭の中も整理できます。
記録したものを周りの人が見た場合、この人は本気でいろいろ考えている!と思ってもらえる可能性も高くなります。
賃貸と持家のメリットデメリットと将来を考えてみた場合の一例
将来別の職業に就く可能性のある人のケース
今の仕事にそれなりに満足しているが、将来人にものを教える仕事に就きたいという人が居たとしましょう。
ものを教える仕事にもさまざまありますが、どちらにしても将来その道の勉強をしていく必要が出てくるかもしれませんね。
そうなってくると家で落ち着いて勉強できる環境が必要となります。
自分専用の勉強部屋です。
一人暮らしの時なら別ですが、家族が居て子供が居て自分専用の勉強部屋となると持家をそろそろ…と思いますが、ちょっと立ち止まって考えてみましょう!
仕事が変わる可能性がある場合、せっかく購入した持家にずっと住み続ける事は難しいかもしれません。
住む場所によって仕事が出来る範囲が限られてしまう可能性があるからです。
しかし副業的に教える仕事をしたいという条件付きであれば、ネットを利用して自宅から教える事も可能でしょう。
更にどこかのビルの一室を借りて仕事をするという方法もあります。
結局は、将来ものを教えるという仕事をいつ頃からやりたいのか時期と仕事方法をある程度具体化した上で、住まいをどうするのかを考えた方が良さそうです。
そして一番考えなくてはいけないのは、将来やりたい事に関してどこまで本気なのかという事です。
ここで目的を具体化した過去の記録類があれば最高の働きをしてくれる事になります。
①記録が残っているという事は、その人がその思いや目的に対して本気だという証拠
②本気だという証拠があるので、居住先を決める時に優先順位を確認しながら進める事ができる
③周りの人が証拠を見て納得できる。結果居住先を決める流れがスムーズになる。
子供が出来たら落ち着いた環境で育児したいという家族の場合
この思いが父親母親どちらの思いが強いのかにもよりますが、この落ち着いた環境というのをもう少し掘り下げてみましょう。
なぜ落ち着いた環境を希望しているのでしょうか?
その答えこそが真の目的です。
①そこそこの教育環境が整った子育てしやすい街に住みたい
②幹線道路から離れた閑静な住宅街で、近所を散歩しながら伸び伸びとした子育てをしたい
③庭でBBQや家庭菜園など家族で楽しみたい
否定的意見を受け止めるぐらいの器を持とう
賃貸か持家かという賛否両論の意見がある時に、どうしても自分にとって不利な正反対の意見を聞くとどうしても嫌悪感が出てしまいます。
私はそれも全然アリだし誰しも思ってしまう事だと思っています。
でもそこで感情的になって相手の意見を抑えつけようとするだけでは、何の問題解決にもなりません。
それは、否定的意見を押さえつける事があなたの目的ではないからです。
あなたの目的は、自分の意見や主張を少しでも相手に分かりやすく説明して納得してもらう事なのです。
そして納得してもらう為の切り札として、目的を数値化・見える化して記録したものを相手に見てもらうと、一気に形成逆転です。
そしてあなたの目的の達成の為に一歩前進する、この繰り返しです。
ここまでして全く受け入れてくれない相手の場合、そもそも相手側の目的が全く意味のないものかもしれません。
もしくは今の段階においては、無理に相手に説明しない方が良いという考え方もできます。
双方にとってある程度の時間が必要な場合もあるのです。
まとめ
賃貸と持家のように物事のメリットデメリットを挙げるだけでは意味が無い
メリットデメリットから、自分はどうしたいのか将来どうなりたいのかの目的を具体的に考える事がポイント
その目的を数値化・見える化して記録に残してみる
そこまで行動できていたら、その思いは本気・本物だという何よりの証拠