このブログではサレンダー橋本氏原作の著書「働かざる者たち」のあらすじとネタバレをご紹介します。
オールドメディアで斜陽産業と揶揄されている新聞社に勤めるエンジニア「橋田」が、周りの仕事をしない人々と交流して何かをつかむ(かもしれない)漫画です。
世の中に仕事がバリバリ出来る人の本やドラマはかずあれど、仕事をしない人をターゲットにしたお話は珍しいのではないでしょうか。
①働きアリの法則のように、会社規模が大きくなればなる程仕事をしていない人(特に上司に多い)が増えていく
②しかしその仕事をしていない人でも、過去には前向きに仕事をしていた時期があった
③仕事をしていない人は給料泥棒と言われているが、社内には本当に犯罪行為をしている本物の「泥棒」が居る事も。そういう人には絶対近づいてはならない
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働かざる者たちのあらすじとネタバレ
原作に登場する働かない人たちの紹介(ネタバレを含みます)
技術局システム部「橋田」(主人公、入社2年目) | 毎産新聞に入社2年目のエンジニアであり、サクリファイス橋田というペンネームで仕事中にもギャグ漫画のネタを考えている兼業漫画家。 社内の働かない人と交流していくにつれ、自身の考え方や働き方にも変化が生まれてくる。 販売一部次長の「風間」の働き方を見習おうとするが・・・。 |
技術局工程部「八木沼」(入社25年目) | 仕事よりもコンパに精を出す働かないアリの象徴的存在 定時上がりをモットーとしていて、こんな俺にも居場所がある内はこの会社は余裕があると、炭坑のカナリヤ気取りな人 |
印刷部「山中」(入社15年目) | スマホゲームでレアキャラ獲得に精を出す、ちょっと強面の人 ただしいざというときには頼りになる事も!? 過去に機械に挟まれて小指を失っている |
人事部「川江」(入社6年目) | 「私高卒ですよ?」が口癖な、原作で登場する唯一の紅一点 仕事に集中できない橋田に漫画の事をアドバイスするが、実はキャバクラで副業している二面性のあるお方 |
販売一部次長「風間」(入社25年目) | 橋田に対して社内で珍しく優しく接してくれる、他人に仕事をさせる事でのし上がってきた働かないで出世する典型的な上司 橋田を呑みに誘うなどしていたが、それには大きな目的があった 過去の自分の不正をもみ消そうと橋田に社内データの抹消を指示するが・・・ |
沼ヶ原通信部「堀」(入社28年目) | 地方局在住でローカルニュースを記事する記者 その昔現在の多野局長と一緒に仕事をしていたが、パワハラでつぶされた人 今回特ダネの為に多野から連絡がある |
働かざる者たち、前半のあらすじとネタバレ
入社2年目の橋田は兼業で同人誌の漫画を描いていますが、仕事にも漫画にもどっちつかずの状態が続いています。
漫画1本でやっていく度胸もなく、かと言って仕事にプライドをもってやっている訳でもない。
周りを見渡すと橋田の上司「八木沼」は仕事中もネットばかりで、定時であがるとすぐにキャバクラに向かう仕事が出来ない上司です。
ある時ウィキペディアおじさんという仕事をしていない人と出会いますが、このおじさんは過去に校閲部のエースだったのです。
橋田の上司「八木沼」も、大学時代はイスラム関係の研究をしていて何冊か著書を出している凄い人だったのです。
今仕事をしていない人でも昔はバリバリ活動していた事もあり、さまざまな理由があって今に至っていると橋田は知ります。
ある時副業で漫画を描いている事を人事部の「川江」にバレてしまいますが、川江は逆にそのみっともない自意識を捨てて読者を楽しませる姿勢を見せないと!と語ります(笑)
むかついた橋田ですが、川江の言っている事を素直に漫画に取り入れてみると意外と人気が出てきました。
自分の漫画に自信がついてきたのですが、川江がこっそり知り合いの編集者にその漫画を見せると「これは100パー売れねぇわ」との事。
原作の最初から仕事をしない人がどんどん登場してきます。
もちろん一生懸命仕事をしている人も登場するのですが、原作で描かれている約8割は仕事をしない人にスポットを当てています。
ただ今では仕事をしない人でも、過去にはバリバリ仕事をしていた時期があって、さまざまな理由でこうなっているという事実も知ることによってその人に対するイメージはかなり変わってくるのです。
スマホゲームばかりしている「山中」も、過去に回転機に挟まれ小指を無くしてしまう悲しい事故にあっている事を橋田は知って、目の前の仕事にもっと向き合ってみようと決意します。
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働かざる者たち、中盤のあらすじとネタバレ
新たに赴任した技術局長の「多野」
多野はコスト削減を理由に、突然システム部門を子会社化します。
「金の稼げない部署には船を降りてもらう」とまで言われてしまい、橋田はこの仕事を続ける意味があるのかと悩みます。
そんな時、販売一部次長「風間」と仲良くなり、次第に行動を共にするようになります。
働かないで出世する事に共感した橋田ですが、ある時風間と一緒にある場所に連れていかれます。
それは社内のサーバルーム。
そして風間からある事を言われます
風間「過去の販売部数のデータを消せ!」
橋田を押さえつけながら無理やりやらせようとしたときに、上司の八木沼が現れます。
八木沼が言うには、風間は過去販売店に売れない新聞を押し付け、その差額を自分が利益として受け取っていた不正行為を行っていたのです。
いわゆる「押し紙問題」です。
そういう犯罪行為をしてしまった風間ですが、入社当初は記者志望であり、販売局に配属されてからも時間の合間で記事を書いていました。
しかしいつまでたっても記者にはなれなかった、そんな過去があったのです。
システム部門を子会社化されて周りからもサポートさんと呼ばれるようになった今、今の仕事を続けていいのかどうか・・・、橋田が深刻に悩んでいる時に風間と出会ってしまった事が不幸のはじまりでした。
他人に仕事をさせる事で飯を食う、いわば不労所得みたいなことを社内で堂々をやっているのが風間であり、過去に販売店に新聞を押し付けていた大問題の人です。
見た目だけでは判断できない、そこが人間の奥深さなのかもしれません。
働かざる者たち、後半のあらすじとネタバレ
ダメ元で申請していた有給が認められ、旅行ついでに保養所のパソコンを直してきてくれとお使いを頼まれた橋田。
そこには入社28年目の沼ヶ原通信部「堀」が居ました。
今でこそ地方のローカルニュースを記事にしています、若い頃はあの「多野」と一緒に政治ネタを記事にするぐらいの最前線の記者だったのです。
しかし多野からの猛烈なプレッシャーに耐え切れずネタを捏造してしまい、1か月の定職処分となり地方の沼ヶ原通信部に異動させられた過去があったのです。
ある時、堀が若いころ懇意にしていた共進党の「若村」が新党を結成するとの噂が流れ、社内でもこれはスクープだと盛り上がります。
しかし誰も裏(証拠)が取ることができません。
そこで多野は以前堀が若村と懇意にしていた事を思い出し、久々に堀に連絡を入れます。
そして裏を取ってこい!そうすれば本社に戻れるかもしれないぞ!と言ってきます。
迷った堀・・・
しかし堀は動きませんでした。
今の堀にとって大切なものは、地域で懸命に生きる人の人生に光を当てる記事にこそ、記者としての魂を込めていたのです。
これからも沼ヶ原通信部のたった一人の記者として生きる道を選んだ堀でした。
新天地の大阪でどのような仕事が待っているのでしょうか。
不安と期待が入り混じる中、橋田係長の顔はやる気に満ち溢れていました。