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工事開始から20年経っても開通しない高速道路「今治道路」今どうなってるの?

20年経っても開通しない今治道路の現状

日本全国で今も高速道路の建設が相次いでいますが、ここ愛媛県では事業着工から20年以上経過しても開通する目途すら立っていない高速道路があります。
それが「今治小松道路」、通称今治道路です☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

今治道路と言われるとピンとこない人も多いと思いますが、広島県尾道市と愛媛県今治市を結んでいるしまなみ海道から今治市街方面に行く高速道路部分になります。
四国の高速道路を赤線で示してみましたが、本州からしまなみ海道を渡って四国に着いても、この部分が未開通なので一度一般道に降りるしかないのです☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

未開通区間は約10km(今治湯ノ浦IC~今治IC)、ここが開通するとしまなみ海道への往来が一気に便利になるんですけどね。
今治湯ノ浦ICが共用開始されたのが2001年ですので、かれこれ20年以上も前のことです。

先日愛媛新聞で今治道路建設の進捗状況が報道されてましたが、2022年時点で67%だそうです。

20年経っても67%しか進んでいない!

単純計算すると10年で33%ぐらいの進み具合なので、残り33%仕上げるに10年かかる計算になります。

私はこの遅さを揶揄して日本の高速道路版「サグラダ・ファミリア」と勝手に呼んでますが(笑)、そんな今治道路の建設状況は今どうなってるのか実際に現地を訪問して写真を撮ってきましたので、いろいろご紹介したいと思います。

スペインのサグラダ・ファミリア
※本物のスペインのサグラダ・ファミリアは、着工してから140年以上経過しています。さすが本家は違いますね!

今治道路の現在の状況をざっとまとめるとこんな感じ☟

・今治湯ノ浦ICから今治朝倉IC(仮称)までの5.7kmは基礎工事は完了

・今治朝倉ICから今治ICの5.6kmは全く工事着工してない区間もある

・用地買収が二転三転し、計画もいろいろ変更になったことが遅れている原因。
本当にあと10年かかるかも!?

・【速報】2026年度に今治湯ノ浦IC~今治朝倉IC(仮)5.7kmが開通する見通しだと発表された

※2023年4月時点の情報です


開通までに30年かかりそうな遅さの「今治道路」今どうなってるの?

今治湯ノ浦ICから先の状況

では今治湯ノ浦ICから今治ICまでの建設状況を順番にご紹介していきましょう。
現在の今治小松道路の終点ICです☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

休暇村近くにある展望台から撮った写真です。
手前に進むと終点の今治湯ノ浦ICです☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

近くの山の上から眺めてみました☟

20年経っても開通しない今治道路の現状 20年経っても開通しない今治道路の現状

今治湯ノ浦IC先の工事が進められています。
この先もかなり工事が進んでいて、山の「のり面」工事や道路本体の工事はほぼ終わっているようです☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

そして写真の右側に行くとトンネルに入ります☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

トンネル自体は貫通していますので、出口側に移動してみます。


トンネルから今治IC方面へ

20年経っても開通しない今治道路の現状

今治湯ノ浦ICを過ぎてトンネルを抜けた先の風景です。
真新しい綺麗なトンネルが出来ていて、普通に通行できそうな雰囲気なんですよね。
この先に出来る今治朝倉ICまではかなり順調に工事は進んでいて、がんばれば1年ぐらいで開通するんじゃないかぐらいの進捗状況となってます☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

この近くにあるタオル美術館の裏手の山「笠松山」から眺めてみました☟

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所々繋がっていない箇所はあるものの、ほぼ出来上がっている状況なのです。
今治湯ノ浦ICから今治朝倉IC区間に関してはいつでも開通できるぐらいの状況ですが、おそらくこの区間だけの開通はないようですね。

しまなみ海道の今治ICと今治湯ノ浦ICが完全に繋がるまでは、道路としての開通はしないでしょう。

改めて笠松山から今治道路を眺めてみます☟

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ではこの先に建設予定の今治朝倉IC付近へ移動してみましょう。


今治朝倉IC付近の状況

20年経っても開通しない今治道路の現状

実はこの周辺は2021年から急に工事が加速したエリアなんですよ。
日中は常に警備の人が居て大型トラックが頻繁に出入りしています。

今治朝倉IC付近には、今治道路の看板が設置されていました☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

しかし、いつ完成予定なのかは一切記載されていません。

IC自体の工事は全くはじまっていませんが、写真で見るように広大な敷地がありますので、ここに今治朝倉ICが出来るのはほぼ間違いない状況です☟

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ちなみにICから真っすぐ進むと今治市街方面へ行くことができます。
国道196号線と既に繋がっています☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

ここまでの建設状況を見ると順調に工事が進んでいるように思えますが、実は問題なのがここから先なんですよね。


蒼社川から先の工事がほとんど進んでいない

20年経っても開通しない今治道路の現状

今治朝倉IC周辺は結構工事が進んでいるのですが、この先に2級河川「蒼社川」があります。
蒼社川の上流には玉川ダムがあって、近くには鈍川温泉など観光名所もありますが、この蒼社川から先の工事がほとんど進んでいません。

2021年になってようやく橋げた工事がはじまりました☟

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20年以上経過してようやく高架橋の橋脚工事がはじまったんですね。
蒼社川には橋脚だけが寂しそうにポツンと佇んでいます☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

橋脚自体はかなり前に完成していましたが、道路本体を完成させてしまうと維持費などメンテナンスにお金がかかってしまいます。
橋脚の上に道路が完成するのは今治道路全体の完成時期が分かり次第になるでしょう。

そして蒼社川の先にある丘を越えるとしまなみ海道と合流しますが、工事は全くはじまっていません☟

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この周辺はかつて住宅街でしたが、今治道路建設予定地に入っていたので、用地買収されたようです。
かつての民家のブロック塀が残っています☟

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立ち退いた住民の人も、まさかここまで建設が遅れるとは思わなかったでしょうね。
今治道路建設が遅れた原因として用地買収が進まず計画が二転三転したらしいのですが、全体の用地買収はどうなっているのかは発表されていません。

日本各地の高速道路建設において、用地買収計画がいかに大切なのかが分かります。


しまなみ海道から今治道路建設先を眺めてみる

20年経っても開通しない今治道路の現状

ではしまなみ海道側から建設予定地を眺めてみましょう。
現在の終点「今治IC」付近の様子ですが、工事は全くはじまっていません。

ただ建設予定の用地自体は確保されているようで、写真で示すとこのような感じで高速道路が建設されます☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

林の中を突き抜けると先ほどの用地買収された住宅街に抜けます☟

20年経っても開通しない今治道路の現状

20年経っても開通しない今治道路の現状

松山や香川徳島高知方面へ行く人は今治ICで一旦降りなければならないので、すごく手間なのです。
たった10kmが完成していないだけですが、途中には信号も多数ありますので、特に遠方から観光に来た人は高速道路が完全に出来上がるのが待ち遠しい状況ですよね。

今回ご紹介した写真だけで見ると今治道路は80%ぐらい完成してそうな感じですが、実際は70%も完成していません。
本当にあと10年ぐらいかかってしまうかもしれませんが、長い目で暖かく今治道路を見て頂ければと思います(笑)。

次の今治道路記事更新は5年後ぐらいを予定しております(笑)。
その時までに今治道路が完成していればいいのですが、あまり期待せずにお待ち下さい。

以上「工事開始から20年経っても開通しない高速道路「今治道路」今どうなってるの?」でした。


【速報】2026年度に湯ノ浦~朝倉ICが開通する見通し

2023年4月26日に国土交通省松山河川国道事務所は、今治小松自動車道の未開通区間今治道路の「今治湯ノ浦IC~今治朝倉IC(仮)」の5.7kmについて、2026年度に開通する見通しになったと発表しました。

結局一番工事が進んでいる区間だけ先行開通させるようですね。

開通後は暫定片側1車線で供用を始めるとのこと。
まあ暫定とはいえ今治小松道路のほとんどの区間は今でも片側1車線なのですが。

今後今治朝倉IC(仮)付近の工事も一気に進むと思われますので、随時記事と写真を更新追加していきたいと思います。

2001年に事業着手してから足掛け25年でようやく5.7kmが開通する見通しとなった今治道路。
残りの5.6km区間(今治朝倉IC(仮)~今治IC)の開通時期は今の所不明です。

全体の工事の進捗状況は67%みたいで、私が最初に記事を書いた時と全く変わっていません!

どうか皆さんも温かい目で見守って頂ければと思います。

20年経っても開通しない今治道路の現状
ぜひお気軽にどうぞ!