愛媛県大洲市は伊予の小京都と呼ばれていて、日本百名城「大洲城」やミシュラン一つ星の「臥龍山荘」など歴史情緒溢れる街です☟
大洲城の城下町が今も残っていて商家や武家屋敷などが立ち並び、NHKやフジテレビのドラマの舞台になった「おはなはん通り」は観光客に人気があります。
その通りから少し歩いた所に、約100年前に建てられた別荘が新しく観光名所として公開されました☟
大洲市·盤泉荘
フィリピンのマニラで貿易会社を経営していた人が故郷に建てた別荘
和風建築ですがフィリピンの木材を使ったり最上階に当時は珍しいバルコニーが設けられる等個性ある建物です pic.twitter.com/YdryJB2YR2— びるまち💙💛 (@BIRUMACHIOSAKA) March 20, 2022
盤泉荘(ばんせんそう)です。
フィリピンマニラの貿易商「松井國五郎」によって1926年に建てられました。
数年前まで実際に住民の方が居住していましたが、大洲市により建物がリニューアルされて観光名所として生まれ変わりました。
大洲市の有名な別荘といえば、大洲藩主「加藤泰恒」の遊勝地で明治の貿易商「河内寅次郎」が建てた臥龍山荘が有名ですが、この盤泉荘も同じくらい見どころのあるレトロな建物でした。
今回この盤泉荘はどのような別荘なのか詳しくご紹介します。
2022年時点でじゃらんやるるぶなどの観光案内雑誌にも紹介されていないのですが、私個人的にはかなりおススメですよ。
臥龍山荘から歩いて10分かからないぐらいなので、ぜひ城下町散策とセットで観光してみてはどうでしょうか。
大洲市の新観光名所「盤泉荘」を詳しく紹介!
あさもや駐車場から歩いて10分以内
盤泉荘には専用の駐車場はありません。
一番近い駐車場は臥龍の湯近くの観光第2駐車場(無料)で、歩いて数分です。
「道の駅あさもや」の駐車場(無料)も城下町散策の拠点で30台以上駐車できます。
あさもや駐車場から国道56号線と反対方向に歩くと大洲神社が見えてきますので、そこを右に曲がります(国道441号線を真っすぐ進みます)。
道路に盤泉荘の案内看板がありますのでそこの小道を右に入っていくと到着です☟
立派な石垣と日本庭園がお出迎え
まず見えるのが立派な石垣です。
あとでご紹介しますがこの盤泉荘は木造3階建で当時から地域のランドマーク的存在でした。
2階からは清流肱川や花の名所冨士山が一望できます。
ただこの肱川、大雨の度に度々氾濫していて盤泉荘がある周辺住宅も浸水被害にあっています。
施主である松井國五郎がこのことを知っていたのかは分かりませんが、例え肱川が氾濫したとしてもこれだけ高い石垣だと住宅も浸水しないでしょう。
景観と浸水被害防止の為の石垣があったからこそ、100年前の住宅が今でも綺麗に保存されていたんですね。
ちなみにこの石垣、現地周辺で採取されたものをX状に積み上げていて、お城の石垣とは少し違った印象なのです。
建物との調和やデザイン性を重視した造りを間近で見ながらスロープを登っていくと見えるのが日本庭園です☟
臥龍山荘もすばらしい日本庭園がありますが、ここにはライオン像や施主のイニシャル「K.M」が刻まれた瓦などが見どころです。
この盤泉荘の中に入るには有料で、大人550円、子供が220円です。
ではさっそく建物の中にお邪魔してみましょう。
盤泉荘1階
中がとにかく広いんですよ。
奥まで見通せるように襖が全て開いていましたが、明るくて解放感のある座敷です。
横の廊下の板は、フィリピン産の太平洋鉄木と呼ばれるくらい重さや硬度がある南洋材イピール。
長大な一枚板が20枚連続している廊下は圧巻です☟
廊下横からは冨士山や肱川が一望でき、ガラス窓も大きく日差しがたっぷり差し込んできます。
客人をもてなす大広間。
荘厳な座敷飾りが目を引く伝統的な書院造です。
盤泉荘には中庭もあって、座敷から眺めることもできます。
では階段を登って2階に行ってみましょう。
盤泉荘2階
2階は比較的こじんまりした座敷があります。
1階からの展望も良かったのですが、2階には日本家屋には珍しいバルコニーがあるんですよ。
そこには椅子が2つ設置されていて、実際に座ることもできます☟
肱川と冨士山の展望が広がっている特等席です!
残念ながら大洲城は見えませんが、夏になると肱川で行われる鵜飼や花火大会を鑑賞できそうです。
外にあるのは展示蔵
盤泉荘にある日本庭園を挟んで向かい側には小さな蔵があります。
その蔵の中は展示室になっていて、貴重な写真や鞄などが見れます。
2階もあるようですがその時は立ち入り禁止でした。
大洲城の城下町には「おおず赤煉瓦館」「おはなはん通り」「ポコペン横丁」「臥龍山荘」など、明治から昭和にかけてのレトロな通りや建物があって情緒ある歴史文化に触れることができます。
レトロな建物は中に入れなかったり写真撮影が禁止されている場合も多いのですが、今回ご紹介した盤泉荘は写真撮影はOKです。
伊予の小京都「愛媛県大洲市の新レトロ観光名所「盤泉荘」はこんな所!駐車場や見どころまとめ」でした。