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【サザエさんの波平は体罰行為でアウト!】子供がいたずらしたので、長時間正座させた⇒体罰です!【厚労省の検討会より】

体罰

2020年4月から施行される「改正児童虐待防止法」。

これには親権者や里親らによる体罰禁止規定があるのですが、厚生労働省の有識者検討会が18日、具体的にどんな行為が体罰に当たるかを示した指針をまとめました。

今までなら親のしつけで済まされていた行為が、これからははっきりと「体罰」に分類されるのです。

ではそれらの行為とはどのようなものなのか、ご紹介したいと思います。

はっきり言ってしまえば、これからはアニメサザエさんのお父さん「波平」のカツオに対する躾は、明確に体罰になるという事です!

ポイントは3つです。

①いたずらして長時間正座させたり、宿題しないから夕飯抜きは体罰!
②体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっている
③子どもの気持ちや考えに耳を傾ける事で、親のイライラも少なくなるでしょう!と厚労省の検討会が言ってます

体罰の具体例がはっきりと示された厚労省検討会のその内容とは?

具体的な体罰の事例とは

正座

では今回厚労省の検討会で具体的に体罰だと示された事例をご紹介します。

・ 言葉で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた
・ 大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた
・ 友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った
・ 他人のものを取ったので、お尻を叩いた
・ 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった
・ 掃除をしないので、雑巾を顔に押しつけた

頬を叩いたとか殴った以外でも、夕ご飯を与えないなどの、子供の身体に何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、 どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されます(検討会より)。

親との約束を子どもが守れなかったので、ご飯抜きもアウトでしょうね。

これがおやつ抜きならいいのかどうかはまた微妙になってくるのですが・・・。

これによると、国民的アニメサザエさんの「波平」は立派な体罰行為という事になりますね!

クレヨンしんちゃんでも、お母さんのみさえがしんちゃんの頭をグリグリするシーンがありますが、あれも体罰になってしまいます・・・。

今まで国がこのような具体的な事例を示す事はなかったのですが、私の個人的な感想としては

これからの子育ては大変!

日本の子育ては、親の懲戒権に委ねらえた面が大きい事もあり、国や行政が今まで「あえて」口を出さなかったのです。

以前私のブログで紹介したのですが、成人した子供が親のカネを盗んでもそれによって子供が刑を受ける事はまずありません。

これは刑法244条1項「親族相盗例」という法律がからんでいるのですが、ここでも親の「懲戒権」で家庭の揉め事は対処すべきだとする考え方が強かったのです

成人した子供が親のカネを盗んだ場合→子供は刑を受けません!【刑法244条1項、親族相盗例】

ただし、この親の懲戒権が強すぎる為に子供が虐待を受けたり、死亡したりする事例もあるのです。

今までは躾と称した体罰がまかり通っていたのですが、これからの時代はそのような躾は社会的に通用しないという訳です。


体罰等が子どもに与えるさまざまな悪影響

体罰

厚労省の検討会では、なぜ体罰がダメなのかも明記されています。

体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっており、体罰等が繰り返されると、心身に様々な悪影響が生じる可 能性があることが報告されています
例えば、親から体罰を受けていた子どもは、全く受けていなかった子ど もに比べ、「落ち着いて話を聞けない」、「約束を守れない」、「一つのこと に集中できない」、「我慢ができない」、「感情をうまく表せない」、「集団で行動できない」という行動問題のリスクが高まり、また、体罰が頻繁に行われるほど、そのリスクはさらに高まると指摘する調査研究もあります
また、手の平で身体を叩く等の体罰は、親子関係の悪さ、周りの人を傷 つける等の反社会的な行動、攻撃性の強さ等との関連が示されており、またそれらの有害さは、虐待に至らない程度の軽い体罰であっても、深刻な身体的虐待と類似しているとする研究結果も見られます
このような虐待や体罰、暴言を受けた体験がトラウマ(心的外傷)となって、心身にダメージを引き起こし、その後の子ども達の成長・発達に悪影響を与えてしまいます

体罰を受けて育った子供が、大人になってその子供に体罰をしてしまうという話を聞いたことがあります。

子供の頃に親から受けた影響というのは「一生」続く為、教育・躾・礼儀作法全てにおいてその子供の人生を左右していくのです。

そして「体罰」を受けてしまった子供は、その悪影響が以後も強く出てしまう可能性があると指摘されています。

 

ここで一つ疑問が出てきます。

じゃあ子供が親の言う事を聞かなかった時はどうするのよ?

これに関しても検討会ではいくつかのポイントが示されています。


子どもとの関わりの工夫 をしてね!と厚労省検討会からの助言だが・・・

虐待防止

では子供が言う事を聞かなかったりした場合、どうすればいいのか、検討会からのアドバイスをご紹介しましょう!

出かける時間になっても支度をしない「出かける時間だね。そろそろこの服に着替えよう」 (着替えられたら)「自分でちゃんと着替えられたね。じゃあ、次は カバンを持ってきてね」

やることを区切って、やりやすいことから具体的に伝えましょう。また、できたことに注目してそれを伝える(できれば、「自分で頑張って着替えられたね」と具体的に褒める)ことも有効です

座ってほしいときに座ってくれない「床か、この椅子か、どちらかに座ってね」

子どもにも意思があるので、指示されてばかりだと、反発したくなることもあります。特に自分でやりたい、という自我が芽生える幼児期 は、子どもが選べるように複数の選択肢を提示して、子どもの意思を尊重するのも一つの方法です。

よく忘れ物をしてしまう「忘れ物を減らす方法を一緒に考えよう

望ましくない行動があるときに、それを批判するのではなく、その行動に関係しそうなことを変えてみることもできます。例えば、忘れないように、大事な持ち物は「玄関の真ん中に目立つように置いておく」、「持ち物リストを作って見える化する」等の工夫があります

私がこれを見て真っ先に思いついたのが・・・

褒める子育てです

欧米では子供の権利が大人同様認められていて、社会全体で子供を育てていくという流れになっています。

その結果子どもの権利を第一に考える欧米では、例えばドイツでは年間1万件超イギリスでは年間平均5万件近くの親権停止措置が取られています。

これが日本だと年間100件あるかないかぐらいですから、欧米と日本の差がはっきりと出ています。

 

ただこの褒める子育て・・・子供の気質や性格によって合う合わないがあるんですよ。

自己肯定感が高い子供には「褒める子育て」は通用しない?親が子供のブレーキ役になるその訳とは?

昭和時代の子育てでは、親が子供に対して叱ったり叩いたりするのは当たり前で、子供が泣き叫ぶ事も日常の光景でした。 時代は変わって平成の時代になると、少子化の影響もあっていわゆる「褒める子育て」というのが有名になりました。 我が家の場合も褒める事を中心に子育てをしてきたのですが、中学生になった今では明らかに間違いだったな・・・と感じてしまう場面が出てきてしまいました。 …


しかし褒める子育てがダメなら叱ればいいという風にはならない事もポイントなのです。

ブログ内でご紹介している事は、自己肯定感が強すぎる子供に対して叱ってしまうとますます親の言う事を聞かなくなるという現実問題です。

 

今回厚労省が「体罰等によらない子育てのために(素案)」に関する御意見の募集を行った所、体罰に対して肯定的な意見も多くあったようです。

・人の物を盗んでお尻を叩く等は、立派な躾になるため、体罰禁止には反対である。体罰を受けたすべての人が悪影響を及ぼす訳ではない

・自分で痛みを知らない人間は他人の痛みを理解できない

私もすごくこの気持ち分かるんですよ。

ただ私自身は親から叩かれたり、殴られたりの体罰を受けた事は一度もありません(苦言を言われた事はありますが・・・)

なので私の子供にも過度に躾を強要する事はありませんね。

妻はそんな私の考え方は「甘い!」と思っているようです。

もちろんこれは家庭によりいろいろな考え方があるでしょうが、国が今回明確な体罰行為を定義した結果、今まで見過ごされてきた親の行為が今後法律に基づいて処罰される可能性が出てきたという訳です。

厚労省のアドバイスは理想論のような気もしますが、将来を担う大切な子供の権利を守る為に、国や行政が家庭に踏み込んでくる事例が今後増えてくると予想されます。

以前体罰を法律で禁止したスウェーデンでも、長い年月をかけて体罰の無い社会になってきたそうです。

「日本でも昔は体罰が当たり前の時代があったんだよ」

「へえ~知らなかった」

そんな会話が日常にあふれる時代が来るのか来ないのか・・・。

私たち大人の本気が試されています。

 

どうもありがとうございました。

体罰
ぜひお気軽にどうぞ!