「京の蛙と大阪の蛙」のあらすじ
京に住んでいた蛙がある日大阪見物をしたいと思い、大阪に向けて出発した。
同じ頃大阪に住んでいた蛙が京見物をしたいと思い、京に向けて出発した。
大阪に向かっていた蛙と京に向かっていた蛙は、その中間地点である天王山の頂上でばったり出会った。
2匹の蛙はお互いが住んでいる大阪と京の話をした。
話が盛り上がるにつれて、一刻も早く大阪や京の風景を見たくなった2匹の蛙。
大阪に向かう蛙は大阪方面を、京に向かう蛙は京方面を、天王山の頂上から眺めてみる事にした。
しかしいくら眺めても、自分が住んでいる故郷と何ら変わる事の無い風景が広がるばかり。
2匹の蛙「なんだ、噂に聞く程全然たいしたことないじゃないか。もう疲れたし引き返そう」
お互いに別れを告げて、2匹の蛙はそれぞれの故郷へ帰っていった。
しかし2匹の蛙が天王山の頂上から眺めた先は、実は自分自身の故郷の風景だった。
京に住む蛙は京の風景を、大阪に住む蛙は大阪の風景を見ていたにすぎなかった。
相手の話やアドバイスを聞く時に注意する事
日常生活において、相手の話を聞いていたつもりになっていても結果的に耳に入っていなくて失敗した!という事がありますよね。
買い物を頼まれた際、相手の欲しい物と違うものを買ってしまった
掃除を頼まれた際、細かい所まで掃除できていなかった
職場において新しい方法を教わったけれど、後日その方法を忘れたり別の方法を実施してしまった
ポカミスやケアレスミスとも呼ばれている現象です。
この原因にはさまざまあるのですが、突き詰めると私たちの集中力が低下した時に発生する可能性が高いです。
この蛙の話でも、なんとか中間地点である天王山までたどり着いて蛙は心身共かなり疲れているはずです。
疲れている時にほっと一息ついていると、当然集中力は落ちます。
その集中力が落ちた状態で相手の話を聞くと、細かい部分や曖昧な部分を見過ごしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
また集中力が落ちていると、相手が話をしている途中で自分の中で結論や結果を頭の中で早々に判断してしまう事もあるでしょう。
そのように相手の話を最期まで集中しないで聞いてしまう事は、かなりのリスクを伴うことになります。
人間の集中力には限界があり、最初から最後まで集中して出来る事はどうしても限られてきます。
また個人によっても集中できる時間は違うでしょうし、体が疲れている時や早朝や深夜など時間帯によっても集中できる度合いは全く異なってきます。
そこで相手から何かを依頼された時や新しい方法を教わった時は、必ず再確認する事がポイントです。
買ってくるものは、〇〇と〇〇でいいよね?
つまり〇〇という事ですね?
ここで再確認する時の注意点として、具体的に相手に確認する事がポイントとなります。
買い物を頼まれたのなら、どの店でどれくらいの価格のどのメーカーの物を買えばいいのかまで具体的に聞いておけば、そうそう失敗する事はないでしょう。
職場において新入社員が先輩社員からいろいろ教わる時にも、相手の伝えたい事と自分が理解した内容が全然違っていた!という話も良く耳にします。
そういうお互いにとっての勘違いや認識のズレを防ぐ為にも、相手に再確認する事で大半のトラブルは防ぐ事ができます。
メモをとる事も大変有効で、文章として見える化する習慣を付ける事で更にトラブルは減るでしょう。
相手に再確認すると言う事は、時間が余計にかかりますし相手にとって迷惑なのでは?と考えてしまう人も居ると思います。
しかし相手からの話を曖昧なまま自分の頭の中だけで判断してしまい、その結果取り戻す事ができない失敗をしてしまう事もあります。
相手にたった一言二言確認するだけでその失敗を防ぐ事ができるのです。
他人からの伝聞からでは物事の本質は分からない
京の蛙と大阪の蛙の話でもう一つのポイントがあります。
それは相手から聞いただけの事では、本当に自分の知識や力とはならないという事です
大阪の事を何でも知っているという蛙から、京に住んでいる蛙がどんなに時間をかけて話を聞いたとしても、大阪に住んでいる蛙以上に大阪の事を知る事はできません。
京に住んでいる蛙が本当に大阪の事を知りたいのなら、結局自分自身で大阪に行くしかないのです。
そして最終的には大阪に住んでいる蛙と同じくらい住んでみて、初めて同じ立場になれるのです。
実際私たちの生活でそこまで突き詰めて行動する人はなかなか居ないと思います。
ただし勉強やスポーツにおいて、その道をとことん究めた人の話というのはなかなか一般の人には理解されない事がありますよね。
これも蛙の話同様、相手の話の内容を本当に理解する為には相手と同じぐらいの経験や立場や知識があって初めてできる事だと思います。
うろ覚えの知識や分かったつもりになっている人と、その道を究めた人との発言や考え方は似ているようで全く違うのです。
まとめ
相手の話やアドバイスを聞く時は集中して、その後相手に再確認する事でポカミスや勘違いを防止できる
他人から聞いた話の内容を本当に理解するには、相手と同じ立場になる必要がある
以上、寓話「京の蛙と大阪の蛙」でした