2021年の4月から5月にかけて、日本各地の山で遭難者が相次ぎ、亡くなる人も続出してしまいました。
季節外れの寒気が上空に流れ込み、特に標高の高い山では吹雪になってホワイトアウトに近い状況だったようです。
そのような中で登山中にコースから滑落したケースが複数ありました。
もちろん救助された人も居たのですが、こういう山での遭難者に対して向けられる世間の目は昔から厳しいものがあります。
ネットニュースのコメントでも、私の見た感じですが8割ぐらいが批判的、否定的なコメントで占められていました。
運もありますが助かった遭難事案に対して、なぜここまで炎上したり叩かれたりするのでしょうか。
・遭難者の準備不足
・無理な登山を決行
・遭難して救助された人のその後の行動
遭難者が叩かれてしまう3つの理由を考えてみる
遭難者の準備が疎か
遭難者の登山経緯を見てみると、正午から午後にかけて出発したり、地図やコンパス、食料など通常であれば準備すべき登山グッズを持っていなかったケースが多いようです。
まず登山では、よほどの低山ハイキングでない限り朝一から登りはじめるのが基本です。
標高が高い山は天気が変わりやすく、特に午後からは不安定な天気になりやすいのです。
なので日帰りの場合、午後早くには下山できるようなプランを組むのが一般的ですが、遭難してしまったケースでは登山出発が遅かったのが再三見られます。
あと最低限持つべきものを持っていなかったケースです。
地図とコンパス(同様の機能がある時計など)、ヘッドライトや救急グッズ、食料や予備の衣服などを持っていなくて、道に迷いやすい状況や一晩過ごせる装備がほとんど無かったなどです。
そして登山届けが提出されていないことも多く、捜索に必要以上に時間がかかってしまうのです。
山岳保険に入っていない場合も多くあって、遭難後救助隊に発見されたのにも関わらず、多額の救助費用がかかると言って自力で下山するようなケースもあるようですね。
このようにベテランの登山家から見れば、それはありえないだろ~という準備や装備で山に出かけているのです。
そして遭難、、。
周りから叩かれても仕方がない状況を自ら作り出してしまっているとも言えるでしょう。
悪天候でも登山を決行
2021年の大型連休は天気が荒れたのですが、そのような中でも登山しての遭難事故が多発しました。
そしてそのような遭難事故の大半が県外からの登山者だったようです。
長野県の山でも遭難事故が相次ぎましたが、約9割が県外からの登山客でした。
貴重な大型連休、多少天気が悪くてもその後のスケジュールに影響してしまうからと、無理やり登山してしまうその判断はかなり危険だったようです。
通常なら登山中止になるような天候で決行してしまう行為に、周囲から避難されるケースが多いのです。
5月といえば平地には雪は全くありませんし、日によっては汗をかくほど暑い日もあります。
ただし山は別です。
標高によっては吹雪になることもあるので、万全の準備が必要なのです。
しかし最初にもご紹介した通り、装備が万全だったのかも微妙ですね。
遭難者のその後の態度でネット炎上
山で遭難してしまって救助された場合、救助者が記者会見やマスコミの囲み取材をする場合があります。
その一部をテレビで報道する事も多いのですが、まれに問題発言をしてしまう人が居るようです。
少し前の話ですが、遭難の経緯と警官への不満をつづったブログが2017年8月28日に投稿されて、その後ネット上で炎上騒ぎになりました。
この遭難者は自分に非があったことは重々認めつつも、救助時に対応された警察官の態度があまりにも悪く、その内容を記事として投稿したのです。
その記事を一部抜粋しました☟
「さすがに腹が立って色々言い返しましたよ。私だって悪気があって遭難したわけじゃないし、気軽な気持ちで救助を要請したわけではないんです。軽く、喧嘩してしまいました」
と当時を振り返っています。
また、その時救助にあたった警官の態度についても、
「山で遭難した人に対する対応って、もっと優しくなりませんか?普通(略)あんな態度がとれるのって、人としておかしいと思うんです」
そしてブログの最後に
「救助に来てもらっといてこんなこと言うなんて、罰が当たると思うし、失礼にもほどがあるということは重々分かっています」などとした上で、
「あー。ほんと、警察なんて大嫌い!!!」
と締めくくっています。
少し抜粋しただけですが、この遭難者に対してどう思うかは人それぞれでしょう。
ただ一つ確実に言えることは、、
ということです。
山での遭難は救助する側も大きなリスクがあって、2次被害も起こりかねません。
救助にあたった警察官から嫌味の一つや二つは実際に言われたかもしれませんが、その不満を誰もが見れるブログに投稿することは果たして正解だったのでしょうか。
少なくともこの騒動後、世間から山での遭難者に対する目は厳しくなったのは間違いないでしょう。
その事をこの救助された方はどう思っているのか、ぜひお聞きしたいものです。
「私だって悪気があって遭難したわけじゃないし」と投稿されていますが、山で不測のトラブルが起こるのは当たり前の話なのです。
そのようなリスクも計算して準備するのが登山だと私は思うのですが、この方が遭難した時の状況は登山届けは未提出(下山ルートを決めていなかったので)、地図も持っていなかったようです。
現在はユーチューバーとしてご活躍されているようで、炎上騒ぎもあまり本人は応えていないようですね。
以上「【炎上騒ぎ】山の遭難者はなぜ世間から叩かれて非難されやすいのか?その3つの理由」でした。