このブログでは登録販売者試験において高い確率で出題される医薬品や生薬のうち、暗記しずらいものとその効果を50音順にご紹介します。
訳の分からないカタカナ医薬品を覚えるのに苦労している受験生の方は多いと思いますが、過去問を解いていると良く出題される医薬品は絞られてくるのです。
実際私が勉強して重要医薬品に関してはノートに書きながら覚えていきました☟

更に50音順に書いておくことで、勉強中に間違えてしまったりあやふやだった時にはすぐノートを確認することで、医薬品の名前と作用を繰り返し学習する事が出来るのです。
実際2020年愛媛県の登録販売者試験において、ノートに記した医薬品が複数出題されましたので、この方法はイチ押しですよ。
試験の直前勉強にぜひ参考にして下さいね。
なお良く出題される医薬品のうち覚えやすい項目は除いております。
なお今回は医薬品についてご紹介していますが、漢方薬、薬事関係法規・制度、医薬品の適正使用・安全対策など全4回に分けてご紹介していきます。
登録販売者試験で出題される可能性が高くて覚えにくい重要医薬品を50音順にまとめてみた
ア
胃粘膜保護・修復成分
アルミニウムを含むので透析の人は×
スクラルファート、トロキシピドと同じ
水虫用。細胞膜の構成成分の産生を妨げて、増殖抑える
メトヘモグロビン血症リスク
6歳未満の使用×
肝機能改善
体のあらゆる部分に存在
副腎皮質から分泌
体内に塩分と水を貯蓄してカリウムを排泄
血液の浸透圧を保持する
血漿成分が血管から組織にもれ出るのを防ぐ
ホルモンや医薬品の成分と複合体を形成して代謝や排泄をうけにくくする
鎮静成分、依存注意
脳の興奮を抑える
少量でも眠気、酒と一緒に飲むと効果が増強するので注意
依存性は無い
・アルコール→アセトアルデヒド→肝臓で酢酸へ
デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素
ぜんそくリスク有
イ
目薬の抗炎症成分
炎症物質の生成を抑える
プラノプロフェンと一緒
皮膚の角質層ケラチンを変質して角質を軟化、抗菌・抗真菌作用、にきびに
(サリチル酸と間違えやすい、サリチル酸は角質を溶解する、「うおのめ」や「たこ」用)
吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑える、にきびに
皮膚下層にある骨格筋や関節部に浸透、プロスタグランジン産生抑制
貼付剤は2週間以上続けて使用しない
1週間に50g(50ml)を超えて使用しない
15歳未満は×
ぜんそくの人は×
ウ
ツツジ科のクマコケモモの薬
煎薬として残尿感・排尿不快感治療
尿路の殺菌消毒効果
尿量自体は増加しない!
湿疹、皮膚炎、かぶれあせもの緩和
炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化など抗炎症作用
エ
胃の神経刺激
胃の運動を高める
オ
胃腸鎮痛と制酸薬両方の目的
麻酔作用有
妊婦・15歳未満は×、
チョウジ油成分
歯痛の抗炎症
局所麻酔成分
ミカン科のキハダ
苦味の健胃
抗菌抗炎症
カ
頭皮の血管拡張
毛根への結構促して発毛効果
抹消組織でコリン作用
コリンエステラーゼの分解を受けにくくして作用持続
ダイオウを含む大腸刺激瀉下成分
一部が乳汁に移行して胎児に下痢リスク
タンパク質の板状角質細胞と、セラミドを主成分とする細胞間脂質
表皮の最も外側にあって、皮膚のバリア機能
便のかさを増して便を柔らかくする、瀉下成分
米油、抗酸化作用
ビタミンEと組み合わせて使う事が多い
3カ月未満は×
冷感刺激!他にはメントール、ハッカ油、ユーカリ油
知覚神経を麻痺させて鎮痛、鎮痒
・駆虫薬…連用する時は1カ月以上間隔をあける
サントニン | 回虫の自発運動を抑える |
カイニン酸 | 回虫に痙攣、マクリ配合 |
ピペラジンリン酸塩 | 回虫・蟯虫のアセチルコリンの伝達を妨げ、運動筋を麻痺 |
パモ酸ビルビニウム | 蟯虫の呼吸や代謝を抑える |
ク
目薬、抗ヒスタミン抗アレルギー成分
アレルギー性でない結膜炎に対しては無効
肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える
・グアヤコールスルホン酸カリウム
・クレゾールスルホン酸カリウム痰の切れを良くする
気道粘膜からの分泌を促進
結核菌やウイルスには効かない、皮膚の消毒薬
細菌感染を防止する
非麻薬性の鎮咳成分
抗ヒスタミン
くしゃみや鼻汁を抑える
抗ヒスタミン
遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを防ぐ
熱感局所刺激成分で痒みを抑える
※冷感刺激成分はカンフル、ハッカ油、メントール
ウイルスには効かない
ケ
・ケトプロフェン
皮膚の鎮痒、抗炎症、鎮痛成分
非ステロイド性抗炎症成分
副作用で光線過敏症(ピロキシカムと同じ)
ぜんそくリスク有
皮膚の下層にある骨格筋や関節部に浸透して、プロスタグランジン産生を抑える
コ
・合成ヒドロタルサイト
胃の制酸成分
アルミニウムとマグネシウム含むので透析の人は×
アルミニウム脳症とアルミニウム骨症の恐れ
長期運用×
・ゴオウ(牛黄)
ウシ科の結石
強心作用、緊張や興奮を鎮め血液循環を促す
抹消血管の拡張で血圧降下
マツブサ科のチョウセンゴミシ
鎮咳、強壮作用
キク科のベニバナ
抹消の血行促進、鬱血除く
サ
タンパク質と結合して皮膜を形成、皮膚を保護、止血成分
15歳未満の小児で水痘や水ぼうそう、インフルエンザにかかっている時は相談
月経促す、冷え性や血行不良にも良い
<殺虫剤>
有機リン系(ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン) | アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合、働きを阻害 |
ピレスロイド系(ペルメトリン、フェノトリン) | フェノトリンはシラミの駆除で人体に直接使用 |
カーバメイト系(プロポクスル) | アセチルコリンエステラーゼと可逆的に結合 |
シ
自律神経を介さずに気管支の平滑筋に直接作用、気管支を拡張
てんかん注意
脳に軽い興奮を与えて、平衡感覚の混乱によるめまい軽減
・次硝酸ビスマス
腸の止瀉成分
腸内で発生した有害物質を分解
腸粘膜のタンパク質と結合、不溶性の膜
細菌性の下痢や食中毒は×
1週間以上使わない
前庭神経の調節、内耳への血流改善
・ジメンヒドリナート(ジフェンヒドラミンテオクル酸塩)
鎮暈薬、抗ヒスタミン
延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の自律神経反射を抑える
乳汁に移行リスク有
15歳未満でも使ってOK(プロメタジンテオクルは15歳未満は×)
肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助ける
皮膚の新陳代謝を活発、メラニン排出を促す、生成を抑える
・ジャコウ
ジャコウシカの雄の分泌物
強心作用、呼吸中枢刺激で呼吸機能高める
意識をはっきりさせる
緊張興奮を鎮め、血液循環促す
ムラサキ科のムラサキ
口内炎と痔の薬
組織修復促進、抗菌、抗炎症
非麻薬性鎮咳成分
去痰
オオバコ科のオオバコ
目の調節機能や赤血球の形成を助ける
神経機能を正常に保つ
生姜成分で香りによる健胃・発汗作用
消化管内容物中に発生した気泡の分離を促す
ボタン科のシャクヤクの根
鎮痛、鎮痙、鎮静、内臓の痛み止め
ス
細菌感染の結膜炎、ものもらいの化膿症状を改善、抗菌作用
ウイルスや真菌感染には効かない
皮膚の抗菌、細菌のDNA合成を阻害して抗菌作用
セ
大腸刺激性瀉下成分
母乳を与える人は×
胃粘膜保護、修復成分
代謝されてトラネキサム酸に、炎症物質の産生を抑える
血が固まりやすくなるので血栓リスク大
ヒガンバナ科の去痰成分
鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげる、抗炎症
痰の粘り気を弱めて痰を切れやすくする
肌に合わない症状
医薬品のアレルギー、発疹、発赤等の皮膚症状
・トウキ
・ジオウ
血行改善、冷え性、強壮鎮静、鎮痛
ソ
腸管(抹消)でのコレステロールの吸収を抑える
タ
腸内殺菌作用
木クレオソートと違って麻酔作用は無い
直腸内で徐々に分解、炭酸ガスの微細な気泡を発生する
副作用でショック
・タンニン酸アルブミン
たんぱく質と結合して不溶性の膜、腸内引き締め効果と止瀉
細菌性の下痢や食中毒は×
アルブミンはタンパク質なので、アレルギー注意
副作用でショック
チ
鎮咳、延髄の咳中枢に作用
舐めたりかみ砕いて服用
腸管内の異常発酵によって生じた有害物質を吸着
テ
水虫薬、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げて増殖抑える
アモロルフィン、ブテナフィンと同じ
胃粘膜保護、修復成分
肝機能障害リスク有
非麻薬性鎮咳成分
中枢神経に作用
アドレナリン成分、止血効果
ト
胃粘膜を覆って胃液による消化から保護、修復・銅クロロフィリンカリウム
歯肉炎に伴う口臭を抑える
炎症に組織修復
シラミではなくカメムシ目
ナンキンムシとも呼ばれる
胃粘膜の保護、修復成分
結膜充血と疲れ目の改善
ニ
体内にナトリウム(塩分)と水分が貯留、カリウムの排泄が促進
保湿成分
角質軟化作用は無い
幼児は7歳未満
児童は15歳未満
コーヒーや炭酸飲料で口腔内が酸性になるとニコチン吸収が低下
咀嚼剤は噛むことで口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収
・妊娠検査薬
尿中のhCGを検査
実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度が検出感度
月経予定日を過ぎて1週目以降の検査が推奨
早朝尿(起床直後)を採取
ネ
コリンエステラーゼの働きを抑える
目の調節機能
ノ
非麻薬性鎮咳成分
延髄の咳中枢に作用
パ
消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める
胃液抑制効果は無い
副作用で眼圧上昇、緑内障の人は注意
自律神経系の伝達物質産生に重要
目の調節機能の回復を促す
ピ
抗コリン
消化管の運動にはほとんど影響を与えず、胃液分泌抑える
・ピリドキシン(ピリドキサール)
ビタミンB6
口内炎、肌荒れ、
タンパク質の代謝・神経機能の維持
疲れ目の改善、皮膚や粘膜の健康維持
皮膚の鎮痒、鎮痛、抗炎症
非ステロイド
筋肉痛にも
副作用で光線過敏症→ケトプロフェンも同じ
腸粘膜引き締めで、腸粘膜保護
抗炎症
大腸を刺激して動きを活発にして排便促す
目の乾燥感緩和
1日に4000国際単位が摂取限度
皮膚の組織修復
血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要
出血を抑える
リボフラビン
脂質の代謝に関与
皮膚や粘膜機能を正常に保つ
口内炎、皮膚炎、にきびの緩和
たんぱく質の代謝に関与
・ビタミンB12
シアノコバラミン
目の調節機能を助ける
赤血球の形成・神経正常
胃粘膜に含まれていて、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要
・ビタミンC
毛細血管強化
炎症による腫れや出血を抑える
体内の脂質を酸化から守る
メラニンの産生を抑える
鉄の吸収を高める
・ビタミンD
腸管でのカルシウム吸収、尿細管でのカルシウム再吸収促進
くる病防止
・ビタミンE(トコフェノール)
血流改善
脂質の酸化防止(ガンマオリザノールと同じ)
歯周組織の血行を促す
下垂体や副腎系に作用して、ホルモン分泌の調整に関与
コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑える
結膜充血と疲れ目の改善
・ブシ
キンポウゲ科のハナトリカブトの塊根を消毒加工した生薬
心筋の収縮力を高めて血液循環を改善
利尿鎮痛
プロスタグランジンを抑えないので副作用は無い
ビタミンB1
脚気の症状緩和
眼精疲労、肩こり、腰痛改善
たんぱく質分解酵素
鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげる
アドレナリン
鼻粘膜血管収縮で充血や腫れを抑える
・プソイドエフェドリン
アドレナリン
他のアドレナリンに比べて中枢への作用強い
副作用で不眠や神経過敏
パーキンソン治療薬のセレギレンと使うと副作用リスク増
歯槽膿漏の止血成分
・ブロモバレリル尿素
脳の興奮を抑えて痛みを感じにくくする鎮静成分
風邪薬以外にも配合されているので、併用による効果増強注意
出産予定日12週以内の妊婦×
眠気アリ
依存性アリ
抗コリン
胃痛腹痛を鎮める
アナフィラキシーショックに注意
デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素
唾液アミラーゼ
目薬の抗炎症
イプシロンアミノカプロン酸と同じ
ビタミン様物質
ビタミンCの吸収を助ける
鼻の殺菌消毒成分
ニコチン酸の働きによって抹消の血液環境改善
ビタミンEと同じ働き
止瀉薬
腸内殺菌
オウバクやオウレンに含まれる
細菌による下痢を治す
眼の抗炎症
ウイルスや結核菌には効果なし
陽性界面活性剤
石鹸との混合で効果低下
ホ
肝臓におけるコレステロールの代謝を促す
コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成
・ポピヨンヨード(ヨウ素系)
ヨウ素をPVPに溶かせたもの
皮膚の殺菌消毒成分
細菌からウイルスまで効果あり
アルカリ性なので石鹸を良く洗い流して使用
含嗽薬の場合銀歯が変色することも
鎮痛、鎮痒、鎮静
牡蠣の貝殻
炭酸カルシウムによる制酸
マ
・マーキュロクロム
有機水銀
皮膚浸透性が低く通常の使用で中毒無し
ヨードチンキと併用すると殺菌作用低下
真菌、結核菌、ウイルスに効果無し(オキシドール、アクリノールと同様)
主成分である麦芽糖が、腸内細菌によって分解して生じるガスで便通、瀉下薬
アドレナリン成分に似ているが利尿作用もある
腸内容物の浸透圧を高めて便の水分量を増し、大腸を刺激して排便を促す
ム
ほとんどがウイルス性
急性でつっぱりを伴う
イブプロフェンに注意
メ
抗ヒスタミン
鎮暈薬
他のヒスタミン成分より、作用が遅く持続が長い
アドレナリン
抗ヒスタミンだが抗コリン作用もある
風邪薬、鼻炎に
アドレナリン
モ
利尿作用
ヨ
抗コリン
くしゃみや鼻汁を抑える
・ユビデカレノン(コエンザイムQ10)
心臓肝臓などのあらゆる臓器に多く存在
ビタミンBと共に働く
15歳未満のものは無し
食品に含まれている場合もある
使用して2週間ぐらいで様子をみる
副作用で胃部不快感、食欲減退、吐き気、下痢等
クマ科のヒグマの胆汁
苦味による健胃
細菌、真菌、ウイルスに効く
リ
肝臓におけるコレステロールの代謝を促す
ポリエンホスファチジルコリンと同じ
目の収斂、保護
ヘモグロビンの産生を助ける
鉄分の補充をしやすくする
唾液や鼻汁に含まれる
組織修復成分
繊毛運動を促進
痰の排出を容易にする
タンパク質なので鶏卵アレルギーの人は×
アナフィラキシーショックリスク有
フタバガキリュウノウジュの樹幹から抽出する精油の結晶
気つけ効果
レ
ビタミンA
夜盲症(鳥目)改善
目の乾燥改善
視力調整等の症状改善
モクセイ科のレンギョウ
鎮痛、抗菌
ロ
・ロペラミド塩酸塩
止瀉薬
腸管運動を低下させる働き
食べすぎ飲みすぎの下痢、寝冷えの下痢に服用
食あたりや水当たり、細菌性胃腸炎には×
15歳未満×
眠気リスク有
乳汁移行リスク有
心臓病、緑内障の人は×
・ロートエキス
アルカロイドを豊富に含む生薬成分
抗コリン
家の鎮痛鎮痙作用
胃液の分泌を抑える
乳児に頻脈リスクがあるので、授乳中の人は×
シカ科のマンシュウアカジカまたはマンシュウジカの雄の幼角
強心、強壮作用
血行促進
以上、「【2020~2021年版】登録販売者試験で出題される可能性が高くて暗記しずらい薬や生薬の作用効果一覧まとめ【医薬品編】」でした。