2018年10月に宅地建物取引士試験(以下宅建試験)を独学一発合格した時の勉強時間、勉強方法、ポイントなどを紹介します。
なお宅建試験は合格率が例年15~17%ぐらいと、私が過去に合格したFP2級と比較して更に難易度が上がります。
受験資格は特に制限はありませんので、誰でも宅建試験を受験する事ができます。
過去10年分の宅建試験統計データによると受験者数はここ数年増え続ける傾向にあります。
合格率に関して宅建試験は相対評価方式という合格率が前もって決められている試験ですが、合格率は過去4年間で全て15%台となっています。
今回は私が宅建試験を目指すきっかけから、1か月単位でどのような勉強法を継続したか詳細に紹介しています。
なお私は食品会社勤務の為、普段の業務で法律に携わることもなければもちろん不動産関係の仕事を行うことも一切ありません。
よって職業上宅建合格に有利な条件は、私自身には全くありませんでした。
宅建試験合格を目指したきっかけはFP2級
2018年1月に実施されたFP3級試験の合格がその日に内定した時点でFP2級の資格勉強をはじめた私ですが、思ったより勉強が順調に進むことができました。
結果FP2級の資格試験の約2か月前には私なりに合格の手ごたえを感じていました。
このまま残り2か月現状維持のままで勉強を継続しようと思っていたのですが、実は勉強中に気になる資格があったのです。
FP2級の勉強科目の中で不動産分野があるのですが、この分野は宅建試験と少し被る所があるとテキストに記載されていました。
この記載が気になっていた私は、FP2級の不動産分野をそれなりに理解できていれば、宅建試験にチャレンジするのもアリかもと思うようになっていました。
実際の宅建試験はFP2級の不動産分野以外でも出題範囲は相当広くなりますが、実は不動産分野以外に相続関係でも宅建試験で出題される事があります。
つまりFP2級の資格勉強をしていると、宅建試験の勉強をほんのさわりですが同時進行している事になるのです。
ネットではFP2級と宅建の勉強は全然違うよ~なんて声もありましたが、私は大いに関係あると思いますよ。
少なくとも宅建士とはどういう仕事でどういう事を知っておかなければならないのか、FP2級の資格勉強をした人なら分かるはずですからね。
3月下旬…FP2級の資格勉強を中断。宅建試験合格を目指す決意をする
宅建合格に必要な勉強時間は約300時間
さて宅建の資格が気になり始めた私は、宅建試験の事を調べてみました。
合格率、試験日、試験科目、合格までの目安の勉強時間などです。
ネットで良く言われていた事は、一般的な法律初心者の場合約300時間の勉強時間が必要だと言われてるケースが多いようです。
試験日が10月21日なので、1日朝夜2時間勉強したとして1か月で60時間。6か月(半年)で360時間。
今から勉強すれば間に合う!
私はFP2級の資格勉強を中断して、宅建試験合格を目指す為に宅建勉強を開始する決意をしました。
実際FP2級の勉強を中断する判断は、他の方から見れば無謀かと思われるかもしれません。
ただ私の場合、FP3級の資格勉強を開始してから通算すると約5か月間FP関連の勉強をひたすら続けていた事になります。
正直な所、FP関連の勉強に飽きてきたという本音もありました。
少し別の分野の勉強もしてみたいと思っていた事は事実です。
それに宅建試験とFP2級試験の中には、少ないですが試験科目が重複している分野があります。
その試験科目を優先的に勉強する事によって、結果的にFP2級の資格勉強も同時進行できるという私の見通しもありました。
結果的にこの作戦は大成功となります。
実際のFP2級の学科試験では、不動産分野で私は全問正解する事ができました。
宅建勉強のスタートはマンガから!
さて宅建勉強を開始するに当たって、まず私は本屋に行くことにしました。
まずは正確な情報収集からです。
そして私が一番最初に買った本はこれになります!
テキストでもなければ過去問でもない。マンガ宅建士入門2018です。
私は今までの資格勉強の紹介で、資格試験合格に必要な事は勉強の継続だと自分に言い聞かせるように紹介しています。
合格する為には勉強を継続する以外ありえません。
では継続する為にはどうするべきか。
少しでも自分にとって分かりやすい、読みやすい、興味が湧く本を選ぶ事なのです。
これは勉強を開始する最初の段階だからこそ一番重要視しなければなりません。
最初に資格勉強につまづいたら、その後ペースを取り戻すのは容易ではないからです。
マンガ本だからこそ最後まで興味をもって読み切る事ができ、それからテキストと過去問を買う。自分なりの戦略です。
最近はマンガで分かる〇〇シリーズという企画本が多数出版されています。
活字離れによる書籍の売り上げが落ち込んでいる中、少しでも分かりやすく誰にでも読んでもらえるように工夫された本がいろいろ出版されています。
FP2級勉強はニュースなどで見聞きする単語も時折テキストに出てきますが、宅建に関しては民法・宅建業法など専門分野の単語が目白押しです。
普段聞いた事もない単語をどんどん覚える必要があります。
単語の意味だけを覚えていたのでは頭で理解するのは難しいし、何しろ勉強していて面白くないです。
せっかく資格勉強をするのなら、少しでも面白くて将来役に立つような知識を得たいですよね。
マンガで読む資格本には、そういった工夫もされています。
ちなみにこのマンガ本、内容は結構充実しているんです。
もちろん宅建試験に出題される単語などもふんだんに盛り込まれています。
なお宅建のマンガ本もさまざまな種類が出版されています。
絵柄やストーリーなども色々ですから、宅建関連のマンガ本に興味がある方はぜひ本屋で中身を比較しながら読んでみてください。
私は購入したこの宅建マンガ本、通算6回は繰り返して読んだと思います。
それも勉強の息抜きと言いますか、初心に帰りたい時などにふと手に取るような感じです。
私の宅建試験チャレンジはこの本からスタートしたのだという思い出もありますからね。
4月上旬…本屋でテキストと過去問を、ネットで民法のテキストを買う。そして宅建勉強の計画を立てる
宅建勉強はテキストと過去問を頭で理解しながら反復学習。答えの暗記は意味が無い
宅建マンガ本を1週間程で読み終え、やはり自分は宅建試験合格にチャレンジしたいという思いは変わりませんでした。
その思いや決意が変わらない事を自分自身で冷静に確認して、再度本屋へ行きます。
いよいよテキストと過去問を買うのです。
テキストと過去問を買う時の基準は今まで紹介してきた通りなのですが、宅建勉強の場合過去問もテキスト同様じっくり比較してから購入して下さい。
なぜなら宅建勉強において、法律を頭で理解する事が一番大切だからです。
FP勉強は単語や数字、計算方法を暗記する事で大半の試験科目は攻略できます。
意味など理解していなくても勉強の継続で試験自体は合格できると思うのですが、宅建試験は暗記だけでは合格する事は難しいのが現状です。
宅建試験において権利問題(民法)が最大の壁となるからです。
この民法を理解する上で一番確実な方法が過去問から理解度を深める方法なのです。
その為には過去問の解説が分かりやすく詳細に記載されている事が必要です。
それと同時に購入する人にとって分かりやすく、読みやすいかもポイントとなります。
本屋で過去問を買う時の判断基準が結構沢山あるという事なのです。
なお宅建の過去問に関してもネットで無料のものがいくつかあるのですが、これはFP2級の勉強方法で紹介した時のように、資格勉強をスタートさせた初期の頃は勉強習慣を根付かせる為にもネットの利用は極力控えた方が良いと思います。
テキストと過去問の反復勉強を継続する。これはFP勉強だろうが宅建勉強だろうが全く同じ流れです。
買ったテキストはネコのイラスト入り。読みやすくて癒されるものを選択
さて私がどのテキストと過去問を買ったのかご紹介します。
テキストと過去問は日建学院で揃えてみました。
テキストを選んだ理由は、ネコのイラストがかわいらしく、これなら少しは読みやすいかなという結構単純な理由からです。
そもそも宅建勉強が初めての私にとって、中身が良いか悪いかなんて分かるはずがないですからね。
それにネットの口コミ等も一切参考にしていません。テキストと過去問共に本屋にて自分自身で比較検討して購入しました。
過去問も結果的に日建学院を選択したのですが、これには理由が2つあります。
まず一つは、テキストと同じ出版会社だと言う事。
テキストと過去問の反復勉強の際に、お互いがリンクしていると分からない問題でもすぐテキストで該当ページを参照する事ができますからね。
あともう一つの理由。過去問を実際やっている時に、ページを開いて解答が同じページか横のページに記載されていると答えをチラ見してしまう瞬間が・・・。
これが重なると以外と気になって過去問を考える所じゃありません。
今回私が購入した過去問は、解答がページの裏に記載されていますからチラ見しても全く分かりません。
集中して過去問に挑む事ができます。
あと過去問の解説も、選択肢一つにつき丁寧に分かりやすいように記載されていました。
宅建の過去問は理解を深めながら勉強する事が何より重要です。
どういう理屈や根拠に基づいてこの選択肢が正解なのか又は間違いなのか、常に意識して勉強していきます。
このような理由から、日建学院のテキストと過去問を購入しました。
民法単独のテキストも購入して、毎日少しずつ読み進める。
実はあともう一つ購入した本があります。
宅建試験に合格した人のブログなどでは、とにかく権利(民法)の勉強が難しい!と良く言われています。
全1044条の民法に関する問題は、条文だけでなく裁判判例からも出題されています。
ただ条文を暗記するだけでは問題を解く事は難しいのが現状です。
そこで民法の本質を理解して、なぜこういう条文が存在しているのか、なぜこういう判例になったのかなど具体的に理解しながら勉強を進める必要があると私は考えたのです。
そこでネットの口コミやレビューなどを参考にして買った本がこれなのです。
この本に関しては本屋で探しても見つからなかったので、中身を確認しないでネットで直接購入しております。
ちなみにこの民法本は宅建勉強以外の時間帯、隙間時間を利用して読むようにしました。
今まで馴染みのなかった民法の基礎概念を、ゆっくり頭に染み込ませていくイメージですね。
試験日までの勉強計画を立てる
まず今現在から宅建試験日までの日数を計算してみてください。
私は3月下旬から勉強をスタートしたので、試験日まで約7か月(210日)でした。
この試験日までの期間をどのように使って資格勉強をするか、その計画を立てていきます。
これは私が宅建勉強をスタートさせる前段階でつくった計画表です。
表には実績を掲載していますが、ほぼ計画通りの実績となりましたのでそのまま掲載しました。
ネットでは宅建試験に合格するまでの勉強時間の目安は300時間と言われてるケースが多いようですが、この日建学院のテキスト内でも300時間ぐらいは必要であると記載されています。
やはりネットでも資格本を出版している資格学校でも、目安の300時間宅建勉強を継続すれば合否ラインぐらいにはたどりつけるだろうという意味でしょうか。
もちろん絶対合格できるという保証ラインではないのですが・・・。
なのでこの300時間を試験日までの残り日数で割り算してみます。
私の場合は試験日まで210日ですので、単純計算で1日当たり1.5時間の勉強時間となります。
人生最初で最後のチャンスと思って、最低300時間勉強する覚悟を決める
私の場合FP勉強の時と全く同じなのですが、資格合格の為の目安勉強時間よりは多めに出来るよう計画を立てて何がなんでも一発合格を目指しています。
一度不合格になると、飽きっぽい私が資格勉強を再開するやる気が無くなるのは目に見えているからです。
人生最初で最後の宅建勉強だぞと覚悟を決めたらなんとか人より多めに勉強できそうだし、一生懸命やった結果がダメなら何をやってもダメだったんだろうと諦めもつきそうだったからです。
何をやるにしても中途半端が一番良くない!これは勉強にしてもスポーツにしても全く同じ事が言えるでしょう。
あの時もっとやっていれば良かった、それにもっと早い時にやっていればよかったと!かいうパターンですね。
金銭的な損失というより、時間的損失の方が大きいと思います。そしてそれを実行できなかった自分自身に対する後悔という損失。
あまりにももったいない!
私の場合、そうなる未来が確実に予想されていたので、せめて資格試験までの7か月間は人並み以上に勉強しようと決意したのです。
人並み以上に勉強して不合格なら、それは私の力だけではどうする事もできなかったのでしょう。
そういう経緯ならば、試験に不合格だったとしても自分は後悔無く納得できそうです。
私が7か月間最低300時間の宅建勉強をやろう!と覚悟を決めたのが3月下旬になります。
具体的には1日最低2時間の勉強時間を確保して、7か月間継続するという計画を立てました。
単純計算で約420時間の勉強時間となります。
宅建業法の勉強を最優先した勉強計画を立てる
勉強時間と期間の計画を立てたら、次に具体的な勉強の進め方の計画を立てます。
宅建試験科目は大きく分けて4つに分かれます。
権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他です。
この4つの試験科目の中で権利関係の勉強が一番難しい事は、宅建勉強を少しでもした事のある人は身に染みて分かっていると思います。
では権利関係の勉強を最初に時間をかけてやろう!と思いがちですが、実はここに大きな落とし穴があります。
これが宅建試験の得点配分になります。
試験は50点満点ですが、一番得点配分が大きい出題分野が宅建業法。4割を占めています。
さあ皆さんならどう勉強の優先順位をつけるでしょうか?
まず宅建業法。これは誰しも真っ先に一番力を入れて勉強する分野です。
詳細は後述しますが、民法は全1044条から成りますが宅建業法は約100条から成ります。
条文が少ない上に得点配分が一番大きい分野!もちろん最優先で勉強すべきですね。
これは日建学院のテキストにも記載されていた事ですが、仮に宅建業法で満点(20点)を取る事ができれば…
残り30問で半分の正解率でも合計35点取る事ができます。
この35点というラインを一つの目標にして、当面は宅建勉強を継続していきます。
宅建業法で20点満点を取る事は十分可能です。
しかし権利関係で14点満点を取る事はまず不可能です。それぐらい問題の難易度が違うのです。
権利(民法)の勉強はコスパが悪い、確実に得点できそうな他の分野に注目
宅建業法の次はどの分野の勉強をやるべきでしょうか?
得点配分だけで見れば権利関係を勉強すべきでしょうが、とにかく条文が多いので覚える事や理解しなければならない事が山程あるのです。
はっきり言えば勉強時間に対する得点配分が低いのが権利関係です。
更にはっきり言えば権利関係はコスパが悪い!!
コスパが悪い難解な分野の勉強を長時間続けるよりは、得点を稼ぎやすい分野の勉強を集中してやるべきです。
すなわち、法令・税・5問免除分野ですね。合計16問出題されます。
この分野を徹底的に勉強する事で、8割~9割ぐらいの正答率で得点を稼ぐ事は十分可能なのです。
法令・税・5問免除分野はほぼ暗記問題です。
税率、専門用語の意味などをとにかく反復して暗記する分野です。
例えるならば英単語をひたすら覚える作業に近いです。
宅建試験攻略のポイントは、権利関係以外の勉強をとことんやる!
権利関係はほどほどの理解に留めておくという勉強スタイルで、私は合格する事ができましたよ。
私が当初計画した勉強計画表では、試験まで残り2か月の8月中に一通りの勉強が終わる見込みとなっています。
これは宅建勉強が初めてだった私にとって、余裕のある勉強計画を立てようと注意していたからです。
資格勉強の進め方は個人によっていろいろな方法があるでしょうし、コツコツタイプや追い込みタイプなど自分に合う勉強法を継続する事が一番重要です。
私は自分で勉強の計画を立ててコツコツ継続する方法が合っていますので、その結果このような計画を立てました。
8月から10月までは予備期間として設定しています。
>>2 4月上旬以降いよいよ具体的な宅建勉強スタート!