香川県善通寺市にある、真言宗善通寺派の総本山である善通寺☟
市の名前にもなっているこのお寺ですが、広大な境内は東西二つの院に分かれており、入り口には五つの門があります。
宝物館には「一字一仏法華経序品」「金銅錫杖頭」(国宝)、「木造吉祥天立像」(重要文化財)など寺宝が多数展示されています。
寺内には四国八十八ヶ所霊場会の本部も置かれて、四国霊場としての中心的な役目も担っています。
たくさんの見所が満載のこの善通寺を、今回ご紹介したいと思います。
みなさんもぜひ弘法大師誕生の地である善通寺のパワーを感じてみて下さい。
大師信仰の三大聖地の一つ、善通寺へ行ってみた
善通寺DATA
住所 | 香川県善通寺市善通寺町3丁目3−1 |
電話番号(寺務所) | 0877-62-0111 |
アクセス | 高松自動車道「善通寺IC」から約10分 JR土讃線「善通寺駅」より1.5km |
駐車場 | 有料駐車場350台。普通車1日300円。 |
公式ホームページ | https://www.zentsuji.com/ |
訪問日 | 2019年9月中旬、14:00頃 |
四国第75番霊場・善通寺は、和歌山の高野山・京都の東寺とともに弘法大師信仰における三大聖地の一つです。
広大な境内は、東院と西院に分かれています。
東院には本尊の薬師如来を祀っている金堂(本堂)や、五重塔(国内の木造塔で3番目に高い45.23m)などがあります。
西院には、その中心に弘法大師を祀る御影堂があり、護摩堂や宝物館・宿坊ができる「いろは会館」などがあります。
境内の総面積は約45000㎡と、東京ドームと同じくらいの広さなんですよ☟
駐車場から西院と東院を巡ると、少なく見積もっても1時間ぐらいはかかると思います。
善通寺を参拝する時は、ぜひ時間に余裕をもって行って下さいね。
ちなみに駐車場は善通寺の西側に350台分あります(境内案内図写真、現在地の上です)
陸上自衛隊の善通寺駐屯地をちょこっとだけご紹介
善通寺から徒歩数分の所に、陸上自衛隊善通寺駐屯地があります。
車で善通寺に向かっている途中に駐屯地が見えたので、少し周辺を歩いてみました☟
陸上自衛隊第14旅団司令部が置かれていて、四国4県の防衛警備を担当しています。
四国4県にはそれぞれ自衛隊駐屯地がありますが、その中でもこの善通寺駐屯地が一番規模が大きいみたいですね。
柵越しに自衛隊の車両を見る事ができました☟
あまり熱心に写真を撮っていると不審者だと疑われそうだったので、ほどほどで止めておきました・・・。
駐屯地横歩道の車止めが自衛隊仕様となっています☟
歩道に設置された大理石のテーブルとイスです☟
駐屯地前の道路は広くてまっすぐな道が続いていますよ☟
善通寺駅からこの駐屯地周辺にかけては、このようなまっすぐな広い道で街並みが整備されています。
まさに有事の際の事も考えられて道路が整備されている訳です。
この善通寺駐屯地では定期的にイベントを開催しています。
音楽隊による演奏会や市中観閲行進、装甲車の体験搭乗などができるようです。
興味のある方は陸上自衛隊第14旅団公式ホームページをぜひご覧ください☟
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/14b/index.html
善通寺西院の見どころを紹介
自衛隊善通寺駐屯地を通り過ぎて左折してしばらく進むと、善通寺の駐車場があります。
駐車料金は前払い方式です。
駐車場のすぐ横に物産会館がありました☟
トイレもこちらにあります。
それでは早速境内に入ってみましょう!
済世橋を渡って左手にあるのが「遍照閣」です☟
西院は誕生院と呼ばれる弘法大師個人にまつわる空間となっていて、この遍照閣はいわゆる研修道場です。
1984年の弘法大師1150年御遠忌の事業の一環として建立された鉄筋コンクリート造りの建物になります。
ドア上にあるのは、仏のしるし「輪宝」です。
この遍照閣1階では、四国八十八カ所各霊場寺院の本尊を祀っていて、その境内の砂を正面に敷いています。
そこを礼拝する事で、四国八十八カ所の霊場を巡拝するのと同じ功徳を得られる「お砂踏み道場」があります☟
どんどん進みますよ~☟
右手に見えてきたのが、弘法大師が誕生した場所とされる御影堂です☟
写真左手に見える像が、両手に五輪塔を持っている稚児大師像です。
御影堂は「礼堂」「中殿」「供養殿」「奥殿」の四殿からなっていて、弘法大師は奥殿にあたるところで誕生したといわれています。
この御影堂の地下には戒壇があって、仏様を求めて手探りで廻る「戒壇巡り」が体験できます☟
今回私は戒壇めぐりは体験しませんでしたが、以前長野県の善光寺に行った時に体験しました。
本当に真っ暗なんですよ!
真の暗闇とはこういう事かと思うくらい、隙間からの光も全くない状態で狭い通路を進んでいきます。
善通寺の戒壇めぐりは約90mぐらいの長さだそうです。
この御影堂には弘法大師の自画像「瞬目大師像」が祀られており、50年に一度開帳されます。
次回の開帳は本来なら2035年ですが、善通寺では令和5年(2023年)に弘法大師御誕生1250年記念事業が行われます☟
この時に先ほどの「瞬目大師像」も開帳されるようですよ。
ちなみにこの御影殿がある場所には、以前誕生院という別のお寺があったようですが、明治時代になって善通寺の一部となっています。
またこの善通寺では宿坊もあって、朝のお勤めはこの御影堂で行われます。
朝の新鮮な空気の中で取り行われるお祈りと、僧侶による法話でみなさんもリフレッシュしてみませんか?
御影堂の先には納経所があります☟
門の正面左右には金剛力士像(仁王)が立ち、西側には大草履が奉安されています。
仁王門は明治22年(1889年)の再建ですが、金剛力士像は南北朝時代(1370年)に作られた当時のものだそうですよ。
迫力が伝わってくる2体の仁王に挟まれながら、東院に向かいます!
善通寺東院の見どころを紹介
東院に入ると右手に五重塔、左手に薬師如来を祀っている本堂「金堂」が見えてきます。
まず善通寺のシンボル的な存在である五重塔に向かいました☟
善通寺の五重塔は高さ45.5mの総欅造りで、建立されてから幾度となく焼失や倒壊の度に再建されてきました。
現在の五重塔は4度目の建立で、完成したのは明治17年(1884年)のものです。
以前は塔の5階まで入る事ができたらしいのですが、今では通常期は内部に入る事はできません。
毎年5月の連休中に、2階までですが内部に入る事ができるようです。
ちなみに塔がなぜ五重なのかは、仏教で言う五大思想(「地」「水」「火」「風」「空」)を示しているからです。
空に向かって突き出るようにそびえたつ五重塔は、どの角度から見ても美しい!
その五重塔の左手にあるのが、薬師如来を祀っている本堂(金堂)です☟
最初に建立された本堂は、永禄元年(1558年)に焼失しており、現在の本堂は元禄12年(1699年)に再建されたものです。
善通寺の本尊・薬師如来像は高さ3m。ヒノキ材による寄木造で、表面は漆地に金箔を押しています。
また、眼には水晶を嵌め込んで生気に満ちた表情をつくりだしています。
東院には、善通寺の正門である南大門があります☟
門に「五岳山」という額がかかっていますが、これは善通寺の背後にある「香色山」「筆ノ山」「我拝師山」「中山」「火上山」の五山に由来しています。
仏教豆知識
アメリカロサンゼルスのリトル東京に高野山米国別院があります。
高野山米国別院では、元旦の護摩だきが行われているようですよ。
日本人の私でさえ初詣は行ったり行かなかったりなのが現状ですから、護摩だきに参加しているロサンゼルス市民の方に何か聞かれても何も返す言葉が無いですね。
お寺の本堂で参拝する時に行う、合掌一礼☟
この合掌には実は深い意味があるんです。
西洋の礼法は握手ですが、片手で相手の手を握っている時にもう片方の手は空いています。
その空いている手で、相手を殴る事も押さえつける事も可能な訳です。
一方東洋の礼法である合掌。
両手を合わせて合掌するという事は、相手に対して暴力を振るう事はできません。
合掌は、相手に対して100%あなたを信頼していますよという敬意を表した最高の礼法なのです。
日本では合掌して相手と挨拶する事はないですが、タイなど東南アジアの仏教徒は今でも人と出会えば、互いに合掌して挨拶を交わします。
まとめ
私は今回善通寺を一通り拝観したつもりだったのですが、ブログを書いていくにつれて見逃していたスポットが多数ある事が判明!
国宝がある「宝物館」は時間の都合上行くことができなかったのですが、西院にある「御影池」を見過ごしていました。
東院の「大楠」に関しては、五重塔の撮影にすっかり気をとられてしまい、素通りしてしまう大失態・・・
陸上自衛隊善通寺駐屯地付近までの往復を含めて2時間近くは散策したのですが、それでも全然時間が足りなかったのです。
四国霊場八十八カ所についてのブログ投稿は今回の善通寺がはじめてですが、今後も四国の魅力を伝えるべく他の霊場も参拝してみなさんにご紹介したいと思います。
そして機会があれば、弘法大師の誕生の地にまた訪れたいと考えています。
朝のお勤め体験ができる宿坊にも、少し興味が沸いています。
四国八十八カ所遍路旅・・・人気の理由が少し分かったような気がしました。
私が過去に参拝した四国八十八カ寺をブログにてご紹介していますので、ぜひこちらもどうぞ
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