徳島市街地から南に約50km、阿波路最後の札所はウミガメの産卵地で知られる日和佐町の大浜海岸近くにあります☟
第23番札所「薬王寺」はおやくっさんの愛称で親しまれており、厄除けの寺として全国的にも名高いお寺です。
年間参拝客は100万人を超え、香川県の第75番札所「善通寺」、愛媛県の第51番札所「石手寺」と並んで知名度の高い霊場となっています。
そんな厄除けのお寺「薬王寺」に行ってきました。
今年、もしくは来年厄年の方は必見ですよ!
なおこの薬王寺で厄落としをされる方は、1円硬貨を数十枚持っていきましょう!
その理由は、この記事の続きをぜひご覧ください。
薬王寺は、天皇や蜂須賀家など多くの信仰を集めた由緒あるお寺だった
薬王寺DATA
住所 | 徳島県海部郡美波町奥河内寺前285−1 |
電話番号 | 0884-77-0023 |
第22番札所「平等寺」からのアクセス | 約19km、徒歩5時間 |
第24番札所「最御崎寺」からのアクセス | 約77km、徒歩17時間 |
駐車場 | 有り(無料) |
宿坊 | 有り(薬王寺 温泉宿坊 薬師会館) |
霊山寺公式ホームページ | https://yakuouji.net/ |
訪問日 | 2019年9月中旬、8時頃 |
厄除けの寺として全国から参拝客が訪れる薬王寺は、726年に行基が聖武天皇の勅願によって建立したのが始まりと言われています。
その後815年に、弘法大師が平城天皇から民衆の厄除け祈願寺を開くようにと勅願を受けて、本尊の薬師如来を彫刻して安置し、厄除けの根本祈願寺としました。
この薬王寺には、嵯峨天皇や鳥羽天皇などの歴代天皇が厄除け祈願の為に勅使を遣わしています。
また後嵯峨天皇が伽藍を再建、仁助法親王が落慶供養をしています。
藩政時代には蜂須賀家から寺領を賜るなど、多くの信仰を集めたお寺がこの「薬王寺」なのです。
薬王寺へ行ってみた
ではさっそく薬王寺へ行ってみましょう。
お寺の横には無料の駐車場が完備されています☟
この駐車場もかなり広いのですが、他にも駐車場が用意されているみたいです。
私が訪問したのが9月中旬の早朝ということで車は数台だけでしたが、正月や1月は多くの参拝客で大混雑するようです。
駐車場の横には宿坊や温泉施設があります☟
日帰りの温泉施設は「薬王寺温泉」で、お食事処も併設されています。
駐車場から徒歩1分程で仁王門に到着です☟
仁王様に挨拶をして先に進みましょう。
この参道を進んだ先に、いよいよ厄除けの階段が待っています。
まず33段の女坂です☟
昔のお賽銭は一文銭でしたが、今は一円玉を一つ一つ石段の両脇に置いて祈願する習わしとなっています☟
そして女坂を上りきったところの絵馬堂にある厄除け臼で、厄除けを祈願しながら自分の歳の数だけ杵でつくのが薬王寺での習わしだそうです。
写真の中央下にあるのがその臼です☟
この先には42段の男坂です☟
私が参拝したのが朝の8時くらいだったのですが、早くから女坂と男坂共厄除けで参拝された方が複数いました☟
ちなみにこの1円玉ですが、そのまま放置しておくと参拝者の足元の支障になってしまうので、お寺の職員の方が定期的に集めているそうです。
正月や1月などはすごい数の一円玉が集まりそうですね。
さて男坂を上りきると、正面に本堂・向かって左手に大師堂があります。
本堂の少し左には、町指定の天然記念物大楠があります。
推定樹齢は600~700年だそうですよ☟
こちらが大師堂☟
この薬王寺は厄除けのお寺ですので、さまざまな種類の護符や御守が用意されています☟
本堂に向かって右手にあるのが、61段の還暦厄坂です☟
私が参拝した時には、還暦で厄落としに来られた方はいなかったようです。
この還暦厄坂の先には、朱と白が鮮やかな瑜祇塔(ゆぎとう)があります☟
高さ29mのこの瑜祇塔ですが、瑜祇とは人の心を映すという意味です。
そして塔上の五つの相輪は平和と幸福を象徴しているそうです。
この瑜祇塔は昭和39年に四国霊場開創1150年を記念して、信者の寄進で建てられました。
塔内には大日如来像を囲んで五智如来像を安置しています。
ちなみにこの塔の中に入る事も可能で、地下は真っ暗な戒壇めぐり(有料)と閻魔図などの書画を展示。
1階は国宝指定されている弘法大師の一生を著した高野大師行状図画を展示。
2階は展望台になっており、室戸阿南海岸国定公園が見渡す事ができますよ。
薬王寺は歴史的にも文化的にも見所がたくさんあるお寺です。
人生の節目の年に厄除けで訪れる人、四国お遍路で訪れる人、観光で訪れる人など、いろいろな人生が交錯する場所「薬王寺」のご紹介でした。
四国遍路豆知識…打つ
四国遍路において、順打ちとは第1番札所から順番通りに第88番札所までを巡拝することです。
逆打ちとは、第88番札所を起点にその逆の道筋を辿ることです。
ではこの四国遍路において「打つ」とはどういう意味なのでしょうか。
かつて四国遍路で本尊が安置されている堂宇の柱などに、木製や金属製の納札を打ち付けて礼拝していたんだそうです。
そこから巡拝の対象となる寺を「札所」、札所に参拝することを「打つ」と呼ばれています。
私が過去に参拝した四国八十八カ寺をブログにてご紹介していますので、ぜひこちらもどうぞ
第1番札所「霊山寺」 | 【第1番札所】四国遍路のすべてのはじまり、一番さんを巡る【霊山寺】 |
第40番札所「勧自在寺」 | 【第40番札所】四国霊場の裏関所、観自在寺は天皇家や宇和島藩主に縁があるお寺 |
第75番札所「善通寺」 | 【パワースポット】弘法大師誕生の地「善通寺」の見どころを紹介します【四国霊場第75番札所】 |